【Vol.970(2026.01.09)】生徒さんを「信じる」ことは、私たちの「覚悟」でもある

自戒を込めつつ、みなさんに改めて問いかけてみたいことがあります。

「私たちは、目の前にいる生徒さんの可能性を、本気で信じきっているしょうか?」。

先日も紹介させていただきましたが、この年末年始は
心から尊敬するビリギャル著者・坪田信貴先生の最新刊をじっくり読むことができました。

【勝手な夢を押しつける親を憎む優等生と、東大は無理とバカにされた学年ビリが、現役合格した話(ビリギャル2)/実話をもとに描いた物語】
https://www.amazon.co.jp/dp/4763142720

■あらすじ(サイトから引用)
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「どうせ無理」なんて、オトナの大嘘だ。
“ビリギャル塾”に集まった4人の高校生。
親の夢を押しつけられる優等生の希栄、「東大なんて無理」とバカにされる翔太、
集中力が続かない健太、心を閉ざした美咲。
彼らを導くのは、生徒の可能性を引き出す教師・坪田先生。
それぞれが、「どうせ無理」とささやく周りの“オトナ”、そして自分の中の“オトナ”と闘っていた。
そんなとき、白血病と闘う少年・悠斗が現れる。
「勉強しているときだけ、僕は“患者”じゃなくて“受験生”でいられる」
その言葉が、みんなの心を動かしていく。“信じるカ”が人生を変える、希望の物語。
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坪田先生の凄さは、単なる指導テクニックにあるのではありません。

もちろん知識や指導スキルも圧倒的なのですが、私が心から見習いたいと思っているのが、
生徒さんがそもそも持っている可能性を引き出し、やる気に火をつけることです。

坪田先生や坪田塾のスタッフさんの生徒コミュニケーションは、
「君なら絶対に大丈夫」と信じるところから始まります。

指導者側の「生徒さんを信じ抜く覚悟」こそが、
周りが不可能と思っていることを可能にするのだと、
本を読みながら改めて感じさせてもらいました。

私たちはつい、経験や思い込みから
「あの子はこれぐらい」と勝手に生徒さんをラベリングしてしまうことがあります。

それどころか、「あの子はやる気がないから伸びない」「この偏差値では到底厳しい」
「ぜんぜん努力が足りない」など、感じてしまうこともあるはずです。

恥を忍んで正直に言えば、少なくとも、未熟な私はそう感じたり思ったりすることがあります。

しかし、もし生徒さんが「やる気がない」、「努力していない」と感じるのであれば、
それは生徒さん本人の問題ではなく、
「やる気が出るアプローチ」や「努力できる構造」を作れていない
私たち指導者側に問題があると考えるべきではないでしょうか。

例えばもし宿題をやってこない生徒さんがいた場合、
単純に「やってこない=やる気がない」と捉えるのではなく、
「なぜできなかったのか」という部分にフォーカスすることが大切ではないかと思うのです。

もしかすると、

・宿題が難しすぎた、量が多すぎた
・学校や家でトラブルがあった
・そもそも本人が宿題の必要性を感じていない
・先生が宿題のチェックをたまにしかしないのでサボった
・先生とのコミュニケーションが希薄だった
・宿題を毎回しているが成績が伸びない
・惰性でこちらも出している
・本当に忘れていた

など、いろいろな理由や原因があったのかもしれません。

そこを分析して、次に繋げていくことが大切です。

また、親子間でもよくあるのが、
テストで良い点を取った、宿題を完璧にこなしたなど、成果を出したときにだけ評価する、
いわゆる「条件付きの期待」です。

しかし、私たちがすべきなのは、今の成績や状態がどうあれ、
その子の存在そのものを肯定することだと思います。

スポーツ庁が体育の授業に関して実施した調査でも、体育が楽しくなる条件として、
「自分のペースで行えること」「自分に合ったルールが用意されていること」が
上位に挙がっています 。

これは一般教科にも言えることで、大人が一方的に決めた物差しで測っているうちは、
生徒さんが自分を信じることはできないのです。

私たちは「個別指導塾」を名乗る以上、
一人ひとりに合わせて「努力ができる場」を構造的に作り出す責任があります 。

例えば一律の宿題を出さない、評価軸を複線化するなど、
「どうすればこの子は力を発揮できるか」から考えることが、
本当の意味で「生徒さんを信じる」ための第一歩になるのではないでしょうか 。

また、「信じているよ」と口で言うのは簡単ですが、
それを生徒さんが実感するためには、
日々の「小さな変化」を見逃さない観察眼が必要です 。

・計算ミスが前より1つ減った
・先週できなかった英単語を覚えた
・以前より5分長く集中して机に向かえた
・分からないところを、正直に「分からない」と質問できた
・遅刻しなくなった

など、テストの点数には現れないような部分を拾い上げ、言語化して伝えることが、
「先生は自分を見てくれている、信じてくれている」という安心感に繋がります。

話は少しずれますが、こういったことの積み重ねが内部充実にもつながり、
退塾率の低下や紹介の問い合わせ増にも影響を与えることでしょう。

みなさんもご存知の通り、生成AIが急速に進化しています。

「AIがすべてやってくれるので、もう塾はいらない」という考えも一部にあるようです。

確かに、知識を教える役割はAIでも担える部分が増えてきたと感じます。

しかしAIには、心から生徒さんに寄り添ったり、
自分の可能性を否定している生徒さんの心に火を灯したりすることはできません。

孤独などを理由に、相談相手としてのAIに心理的依存をしてしまう人もいるようですが、
それはまた特殊な事例でしょう。

自信ややる気をなくし立ち止まっている生徒さんの横にいて、
信頼関係のある状態で一緒に目標に向かう――

そうした目に見えない心の部分をサポートできることこそ、
個別指導塾の神髄ではないでしょうか。

「必ず伸びる」、そう信じて、一人残らず伴走し続ける覚悟を持つことが必要だと思います。

「教えるプロ」である以上に、「信じ切るプロ」であり続けたいですね。
私も坪田先生に少しでも近づけるように努力していきます!

ちなみに坪田先生の新作「ビリギャル2」には

・なぜ、「5教科」を勉強しなきゃいけないのか
・AIを使って偏差値を20上げる方法
・進路の決め方
・東大生の親は、子どもに勉強を教えない

など、塾運営のヒントになる部分も盛りだくさんに描かれています。

また、坪田先生が“やらかした”事例も書いてあり
「坪田先生も人間なんだな」といい意味で安心した部分もありました。

みなさんも、ぜひお読みください!

【勝手な夢を押しつける親を憎む優等生と、東大は無理とバカにされた学年ビリが、現役合格した話(ビリギャル2)/実話をもとに描いた物語】
https://www.amazon.co.jp/dp/4763142720

やたらと勧めていますが、もちろん案件でもお願いされたわけでもありません(笑)。

塾運営の原点を見つめ直すことができる1冊ですので、本当にオススメです!

【今回のまとめ】
・生徒さんへの接し方を改めて考える
・新刊「ビリギャル2」、おすすめです!

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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