【Vol.811(2024.07.17)】土曜・日曜もフルオープンする方法

先日、弊社有料会員さまから「土・日の教室フルオープン、やりたいけど難しいそう」
というご相談をいただきました。

以前にも当メルマガで、高等部を確立するためには
「土・日はできることなら開校がおすすめ」などとお伝えしてきましたが、
せっかくですので、過去記事に加筆する形のリバイバルで、
土曜・日曜にフルオープンする仕組みや方法を掘り下げてお伝えしたいと思います!

ちなみに弊塾は7月以降、翌年の入試が終わるまでは、
元日を除いてずっと教室を開校する予定です。

それでも今年度は完全休校日をちょっと増やしていて、年間353日開校となっています。
ちなみに昨年までは年間360日程度開校していました。

この話をすると、ほぼ全員から「そんなことして体が持つんですか!?」と言われるのですが、
持つはずがありません!!

家庭がズタズタになるのも目に見えています(笑)。

結論からお伝えすると、私や教室長が出勤し続けるのではなく、
自習室開放を基本として土日に働いてくれるスタッフを雇用しているということです。

実は弊塾も9年前まで、テスト前を除いて日曜日は休校日でした。

しかし高3生(大学受験生)からすると、日曜日も自習室を活用していと思っているでしょうし、
私たちも勉強時間を増やしてほしいと思っていますから、
お互いの利害は一致しています。

そこで知恵を絞りにしぼった結果、毎週土日に開校するといった形に至ったのです。

土日も開校したおかげで、今では「常に開いている塾」として、
高校生からは「ありがたい」と言ってもらっています。

大学合格した生徒さんに体験談を書いてもらうのですが、ほとんどの生徒さんが
「自習室がずっと開いていて使いやすかった」
「土日も開けてくださって本当にありがとうございました」などと書いてくれていました。

やって良かったなと思いますね。

ちなみに、Amazonの配達員さんも常に教室が開いているものとして、
週末も配達物を持ってきてくださっている感じがします(笑)。

さて、土曜・日曜をフルオープンできる体制づくりですが、内容自体はいたってシンプルです。

まったく普通で、当たり前のことですので、石とか投げないでください(笑)。

まあ逆を言えば、それだけ取り組みを始めやすいということでもありますので、
参考にしていただけたら嬉しいです!

まずは、土曜・日曜に働いてくださるスタッフ募集について。

ちなみに9年前、土日開校を始めた際に設定したスタッフ時給は1,100円と、
かなり魅力的な金額だったと思います(当時の兵庫県の最低時給は899円だったはず)。

弊塾では、たまたま学生講師のお母様を縁故採用できたためラッキーでしたが、
塾の講師募集・社員募集については、
いわゆる“内リク(内部リクルート)”を有効活用しやすい業界だと思います。

元生徒、元学生講師といった人材から、「これは!」と思う人を一本釣りする形です。

その範囲を、元生徒さん・元講師のご家族にまで広げて考えれば、
さらに良いご縁が眠っている場合もあります。

弊塾の場合、お母様を紹介してくれた学生講師は、
小5から通ってくれた元生徒さんでもありました。

つまりお母様も当時の保護者ということで、
私や教室長とも長い間やり取りがあった関係だったのです。

弊塾のことを、保護者さんとしても、我が子のバイト先としても、
よく存じてくださっていたわけです。

このお母様がとても頑張ってくださっており、
電話や来訪者の対応も、分かる範囲で最低限のことはしてもらえています。

仕事もめちゃくちゃ丁寧で、毎週末に翌週の座席を確認し、
座席モレがないかのチェックもしてもらっています。

おかげでモレが皆無になり、「座席が漏れていた」と、当日慌てる
“個別指導塾あるある”がなくなりました。

もうこの時点で、土・日に働いてくれる以上の貢献度です。

また、高3生は毎週、英単語・英熟語・古文単語のテストを行なっていて、
その採点もしてもらっています。

そのテストが70点以下の場合は、日曜日に追試があるのですが、
その追試対応もしてくださるなど、高3生にとってはお母さんのような存在です。

ただし、いかに信頼できる講師のご家族であっても、
当人が人材として期待できるかどうかは別問題ですし、
もしいまひとつだった場合、採用を断りにくいという側面もあるのは事実です。

