「グレーゾーン」という言葉をご存知の先生方も多いかと思います。
発達障害の症状があるものの診断基準に満たないため、
そうと診断されない状態のことです。
医学的には「グレーゾーン」という言葉はなく、
発達障害の傾向がある場合に使われることが多いようです。
ちなみに発達障害には主に3つのタイプに分かれています。
(1)自閉症スペクトラム障害(ASD)
(2)注意欠陥・多動症(ADHD)
(3)学習障害(LD)・限局性学習症(SLD)
このような症状があるものの、判断基準を満たさず発達障害の診断がつかない場合、
学習や行動などは一般的な生活条件の下で過ごすことになります。
しかし、見る力や聞く力、想像する力など、
テストで数値化して評価できる能力である「認知機能」に
課題を抱えていることが多いと言われるグレーゾーン。
そうすると、困りごとがあっても周囲に気づかれにくかったり、
主観的な判断で、「やる気がない」「努力不足」と誤解されたりすることも少なくありません。
認知機能の問題は、本人のやる気や努力でカバーできるような問題ではないのです。
私も以前から、発達障害やグレーゾーンに関して興味があり、
関連する書籍をよく読んでいます。
その中でも衝撃的だったのが「ケーキの切れない非行少年たち」です。
【ケーキの切れない非行少年たち(宮口幸治)】
https://www.amazon.co.jp/dp/4106108208
少年院に入っている多くの非行少年たちは認知力が弱く、
「ケーキを等分に切る」ことすらできない場合が多いのだそう。
この問題の根深さは、普通の学校でも同様に起きていること。
困っているのに見過ごされている子どもたちが、
山ほどいることに気づくことができたきっかけになりました。
マンガでも出版されていますので、ぜひ読んでみてください。
ちなみに宮口先生は、「コグトレ」という
認知知能を強化・トレーニングする教材を開発されていて、
書店やアマゾンなどでも購入できます。
【コグトレ関連の教材】
https://www.amazon.co.jp/dp/4895906213
https://www.amazon.co.jp/dp/4815607192
実は、これらの教材を、我が家の娘も年長〜小2ごろに
実際に使用させてもらっていたんです。
パズル感覚で楽しそうに解いていました。
私たちは医師ではないので、
グレーゾーンが疑われる生徒たちを「診断」することはできません。
また、単なる少ない経験値や思い込みで
「彼は多分、発達障害だろう」などと思うこともするべきではありません。
しかし、何度指導しても理解できず学習内容が定着しない生徒さんや、
落ち着きがなく話を聞いてもらうことが困難な生徒さんに出会うこともあります。
そんなときいつも「どう対応すればよいのか」「専門家の先生のアドバイスが欲しい」
と思っていました。
そこで今回、そうした情報を共有して正しい対応を学ぶべく
「ケーキの切れない非行少年たち」の著者・宮口幸治先生をお招きし、
講演会を開催いたします。

お忙しい方ですので、宮口先生までたどり着くのは正直大変でしたが、
「全国の塾さんにお役に立つならば」と快く引き受けてくださいました。
みなさん、私を「えらい、よく頑張った」と褒めていただいても大丈夫ですよ(笑)。
宮口先生には、グレーゾーンの子どもたちへ理解を深めることや、
教室内での対応法などをお話しいただきます。
認知機能の弱い子どもたちへの具体的なトレーニング方法や声かけなど、
すぐに実践できるアプローチ法を学ぶことができますよ。
ぜひこの機会に支援が必要とされる子どもたちへの理解を深め、
一人ひとりに寄り添う指導のヒントにしていただければ幸いです。
今回も教室運営システム「Comiru」の株式会社POPERさんとの共催です。
重要なテーマであり、少しでも多くの塾さんにご参加いただき、
学んでいただきたいということで、セミナー費用も無料といたします。
本当にPOPERさんには足を向けて寝られませんね(笑)。
・グレーゾーンの子どもたちへの関わり方や指導法について、知識を深めたい
・グレーゾーンの子どもたちの可能性を広げるための、具体的なアプローチを知りたい
・グレーゾーンの通塾生への接し方や指導方法が分からない
・『ケーキの切れない非行少年たち』に興味があり、宮口先生の考えを学びたい
という方はぜひご参加ください。
開催日時は10月23日(木)11:00〜12:30です。
また、今回はアーカイブなしのセミナーとなります。
ぜひともご予定を調整していただき、ご参加いただけますと幸いです!
専門家の先生の話をしっかり聞いて、自塾の教室運営に生かしていきたいですね。
私もたくさん勉強したいと思います。
<『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治先生が語る! グレーゾーンの子どもに必要な「認知機能」の育て方>
■日 程 : 10月23日(木)11:00~12:30
■講 師 : 宮口 幸治先生(「ケーキの切れない飛行少年たち」著者)
■参加方法 : Zoomを使ったウェビナー
■参加費用 : 無料
■申 込 : https://comiru.co/seminar/contents/20251023-3/
※塾内で複数名参加の場合、1名ずつお申し込みください
※申込情報は株式会社POPERと共有いたします
※アーカイブはございません
講師プロフィール
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立命館大学教授、一社)日本COG-TR学会代表理事、児童精神科医
宮口 幸治(みやぐち・こうじ)先生
京都大学工学部卒業、建設コンサルタント会社勤務の後、神戸大学医学部医学科卒業。
神戸大学医学部附属病院精神神経科、大阪府精神医療センターなどを勤務の後、
法務省宮川医療少年院、交野女子学院医務課長を経て、2016年より現職。
医学博士、子どものこころ専門医。
困っている子どもたちの支援を教育・医療・心理・福祉の観点で行う
「日本COG-TR学会」を主宰し、全国で教員等向けに研修を行っている。
主な著書に『ケーキの切れない非行少年たち』『どうしても頑張れない人たち』
『歪んだ幸せを求める人たち』(いずれも新潮社)、
『境界知能とグレーゾーンの子どもたち』(扶桑社)、『境界知能の子どもたち』(SB新書)、
『1日5分 教室で使えるコグトレ』(東洋館出版社)、
「コグトレ みる・きく・想像するための認知機能強化トレーニング」 (三輪書店)など。
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【今回のまとめ】
・グレーゾーンについて正しい知識を学ぼう
・生徒さん対応のヒントに