地域にもよると思いますが、ようやく長い長い夏休みが終わりましたね。
しかし、これだけ長期の休み明けには、生徒さんの生活リズムも大きく変わり、
かなりのプレッシャーがかかります。
先日お届けして記事でも
「新学期はアンテナ感度をフルマックスで!」とお伝えしたばかりです。
生徒さんによってプレッシャーの度合いはさまざまでしょうが、
「学校に行きたくない」と精神的に追い詰められる生徒さんが必ず出てきます。
今は、クラスに2~3名は不登校の生徒さんがいる時代ですから、
みなさんの塾に通われている生徒さんの中に、
本気で辛いと感じている子がいても何らおかしくありません。
ちょうど台風10号日本列島に向かって来ていますが、
単に「休めたらラッキー」という生徒さんとは別次元で、
心の底から「休校になってくれ」と願っている生徒さんもいるはずです。
そうした生徒さんの気持ちや変化にアンテナを張ろうというのが今回のテーマですが、
実は昨年の夏休み明けのタイミングでも、同じテーマをお送りしています。
大事なことなので何度もお伝えしたく、リバイバルしたものをお届けさせてください。
夏休み明けは、1ヶ月以上にわたり学校が休みであることが影響する
トラブルやストレスが発生することが多いです。
実際に、弊塾でも先週あたりから
調子があまり良くなさそうな生徒さんがちらほら出てきています。
見ていてしんどそうだったり、欠席が増えたりと、とても辛そうです。
1年前の記事になりますが、
教育評論家の親野智可等(おやの・ちから)先生の記事がとても勉強になります。
【夏休み明け「子どものSOS」親が知らない“危機”】
https://toyokeizai.net/articles/-/696727
親野先生は、夏休み明けに不登校になる理由をこう挙げておられます。
1.夏休み前に友達とトラブルがあった。またはいじめに遭っていた
2.夏休み中にSNSでのいじめやトラブルがあった
3.夏休み前から先生との関係がうまくいっていなかった
4.夏休み中にSNSやゲームなどをやりすぎて生活リズムが乱れてしまった
5.新学期の学校生活・行事・勉強への不安(給食の時間がつらいとか部活動がつらいなども意外に多い)
6.夏休み中に起立性調節障害が発症したり悪化したりした
7.集団的な行動が多い学校のシステムそのものが苦手
8.家庭環境や親子関係の急激な変化による不安感
9.発達障害、知的障害、情緒的障害など各種障害
10.漠然とした不安
現場の体感としては、やはり1ヶ月半もの長期休みだと、
非受験生は生活リズムが乱れがちだと感じます。
(弊塾では、受験生は全員10:00から通塾していたので、その点は安心です)
塾では週1~2回しか生徒さんと顔を合わせることができない場合が多いので、
彼らの表情や発する言葉などは注意深く観察しておきましょう。
「ちょっと顔色悪いな」と思ったら、面談室で1on1をしたり、保護者さんへ連絡したりと、
周りを巻き込んで生徒さんのフォローをしていくことが肝要です。
常に元気いっぱいの子でも、意外とストレスを感じているものです。
先入観は判断を鈍らせますから、フラットな状態で生徒さんと接するように心がてください。
また、自分1人や社員さんだけでなく、学生講師やスタッフにも通達して
元気がない生徒さんや「学校に行きたくない」などの発言が見られた場合は、
すぐに報告するようにルールを共有しておくことをお勧めします。
生徒さんの変化やストレスに気付くためのアンテナを立てておくべきポイントは、
以下のようなものが挙げられます。
・普段遅刻(欠席)しない生徒さんが遅刻(欠席)する
・あいさつや返事などに元気や覇気がない
・授業中にぼーっとしている
・普段、ちゃんと宿題をしてくる生徒さんが、連続で宿題をやってこない
・ため息をよくつく
・目に生気がない(うつろ)
私は専門家ではないのでありきたりのことしか書いていませんが、
常に生徒さんの様子を見ている私たちだからこそ、
ちょっとした変化に気づける可能性があります。
もちろん、精神的なものではなく、
単に学校が始まったことで体力的に疲れているだけのこともあるでしょう。
それでもしっかり、面談や保護者連絡を行うようにしてください。
やりすぎるぐらいがちょうどいいです。
「連絡しておけばよかった」と後悔だけはしないことが大切です。
また、保護者さんにも、下記のような内容でアラートを出すようにしています。
毎年、新学期が始まる前に送っています。
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フォレスト生 保護者各位
お世話になります。個別教育フォレストの安多と申します。いつもありがとうございます。
早いもので夏休みも終わろうとしています。
主に中学校は今週木曜日から、高校は週明けから新学期が始まります。
新学期が始まりましたら、
しばらくの間はお子さまの表情を今まで以上に見ていただきますようお願いいたします。
色々な悩みや不安などから、学校へ行きたくないと思われる可能性があるからです。
もし「学校へ行くのがイヤだ」と言われた場合は、
まずお子さまのお話を共感して聞いていただけけると幸いです。
話を聞かずに「学校は行くものだ」「学校は行って当然」というように、
無理に登校させてしまった場合、お子さまがさらに苦しんでしまう可能性があります。
ご自宅が安心できる場所にしておかないと、お子さまの逃げ場がなくなります。
お子さまが安らかな気持ちで幸せに生活できることが最優先です。
ご自宅でのサポートどうぞよろしくお願いいたします。
参考<夏休み明け「子どものSOS」/親が知らない”危機”「想像以上につらい」>
https://toyokeizai.net/articles/-/696727
私たちもお子さまの様子が気になりましたらすぐに連絡いたします。
保護者さまもご自宅で気になることがございましたら、いつでもご連絡くださいませ。
よろしくお願いいたします。
個別教育フォレスト 安多
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「学校へ行かない選択肢」も昔に比べ、かなり一般化してきた感じも受けます。
しんどいときに無理して学校に行くと、さらに学校に対して抵抗感を抱き、
悪循環になる可能性も高まります。
言い方は悪いですが「たかが学校」です。
心身をすり減らしてまで、這ってでもいくようなところではありません。
(決して学校を軽んじているわけではありません)
その場合は、自宅が生徒さんの唯一の居場所になりますので、
安心できる場所であるように保護者さんに働きかけたいところです。
学校にも行けないのに、自宅でも居心地が悪いとなると、もはや逃げ場がなくなります。
生徒さんが思うかどうかは別にして、
塾も安心できるような場所として生徒さんに認知しておいてもらいたいところです。
講師や保護者さんにも協力してもらい、みんなで助け合ってください。
あなたの一言・行動が、生徒さんの心を癒すかもしれません。
塾のミッションは、成績を上げるだけがすべてではないと思います。
伴走者として一緒にサポートしていきましょう。
【今回のまとめ】
・新学期が始まると、生徒さんは心身ともに不安定になりがち
・生徒さんのSOSサインを見逃さないようアンテナ感度を爆上げする