【Vol.927(2025.08.13)】最低賃金アップ前に、業務改善助成金の活用を

今年も10月1日より最低賃金の改定が行われる予定です。

弊塾の地元である兵庫県の場合、1,052円→1,116円に上昇する見込みです。

気になって調べたところ、教室開校時の2008年は712円、10年前の2015年は794円と、
たった10年で300円以上、1.5倍近くアップしました。

いやー、実際に数値で見るとなかなかの上がりっぷりですね。

高校生がアルバイトをして、時給1100円以上もらうなんて夢にも思いませんでした。

「高校生は700円台」という感覚の方も多いのではないでしょうか。
私たち大人も意識を変えていかないといけませんね。

みなさんもぜひ、ご自身の地域の最低賃金の推移を調べてみてください。

とは言え、この流れ自体に不平不満を言っても仕方ありませんし何も変わりません。

前向きに捉えて、気持ちよくスタッフさんにも給与を払い、
会社もしっかり利益が出る仕組みを作るのみです!

そこで今回は、10月に最低賃金アップを見据えて、
そのタイミングで使えそうな便利な助成金をご紹介したいと思います。

それが「業務改善助成金」です。

すでにご活用中の方も多いかもしれませんが、知らなければ損をするだけ、
厳しめに言えば「無知は罪」と言えるほど、めちゃくちゃ便利な助成金です!

同助成金は、事業場内で最も低い賃金(事業場内最低賃金)を30円以上引き上げ、
生産性向上に資する設備投資等を行った場合に、
その設備投資等にかかった費用の一部を助成する制度です。

【業務改善助成金】
https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001471309.pdf

もし現在、地域の最低賃金〜塾の最低賃金の差額が
50円以内のスタッフさん(勤務6ヶ月以上)がいらっしゃる場合、特におすすめです!

該当人数や従業員数、勤続日数や賃金の上げ幅によって条件や助成額は変わりますが、
例えば1人の該当従業員の時給を30円アップするだけで、60万円も助成されます。

しかも費用の3/4が助成対象となりますので、
「80万円(税込88万円)の投資した場合、60万円が助成」されます。

28万円の自己負担のみで88万円分の設備投資などができるという計算です。

これは本当に大きな制度だと思います!

私も今まで、4回利用させていただき、
10月の賃金アップのタイミングで5回目を現在申請中です。

ちょっと実例で考えてみましょう。

例えば、最低賃金1,000円の地域で1,020円で働いているスタッフAさんは、
差額50円以内なので、このAさんの時給を30円引き上げて1,050円にすれば、
上記の60万円の助成額に該当します。

さらにポイントとしては、10月からは時給が平均63円アップするので、
10月よりこのエリアでは、最低賃金が1,063円になるとしましょう。

9月には確定数値が出るはずですので、9月中にAさんの賃金をアップする場合は、
10月からの最低賃金以上(この場合1,063円以上)にしておいたほうがよいです。

Aさんの場合だと、9月までに時給を1,050円にしても、
10月から時給1063円に再度アップしないといけなくなり二度手間になります。

このとき、Aさんのアップ額を30円ではなく、最初から45円にしておくのがポイントです。

そうすれば、Aさんの時給は1,065円になりますので、
10月以降も変更する必要がありません。

また、45円アップした場合、助成額は、30円アップ時の60万円から、
80万円に増額されるメリットもあります。

「生産性向上に資する設備投資等」が条件となっていますので、
これをどう満たすかが気になる人もいるかもしれません。

ただ、要は設備投資などを導入することで時間効率が良くなり、
従業員の負担が減ればよいわけですので、こその仕組みや設備などは、
考えれば色々と出てくると思いますよ。

研修などでも使うことが可能です。

あとは利益率が昨対より3%下がっている月があれば、
タブレットやパソコンなども助成対象になる要件もあったりします。

ただ、こうした助成金全般に言えることかもしれませんが、分かりにくいですよね……
私が文字で解説するにも限界がありますし、不十分だと思います。

そこで、私も勉強させてもらった、こちらの動画をご紹介させてください!
めちゃくちゃ分かりやすいですよ!

<【個人事業主もOK】申請ラッシュ確実!車もスマホも対象の超優秀助成金を見逃すな!
/わがまま社労士の人財革命チャンネル>
https://www.youtube.com/watch?v=KnkFIwYR6Uc&t

いかがでしたか。

業務改善助成金は、助成金の中でも申請が容易なほうです。

また、助成金は補助金とは異なり、申請が通れば100%助成されますので、
ぜひ一度チャレンジしてみてください。

人件費がかかる分、こういった助成金をうまく活用して
会社を安定させていくことも大切かもしれませんね。

もちろん、教室運営がメインですから、生徒さんが目の前にいるのにも関わらず、
助成金の資料つくりなんてしていたら本末転倒ですからお気を付けを!

繰り返しますが「無知は罪」と思うくらいでちょうどよいです。
しっかり情報を得た上で、「使う・使わない」の判断をしていくことが大切だと思います。

上手に活用して、教室運営をより良いものにしていきましょう。

夏期休校中のお時間ある際に、色々と学ばれてみてください!

「もっと知りたい」などニーズがあったら、
私の知っている知識内で助成金セミナーでもやりましょうか(笑)。

もし「やってほしい!」という方がいらっしゃいましたら、ご連絡いただけますと幸いです!

【今回のまとめ】
・最低賃金アップのタイミングで業務改善助成金の申請を
・無知は罪

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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