ご存知の方も多いと思いますが、東京にある大学受験予備校「ニチガク」さんが、
年始早々の1月4日から閉鎖となりました。
2週間後には共通テストという状況、受験生たちが本当に不憫でなりません。
ニチガクに通っていた生徒さんたちは、
試行錯誤してなんとか受験対策されていると思いますが、
希望する大学に進学できることを願うばかりです。
ところで、以前にも当メルマガでご紹介いたしましたが、「脱・税理士スガワラくん」という、
私が「唯一」毎日欠かさず見ているYouTubeチャンネルがあります。
菅原由一税理士が、お金や税務だけでなく、経営についても話されていて、
「無料でこんなに聞けていいの?」というレベルで、私も毎日勉強させてもらっています。
結構辛口で痛いところをついてこられますが、
本質をついておられて返す言葉もありません(笑)。
本当におすすめです!
そんな菅原さんが先日、ニチガクさんの一件にからんで
こんなタイトルで動画をアップされていました。
【大学受験予備校が受験直前に破産!?こんな大事に時期にニチガクに一体何があったのか!?/脱・税理士スガワラくん】
https://www.youtube.com/watch?v=StrUgYlGVV0
一部ネットからのソースもあり、100%正しい情報ではないかもしれませんが、
破産に至る上での流れや状況を解説されています。
その中で、個人的にとっても響いた言葉があります。
「経営を立て直すのは新たなことを始めるんじゃない。無駄なことを省く」です。
いやー、めちゃくちゃ刺さりました!
ニチガクさんのケースでたとえると、昨年の春に社長が交代した際、
「医学部コース」を新設して立て直しを図ろうとしたそうです。
しかし結果うまくいかず、設備投資などもかさんで
あれよあれよと資金がショートしたのではとお話しされていました。
確かに人は、追い込まれると「イチかバチか」という大逆転の発想になりがちです。
でもそれはただの博打ですし、十中八九失敗します。
追い込まれて冷静な判断ができなくなり、一発逆転の発想や
目先の資金確保に心が支配されてしまう部分があったのかもしれません。
菅原さんが言われるように、窮地に立たされて経営の立て直しを迫られたたときこそ、
まずは極限まで無駄の削減を徹底することが大切だと、改めて感じました。
では実際、1:2の個別指導塾に置き換えた場合、
「極限まで省ける無駄」って何があるでしょうか。
倒産寸前でやっても遅いかもしれませんが、そうではない今からやってみたら
経費削減になり利益アップに直結するかもしれません。
5分でいいのでぜひ一度、みなさんも考えてみてください!
あっ、間違っても講師・スタッフの時給を下げるのはNGですよ。
一瞬で退職につながります。削るならまずはあなたの役員報酬を削りましょう。
……いかがでしたか?
私が思いついた「今すぐできる経費削減」をざっと箇条書きにすると、こんな感じでした。
・大家さんと家賃交渉
・教室スペースを減らす(3つ借りているなら1つにする)
・スマホを大手キャリアから格安SIMに変える
・コピー用紙の種類をB4とB5は無くし、A3とA4だけにする
・講師の交通費の切符を金券ショップで安く入手する
・1:2の個別指導であれば、何があっても1:2のペアリングにする(1:1を絶対に作らない)
・1:1を作り出さないように、休む際の振替ルールを改定する(当日の振替はできないなど)
・塾長が通常授業に入り、講師人件費を削る
・振替授業はすべて塾長が行う
・不要な備品や教材をメルカリなどで処分する
・今使っているチラシ業者さんより安い業者さんを探す
・取引する教材会社を1つに絞る(配送料が浮くため)
・あまり使っていない映像コンテンツやアプリを解約する(なくてもなんとかなります)
・効果が出ていなければ、ネット広告をやめる
・社用車があれば売却し、駐車場も解約する
・教室運営システム(Comiru等)を導入する
・社員や講師の給与を現金手渡しにし、銀行振込手数料が発生しないようにする
・フランチャイズ加盟の場合、ポスティングや校門前配布などで
徹底的にスーパーバイザーのマンパワーを借り、人件費を削減する
ちょっと無理矢理な項目もありますが、極限まで削るというのはこういうことだと思います。
他に思いついた内容があれば、ぜひ教えてください!
これを書いている時点で、弊塾もまだまだ無駄なことが多いなと感じました。
まだ体力があるうちに、余裕をもって削れるところを削っていきたいと思います。
また、惰性でやり続けている部分も多くなると感じました。
「みんながやっているから自分も」や「とりあえずやり続けておく」という部分にも
メスを入れていくことが必要かもしれません。
やらなくなっても意外と大丈夫なことって、山ほどありますからね。
そして、最後に響いた菅原さんのフレーズが「(塾長の)学力と経営能力は全く違う」です。
当たり前ですが、いくら学力(学歴)が高くても、
比例して経営能力が高くなるとは限らないですよね。
私は学力が高くないぶん、これからもしっかりと経営能力を高めていきたいと思います。
やっぱり大切な生徒さんや保護者さん、
そして講師スタッフやその家族を路頭に迷わすわけにはいきませんから!
倒産や経営危機は、決して対岸の火事ではありません。
みなさんはどう感じられましたか?
みなさんからのご意見もいただけると嬉しいです。
【今回のまとめ】
・新しい取り組みは、立て直しの手段としてはハイリスク
・削れるものをとことん削る意識を持つ