【Vol.1050(2026.10.14)】夫婦関係の良し悪しが、子どものやる気や成績につながる

私は発達心理学や家庭教育の研究を専門としているわけではないので、
今回はあくまでも経験則によるお話です。

ただ、それでも強く感じるのは、夫婦関係が子どもの学力や心身の発達に
少なからず影響を及ぼしているのではないかということです。

知己の塾さんでも、「成績が上がるためには保護者さんのマインドが変わる必要がある」と、
保護者向けセミナー(親業)をされているところがいくつかあります。

教育評論家の親野智可等先生は、
常々「自宅が安全基地であることが大切」だとおっしゃられていました。

しかし夫婦が不仲だと、それを子どもが感じ取ってしまい、
家庭は安全基地ではなくなるでしょう。

家庭内に緊張状態があると、子どもたちの意識はそちらに引っ張られ、
勉強どころではなくなりますし、睡眠障害などももたらして記憶力の低下にもつながります。

そして無力感を抱いて「やっても無駄」という思いが先行し、
ますますマイナスのスパイラルに入り込むという流れです。

また、夫婦間の連携が崩れると学習面や進路面などに関しても一貫した方針が取れず、
子どもも混乱してしまうケースがあるのかもしれません。

以前、新規面談した保護者(母)さんが、こんなことをおっしゃられていました。

「中学生の子どもは反抗期まっさかり。日常の『ありがとう』もなく悲しい。
旦那から(の言葉や感謝)は別にいらないが、子どもからは感謝されたい」。

もちろん口には出しませんし、申し訳ないのですが、
「そこまで言う?」と、面談しながらちょっと引いてしまったことを思い出します。

世間では、「嫁(旦那)と最近まったく会話をしていない」とか、
「同じ家にいるのに空気のような扱いをお互いしている」とか言われている方も
チラホラいるようです(ネット調べ)。

まあ、仲のよさや強い信頼関係の裏返しで、
わざと自虐的に言ったり、相手を落として言ったりしているだけかもしれません。

しかし、そうした「相手を尊重できない」姿勢が子どもにどう伝わっているか、
家庭が、大切なことをみんなで話し合えるようなコミュニティとして機能しているかは、
考えてみる必要があるのではないでしょうか。

なお、子どもの教育関連で主導的役割を果たすのはお母さまであることが多く、
その負担の偏りも問題視されることが多いですが、
今回のテーマとは少しずれるため、ここでは深く言及しません。

みなさんの教室でも、面談に来た保護者さんに対し、
「生徒さんの状況をご家庭で共有して、講習会の提案や進路などを一緒に相談ください」
と伝えることは多いと思います。

しかし、夫婦仲が良くない家庭だと、こうした話し合いを持つ場も少なくなるでしょう。

私たち塾側としては、成績アップや志望校合格などを達成するための提案やアドバイスをし、
ご家族の中でもしっかりと話し合ってくださいねとお伝えしますが、
それが実際にどの程度行えているかまで確認することはできません。

まったく会話がない、感情的になって言い合いをする、
そもそも相談するだけの信頼関係すら崩壊しているといいうケースも
可能性として想定しておく必要があるかもしれません。

よその家の夫婦間のことですから他人が口出しすることはできませんし、
それが塾としてはもどかしいところなのですが、夫婦仲の良し悪しが、
少なからず子どもの教育や成長に影響していると考えるのが自然だと思います。

ここは、「夫婦論」みたいな話も少し含みますが、
そもそも夫婦なんてもともと他人なのですから、意見や価値観に相違があるのは当然です。

しかし私は、そこを認めつつ、建設的に夫婦間で話し合いをすることで、
子どもの進路や成長にプラスの面に働くと考えています。

人間は感情の生き物ですから、正しい理論をかざすだけではうまくいきません。
ある種の「交渉」「取引」にもなってきます。

いくら不仲になってしまった夫婦でも、子どものことについては、
お互い認め合ったり、一歩引いて建設的な話し合いをできたりするかもしれません。

夫婦の関係改善に塾が介入することはできませんが、
家庭にはさまざまな形があることを理解し、
それをふまえて子どもにとって何がベストか考え、働きかけることくらいならできるはずです。

私も面談では、自分の経験談でしかないことは補足しつつ
「夫婦仲が良いご家族ほど、お子さまはすくすく育たれるケースが多いですし、
踏ん張る力をお持ちになりがちです。ですので、今以上に仲良くされてくださいね」
と、お伝えするようにしています。

「お子さんにとっても自宅が安全基地となり、何かあった時に相談してくれたり、
親子間で建設的な話し合いができたりしますよ」
とも話すこともありますね。

面談に来られた保護者さんがパートナーの悪口をこぼしている場合は
「まあ色々ありますよね」と気持ちには理解を示しつつ、
「でも、夫婦仲がいい方がお子さまの成長には好影響ですので、
言われていないと思いますが、お子さまの前でパートナーの悪口などは厳禁ですよ」
と伝えたりもします。

もしかすると「うちの家庭のことを知りもしないで、何を偉そうに!」と
反感を抱かれているかもしれません。

しかし、そうした苦言も「なるほどね」と
少しでも受け入れていただける保護者さんとお付き合いをしていきたいです。

何をどう伝えても理解してもらえない方に気を使って、
こちらが疲弊するようなお付き合いは避けたいですし、こちらも選ぶ権利はあります。
(そう考えると、本当に学校の先生はすごいなと思います)

今回は、私の単なる感想みたいな内容で恐縮ですが、
とにかく言いたかったのは
「夫婦関係が良い方が、子どもに好影響になる可能性が高まる」ということです。

関連するリンクをいくつか貼っておきますので、みなさんもぜひご一読ください。

小さくとも、自塾の中でできることを、こつこつやっていきたいですね!

【子どもは夫婦喧嘩を必ず見ている。夫婦だからこそ話し合いに感情を出すべきでない理由】
https://kidsna.com/magazine/article/mother-family-240628-29731464

【子どもが幸せになるたったひとつの方法とは。「ずるい子育て」親野先生インタビュー】
https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-240509-57144650

【親野智可等先生のX】
https://x.com/oyanochikara

【今回のまとめ】
・子どもの成績や成長には、夫婦の関係性が関わっているかも
・夫婦間で子どもの進路を話し合えるよう、塾側もできる範囲で働きかける

この情報をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

目次