【Vol.980(2025.02.11)】新年度に向けて(前編)

受験シーズン真っ最中ではありますが、
一方で来年度に向けた方針や施策を考えていく時期でもあります。

やることや考えることがてんこ盛りの2~3月になりますが、
ここを無事に乗り切ってよい形で新年度を迎え、今年もGWを楽しく過ごしたいところです。

今年のGWは飛び石連休でちょっと不満ですが、私はこれで自分を鼓舞しています(笑)

そこで今回は、新年度に向けた取り組みを、
前編・後編の2回に分けて、一緒に考えていきましょう。

「すでに来年度の取り組みや計画は策定済みだよ!」という方は、
復習や再確認の意味でもご一読いただければ幸いです!

新年度に向けた5つの取り組みポイント

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(1)生徒数推移&売上・利益目標
(2)学年別比率
(3)広告関連(デザイン・予算)
(4)講師採用
(5)年間カレンダー
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(1)生徒数推移&売上・利益目標

新年度に向けた取り組みのメインと言っても過言ではないのが、年間の生徒数推移です。

本当に、ここから塾運営のさまざまな要素に派生していきますので、
しっかりと計画していきたいところですね。

フローとしては、まず年間の計画を立て、それを月別に分けて、
毎月の入塾数・退塾数目標を設定していくのが一般的です。

また、今年度の計画に対して実数値を入れてみることで、
毎月の達成具合を確認することができます。

もしかすると、個人塾をされている先生の中には、
生徒数推移や収支表を作ったことがない方もいらっしゃるかもしれませんが、
エクセルでチャチャっと作れますので、ぜひ1度作ってみてください。

昨年度や今年度の実績を入力すれば、昨対比率も分かりますし、
数値が客観的な事実を教えてくれますよ。

これらがなくても、どんぶり勘定でなんとかなるのは個人塾のいいところとも言えますが、
そうした感覚に実際の数値が加われば、思い込みによる経営を減らすことができます。

人間、自分の都合のいいように解釈しがちですから、感覚のみに頼るのは意外と危険です。

今年度や昨年度の入会数(退会数)の実績をベースに、
新年度の月別の入会数(退会数)目標を立てると、
「達成するために○月はこんな取り組みを行う」という意識が持てるようになります。

例えば「ポスティングを行う」「門配を実施する」「紹介キャンペーンを行う」「web広告を出す」
などですね。

数値目標を立てる際は、過去数年分の月別データを参考するとよいでしょう。

私の数値設定は、それを基準に
「(非常に上手くいくパターン+まったく上手くいかないパターン)÷2」を心がけています。

まあ無難にという形ですね。

また、月別の入会数・退会数から生徒数推移を推測することができます。

中3継続率をどれぐらい見込むかによって退塾数や生徒数も変わりますので、
そこも念頭にしてください。

これに授業料単価と講習会費用、教材費を加えることで年間の売上が計算できますから、
授業料単価を見直すにもよい機会です。

今年度の単価を参考に「アップか、現状維持か、下げるのか」など考えてみてください。

単価アップした場合は、問い合わせや入会数が減る可能性もあるので、
これらも想定に入れながら目標に反映させてみましょう。

それでも学習塾の場合、授業料と教材が売上の大半を占めている場合が多いので、
売上に関してはシンプルで分かりやすい構造だと思います

売上見込みがたてば、次に支出を考えます。

大きなものでいえば、

・自身の人件費
・社員人件費
・アルバイト人件費
・家賃
・広告宣伝費

などでしょうか。

次に数万円単位の項目としては、

・光熱費
・教材・模試代
・備品
・コピー代
・電話代
・税理士費用
・社労士費用

あたりですね。

アルバイト人件費は変動費ですので、売上に対して変わります。

1:2の個別指導塾では、人件費が売上の27%前後に収まるのが
適性と言われています(30%超えると危険水準)。

今年度・昨年度の実績を参考に、算出してみてください。

広告費に関しては、「売上の○%」という変動費で考えることもできますし、
「年間○○万」と固定費で考えることもできるので、やりやすい方がいいですね。

こうして最終的な利益が成立するわけですが、
一般的に利益とは「売上-支出」という計算式で考えます。

ただ、「売上がいくらだった、支出がいくらだった、だから利益がいくらになった」という
結果論な考え方だと、「あーあ、利益がでなかったな」みたいな感想になりがちです。

そうではなく、先に目標とする利益を設定し、そこから考えていきましょう。

「今期は利益をいくらにする、だから、売上はいくらにして、支出をこれだけに抑える」と、
目標から逆算していく考え方ですね

個人塾の場合、売上も支出もそんなに複雑な構造ではないので、いたってシンプルです。

1度、きちんとした生徒数推移や売上・支出・利益の目標を作ってみることをお勧めします。

(2)学年別比率

次に学年別比率です。

塾関係者であれば、全員と言っても過言ではないぐらい
「今年は中3生が異様に多い(比率が高い)」、「中1生がやたら少ない(比率が低い)」
といった経験をお持ちではないでしょうか。