そういう意味でも、以前からよくお互いを知っていたという点で、
迷いなく採用できたのも大きかったですね。

一方、スタッフ目線で見れば、「ここで働いてもいいかな」と思ってもらえるような
塾づくりをしておくことは欠かせないでしょう。

紹介してくれた学生講師も、もし職場としての弊塾に悪い印象を持っていれば、
大切なお母様を紹介しようなんて思えませんものね。

自画自賛のような表現になってしまい恐縮ですが、そういうことではなく、
生徒さんや保護者さんに「いい塾だ」と思ってもらえる教室づくりをすることは、
巡り巡ってこういうところにも効果をもたらすんだなと痛感しています。

もちろん、通常どおり求人広告を出すのも一つの手ですが、
個人的には、大学生以上のお子さんを持つお母さまがベターかなと感じます。

弊塾の土日スタッフ本人も言っていましたが、お子さんが大学生以上になると、
週末もそんなにしょっちゅう家族で出かけることはありません。

学校行事が重なることも少なくなりますので、基本的に土曜・日曜に予定が入ることが少なく、
旦那さまとの旅行や法事が単発で入るくらいなのだそうです。

言われてみれば確かに。勉強になりますね。

実際、弊塾では
・土曜日 8:45~12:45の4時間(教室は10:00~19:00開校)
・日曜日 9:45~19:15の9.5時間(教室は10:00~19:00開校)
を基本パターンとして勤務してもらっています。

土曜日は昼まで、昼から私や教室長が出社し勉強会や授業を行う形です。
勉強会がないときや、私や教室長が休みの際は終日勤務をしてもらうこともあります。

このとき、時給1,200円とした場合の月給は、
概算で「時給1,200円×毎週12.5時間(休憩1時間)×4週=60,000円」です。

これを費用として考えるなら、この給与で土曜日曜を開けることができ、
電話や来訪、生徒対応やテストの採点・追試対応までしてもらえるのであれば、
ありがたすぎる金額だと思いませんか?

しかも勤務時間内に、
・掃除
・椅子の消臭
・ゴミ出し
・小テストの採点
・荷物の受け取り
・座席表チェック
・あらゆる事務
・ときどきリアル・パートナーズの事務(笑)

までしてくださるわけです。

ただ単に椅子に座って、いわゆる“お店番”のようなことをするのではなく、
こまごまとした事務作業をすべて行ってくれるので、
私や教室長は自分にしかできない仕事に優先して時間を割くことができます。

また、勉強会時に私たちが出社してバタバタしているときも、
電話対応や宅配便の受け取りをしてくれるなど、安心感が違います。

痒い所に手が届くというか、本当に感謝しかありません。

有形・無形を問わず、月100万円分ぐらいの価値を作り出してくれているとさえ感じます。

このように、専用スタッフを雇って土日に教室を開けることは、
正直メリットしか思いつきません。

どうしてもデメリットをあげろと言われるならば、当日急な欠勤があった場合に、
私や教室長が代わりに入らないといけなくなるということぐらいでしょうか。

実際にそんなことは起こっていませんが、
その際は、私たちが即座に代われる体制を作っておくか、
教室が休みになる連絡網を確立しておくことが大事だと思います。

塾長が一人で土曜も日曜も開校するのは大変です。

周りにいる人材やご縁をフル活用すれば、
スタッフさんも稼げてよし、生徒さんも土日勉強できてよし、
塾も評判がアップしてよし、の「三方よし」になるのではないでしょうか。

みなさんはどう思われますか?
特に高等部を持つ塾さんは、ぜひともご検討なさってみてください!

【今回のまとめ】
・土曜・日曜のフルオープンは意外とハードルが低く、その上メリットでいっぱい

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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