【Vol.972(2026.01.14)】AI浅慮(せんりょ)にならないために

生成AIの進化や浸透により、就活の形も変わりつつあるようですね。

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ロート製薬、新卒採用のエントリーシート廃止 「生成AIで内容が均質化」 代行手段は“直接会って話す”
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/articles/2512/15/news123.html

大学生が見た「ChatGPTに丸投げ」就活の末路。コピペES、セリフ丸暗記で「思考停止」…AI就活の落とし穴
https://www.businessinsider.jp/article/shukatsu-ai-thinking-stop-a/

就活生の6割超がAIでエントリーシート作成、自己分析もAI頼み
https://forbesjapan.com/articles/detail/82065
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就活のエントリーシート作成に生成AIを使ったことがある学生は6割を超えるそうです。

確かに生成AIを使えば、頭の良さそうなエントリーシートを秒で作ってくれます。

それを壁打ちして修正を重ねていけば、精度を高めたエントリーシートができ、
タイパもとてもいいですよね。

私も大学生であれば、絶対に生成AIでエントリーシートを作ってもらっているはずです(笑)。

もちろん企業側もしっかり対策を行なっていて、エントリーシートを廃止したり、
生成AIを使ってエントリーシートを書いている前提で面接の時間を増やしたりと、
アナログ戦法で見分けをつけていると思います。

むしろ昭和の面接に戻ってきた感じがしますね。

これらは、大学受験における総合型選抜にも置き換えることができます。

総合型選抜では、自己推薦書や志望理由書などの提出を求める大学が多いですが、
生成AIを使って作った受験生も少なからずいるはずです。

大学側もそれは織り込み済みで、面接で「自分で書いたものか」を見極め、
合否判定をしていると思います。

ただ、受験生が生成AIを使って自己推薦書や志望理由書を仕上げる仕組みに関しては、
私はそんなに悪いとは思いません・

何も考えずに丸投げは論外ですが、生成AIを壁打ち相手とし、
中身をより深く濃くしていくという行為は、
塾の先生が生成AIと入れ替わっているのとそう変わらないからです。

むしろ、生成AIと塾の先生の両方を上手に活用すれば、さらに精度の高いものができ、
自分の考えを言語化でき、面接でもよい結果に繋がりやすいのではないかと考えています。

生成AIが浸透する以前の総合型選抜でも、
塾や学校の先生が半ば代筆したかのような書類は、
たいてい面接見抜かれて最終的に不合格になっていました。

実際に大学側で面接をする立場にある人に話を聞くと、
そもそも面接とは本人確認の意味合いもあり、誰かが代筆しているかもという前提で
「本人が書いていなければ答えられないような質問をする」と言っていました。

実は弊塾でも、15年以上前から総合型選抜対策(旧AO入試)を行なっていますが、
こちらが手を入れすぎた結果、不合格になったであろう経験もしてきました。

私たちの手が入っているぶん、書類の中身はよく仕上がっているのですが、
2次審査の面接でそれを見抜かれてしまったのだと思います。

もちろん、塾で代筆するようなことも、内容を“盛る”ようなこともしていませんが、
良かれと思って重箱の隅をつつくような添削をした結果、
本人の力だけで言語化できる内容以上のものができてしまう、という感じです。

やはり生成AIを使う際は、正解や完成品の提示をしてもらうのではなく、
使おうとしている情報の真偽の確認や、
志望大学の詳細を読み取ってもらうサポート係として認識するべきでしょう。

先日読んだ、「AI浅慮」と呼べる現象に関する記事がとても勉強になりました。

【注意:AI浅慮(せんりょ)とデスキリング問題】
https://note.com/tomoya_okado/n/nceae7df092aa

詳しくはリンク先の記事を読んでいただきたいのですが、
AI浅慮とは「考えなくなること」、デスキリングとは「考えられなくなること」であり、
浅慮は意識と運用ルールで防げるが、
デスキリングは、教育・業務設計を変えない限り防げないと書かれていました。

私がぼんやりと抱えていたモヤモヤが、
明瞭に言語化されていてとてもスッキリした気分です。

上記記事のような対策を取りつつ、上手に生成AIを活用していくことで、
総合型選抜対策に関しても、横一線の状況から抜け出すことができるのではないでしょうか。

今は就活生にしても受験生にしても、AI浅慮の人が多いのだと思います。
AIが作った回答を、確認もせずあたかも自分の回答であるかのように扱う況です。

私たち塾側が総合型選抜対策などをこれからも行っていくのであれば、
まずやるべきは、生徒さんにAI浅慮にならないようにアドバイスすることでしょう。

面白い図がありましたので、こちらもシェアしておきますね。

<「AI浅慮」に陥らないための4つの実践ガイド>
https://x.com/emasha/status/2009553108331090102/photo/1

そして何より、志望理由書などで問われる受験生の価値観やその源泉、強み、性格なども、
それらを引き出して言語化するためのコミュニケーションも、
日々、生身で接している私たちだからこそ分かるということを忘れてはいけません。

例えば、個人面談をしている中で、生徒さん自身が自覚していないような強みを指摘したり、
それに気付かせるような働きかけをすることってありますよね。

AIにはそれはできませんし、書類にも決して反映されません。

ここを抜きにして、形だけ見栄えの良い書類を作っても意味がないですし、
結局は、生徒さん自身が脳を使って深く考えることが不変なんだと思います。

叩き台となる部分をAIに任せて6割程度の完成度まで持っていき、
そこからヒアリングや面談を重ねるなどして、
ブラッシュアップに生身の人間が伴走する形でもよいでしょう。

私たち塾関係者も、もっともっと生成AIを学んで、
ツールとしてうまく活用できるように勉強していかないといけませんね。

それが真の総合型選抜対策にもつながっていくと考えます。

もし、総合型選抜も志望理由書や自己推薦書などが廃止されても
対応できるだけのサポート力をつけていく必要があります。

この春には総合型選抜のセミナーも開催予定ですので、ぜひご参加ください!

【今回のまとめ】
・生成AIメインで志望理由書を作っても、面接で落ちる
・生成AIの使い方を極めるかがこれからの時代に必要不可欠

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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