【Vol.763(2024.01.26)】「手書き」のアナログさを大切に

いまや世界は完全なデジタル社会。

個人的には、スマートフォンの登場やインターネットの構築で、
時代の流れが以前の何倍もの速さになったと感じています。

学習塾もしかりで、教室運営に関わるものすべてがアナログでしたが、
教材や教室運営システムなどでも
デジタルコンテンツを活用している塾さんがほとんどではないでしょうか。

弊塾でも、(そう多くはないものの)これらをいくつか使わせていただいています。

ただ、それでも弊塾では、教室運営に関して昔ながらのアナログさも大切にしています。
特に重視しているのは「手書き」の文化です。

「それをしなくても教室は回る」部分ですので、
客観的に見れば非効率に見えることは理解しています。

しかし私や教室長は、「手書き」というアナログの行動が内部充実につながると考えています。

さらに言えば、自分達がされたら嬉しいことをやっているだけで、
それが結果的に内部充実につながっているという感じでしょうか。

例えば、弊塾の近くにあるスターバックスではときどき、
パートナーさん(店員さん)がカップに「ステキな1日を」「いつもありがとうございます!」など、
コメントを書き添えてくださることがあります。

それを見るとやっぱり心が温かくなりますし、単純に嬉しいです。

私が自分がされて嬉しいことを人にもしたいと考えるのは、スターバックスの影響大ですね。

さて、弊塾で大切にしている「手書き」の文化ですが、
大きく分けて生徒さん向け、講師向けの2つがあります。

ただ、やっていること自体は基本的に地味です。
なんせ手書きしているだけのことですから。

しかし、この「地味」な積み重ねが、人の心を温め、それが内部充実となり、
地域に必要とされる教室になると考えています。

それぞれ、以下のような内容で手書きしていますので、
共感していただけるようであれば、ぜひ丸パクリしてください!

<対生徒さん>

●バースデーカード

生徒さんの誕生日を祝うために、
市販のバースデーカードに手書きのコメントを書いて渡しています。

もちろん私たちや担当講師だけでなく、
代講で1・2回担当したことがある講師にも書いてもらいます。

バースデーカードは、300〜500円ぐらいですが、
カードを開いたら立体的になったり、メロディーが鳴ったりと、ちゃんとした(?)ものです。

生徒さんの好きなキャラクターが分かっていれば、
そのキャラクターのカードにするなどひと工夫を加えているのもポイントです。

誕生日に通塾する場合はもちろん当日に、
そうでない場合は誕生日が来るまでの通塾時に渡し、
誕生日以降に渡すことにならないように気をつけています。

●年賀状や残暑見舞い

年賀状や残暑見舞いにも、手書きのメッセージを社員・講師のみんなで書いて送ります。

講師たちもとても協力して手伝ってくれるので、
でき上ったものは愛情たっぷりの寄せ書きです(笑)。

「もらった生徒さんは嬉しいだろうな~」と笑顔を思い浮かべながら書いています。

ちなみに、宛名も手書きです。

ハガキという文化がどんどん薄れていっている今の時代だからこそ、
生徒さんの自宅に年賀状や残暑見舞いが届くと、際立つと感じるのは私だけでしょうか。

ただし、注意点が2つあります。

1つ目は講師のみんなが書いてくれた後に「誤字脱字」チェックを行うこと。
特に生徒さんの名前が間違っていたら大変です(安多くん→安田くん)。

弊塾では、事務スタッフが最終チェックをしてくれています。

もう1つは、こうしたハガキの作成に対して事務給与をしっかり支払うことです。

講師たちは厚意でやってくれていますが、やはり業務として扱い、
コメント書きをしてくれた時間分は支払うのが当然だと思います。

●提出物や課題を返却する際

提出物や課題を私たちがチェックして生徒さんに返すことがありますよね。

その際、できる限り手書きのコメントを付箋に書いて
「確認しました!よく頑張ったね」や「正答率上がってきたね(^^)」など、
提出物の中身に触れた内容を伝えています。

毎回、すべての生徒さんに対して行えているわけではありませんが、
時間に余裕がある場合はできるだけ書くようにして、
生徒さんの心が少しでも温まればいいなという考えです。

あとは返却する際に「(提出してくれて)ありがとう」という言葉も必ず伝えるようにしています。

言霊の力って本当にあると思いますよ。

<対講師>

●シフト表の返却の際

弊塾では講師のみんなに、2ヶ月おきにシフト表を提出してもらっています。

勤務可能な日時に◯をつけてもらうアナログぶりで、提出してもらったシフト表を確認し、
勤務してもらいたい日にマーカーを引いて返却するという流れです。

その際、講師へ感謝の気持ちを一言書いて返却するように心がけています。

「お忙しい中、たくさん勤務してもらってありがとうございます」といった感じです。
働いてくれていることに感謝する内容ですね。

やらなくてもシフトのやりとり自体はできますし、
コメントがなくても特に講師は何も思わないかもしれません。

しかし、こういった積み重ねが信用を生み、教室へのエンゲージメントを高めます。

●予習用の過去問を渡すとき

弊塾は高校生が多い関係もあり、高3の授業で大学の過去問対策を行うことが多いです。

講師も予習なくして過去問解説は不可能ですので、
時間分の給与を支払って、自宅で過去問の予習を行ってもらい、
授業で解説を行ってもらうことになります。

過去問は事務スタッフが毎週末に準備して、
各講師に提供している棚へ入れてもらっていますが、
その際、付箋で労いのコメントをつけるようにしているのです「。

コメント内容はシンプルに「いつもありがとうございます」や
「たくさんの予習、本当にありがとうございます」などですが、
感謝の気持ちを言葉で伝えることはとても大切だと思います。

手前味噌ですが、意識が高く学力の高い講師ばかりなので、
「自身の勉強になります」や「解くのが楽しいです」と協力的なのは本当に助かりますね。

●給与明細

今の時代はデジタルで配布という塾さんも多いと思いますが、
弊塾では給与明細を「紙」で渡し、裏側に、私と教室長がそれぞれコメントを書いています。

感謝の気持ちをはじめ、その講師の教室での様子を思い浮かべ、
いいなと思った部分を褒めるようにしているのです。

「授業の入れ替え時にも、自習生にどんどん声かけしてもらってとても助かります」
といった感じですね。

日々の感謝に加え、教室でもあなたの頑張りをしっかり見ていますよと伝えることで、
講師もさらに意欲が高まるはずです。

自分の行動が評価されたら嬉しいだろうなと想像しながら、
私たちも講師の勤務姿勢を思い出してコメントするように心がけています。

いかがでしたか?
ポイントは「自分がされて嬉しいことを、相手にする」です。

いたってシンプルですよね。

私の自己満足に過ぎない部分もあるのかもしれませんが、
やらないよりやったほうが絶対にいいのはご理解いただけたのではないでしょうか。

学習塾運営は、超地味なことの積み重ねで成り立っていると思います。

「うちはこんなことをやってます!」という先生がいらっしゃいましたら、また教えてください!

【今回のまとめ】
・非効率的でも、アナログの良さを生かして
・自分がやられて嬉しいことを、生徒さんや講師にも

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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