私はよくあります(笑)。

比率が偏りすぎていて1番困ったのは、高3生比率が30%を超えていた時です(32名)。

同じ受験生でも中3生は7~8割継続して続けていただけるのですが、
さすがに高3生は時期がくれば全員が退塾することになります。

生徒数で言えばどんと32人減るわけですから、生徒数を維持しようとした場合、
32人の新規入会が必要なわけですから、かなり大変でした。

このときに取り組んだのは、従来1~2月から始める新年度生募集を
12月に前倒しして、問い合わせや入塾数を増やす試みです。

年明けのセンターや私大入試、高校入試などももろにぶつかり、
私や社員は屍になっていたような気がします(笑)

どうにかこうにか、抜けた高3の人数をカバーすることはできましたが、
かなりバタバタした記憶があります。

また、新規生が一気に入塾してくると、
弊塾の特徴でもある静かで落ち着いた雰囲気が薄くなりがちなので、
ここを立て直して馴染んでもらうまでも、色々と大変でした。

したがって本来であれば、1つの学年に生徒さんが偏りすぎないよう、
普段から意識をしておきたいところです。

弊塾では、反省を込めて受験生(次年度にはいなくなる可能性がある)の生徒数比率を
「中3は総生徒数に占める割合が最大15%まで、高3は最大20%まで」
と設定していました(現在は高等部専門の塾なので、以前の話です)。

設定した比率を超えそうになった際は、問い合わせの段階で、
「キャンセル待ち」や「断る」という決断も大切です。

その分、非受験生の入塾を優先することで、1年後・2年後の教室運営が安定してきます。

各学年の偏りがありすぎるのは、毎年壊れそうなジェットコースターに乗っている感じで、
心臓に悪いと思いますし、一気に経営悪化の可能性もあるので、注意が必要です。

(3)広告関連(デザイン・予算)

年々反応が落ちてきているようですが、まずはチラシについて。

「チラシ折込なんてもう古い! これからはSNS集客やweb広告の時代だ」
という考えもあるでしょうが、私はまだチラシにも一定の成果が見込めると思っています。

新聞折込はさすがに購読者数も激減しており効果が薄くなっていますが、
例えばリビング(地域紙)は十分に戦力となる配布経路だと思いますよ。

もちろん、SNSの上手な運用なども必要だと思っています。
要は引き出しをたくさん持っておくということですね。

大手塾さんが今でもチラシを大量投入していることから見ても、
効果がゼロとはいえないはずです。

むしろ地域密着型の個人塾こそ、SNSやweb広告同様に、
折込チラシやポスティングも効果的だと感じています。

特にポスティングなどは、やった分だけ地味に反響がありますしね。

まあそこの議論はさておき、実際にチラシを作る場合は、学年比率を考えることが大切です。

「主にどの学年に来ていただきたいか」を考えて、
その学年に向けた内容をメインにチラシを作るのです。

非受験生に入塾してもらいたい場合、チラシのキャッチコピーも、
受験生を意識した「今から頑張って合格しようぜ!」的なメッセージにはなりません。

「定期テストで50点アップを目指す」とか「勉強の習慣をつけましょう」とか
「1年後の受験学年に向けて地盤を固めましょう」といったキャッチコピーや、
それに合わせた内容で構成しておくのがいいですね。

なんにせよ、まともなチラシを作って、
リビング(地域紙)に折り込む、ポスティングするというのが王道ではないでしょうか。

「どの学年・層」にきてもらいたいかという意識を持つことは、SNSやweb広告でも大切です。

まずは配信し続ける習慣が何よりも大切にはなりますが、その次のステップとして、
求める学年・層に向けたメッセージ(ラブレター)を発信していくと、
通じ合える(興味を持ってもらえる)可能性が高まります。

私自身、SNSには非常に疎くて勉強不足なのですが、
昨年末からSNS運用を学んでいるところです。

この辺りも形になれば、情報の共有や、勉強会を開催してみたいと思っています。

いかがでしたか。

当たり前のことばかり書いていますので、新鮮味には欠ける内容だったかもしれませんが、
それでも、新年度に向けた準備というのは、
やりすぎる・考えすぎるぐらいがちょうどいいと思います。

めちゃくちゃバタバタしている時期ではありますが、
目標立てや広告宣伝計画など、並行してすすめて最高の新年度にしていきましょうね!

次回は、後編をお届けします。

【今回のまとめ】
・来年度の生徒数推移をきちんと計画する
・学年別比率で異様な偏りが出ないように調整する
・まともなチラシを1本作っておく

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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