受験シーズンも最盛期ですが、やはり気になるのは体調管理。
今まで頑張ってきた成果をいかんなく発揮できるように、
子どもたちには万全の体制で受験に臨んでほしいですよね。
そんな中で、明光義塾の明光ネットワークジャパンさんが、
興味深い調査結果をリリースしておられました。
<受験生の保護者の6割以上が、コロナ対策として学校を休むことに理解あり>
タイトルの通りですが、受験のためのコロナ対策として6割以上の保護者さんが
「学校を休むのはアリ」と答えたというものです。
不登校問題にも言えることですが、
このあたりも一昔前と比べて価値観が変わってきたのでしょうね。
私個人も「行きたくないなら行かなくても良い」という考えですが、
以前は当然のように「学校へは行かなくてはいけない」という考え方が主流でした。
ただ、受験のために学校を休むのは、不登校とは少し事情も違います。
社会の価値観が変わってきたとはいえ「学校を休む」ということに対し、
いまだ子どもたちも(もしかしたら保護者さんも)何らかの罪悪感を抱きがちだからです。
「他の子は行っているのだから、自分だけが行かないのは悪いこと」という、
良くも悪くも日本人らしい発想が根底にあるのだと思います。
もしかしたら、みなさんの塾でも「受験のために学校を休む」という生徒さんや、
休むか否か迷っておられる生徒さんもおられるかもしれません。
そこで、受験のために学校を休むことのメリットとデメリットをまとめてみましたので、
アドバイスをされる際の参考になさってください。
まず、メリットから。
(1)すでに受験が終わった友達の影響を受けにくい
特に大学入試の場合、推薦系の入試で昨年中に進路を確定させている受験生もいます。
プレッシャーからも解放され、残る高校生活を謳歌しようと、ある意味で浮かれがちです。
その気持ちは分かりますが、
それを横目に一般入試に向けて緊張感を保ち続けるのはストレスがたまるでしょう。
場合によっては影響を受けて気が緩むこともあるかもしれません。
それであれば、そうした影響下に自分を置かないという意味で、学校を休むのは効果的です。
(2)勉強時間をしっかり取れる
これは当然と言えば当然かもしれませんね。
授業中に内職をする必要もなく、やるべき勉強だけに集中できるので効率が良いです。
(3)コロナ対策
アンケートの趣旨にもあったように、受験前に感染してしまっては元も子もありません。
そうしたリスク回避ができるのもメリットでしょう。
インフルエンザ対策としても同様です。
では、デメリットはどうでしょうか。
(1)うしろめたい気持ちになる
先述したように、どうしても学校を休むことに罪悪感があるため、
自分がずるいことをしているような気持ちになるかもしれません。
友達から「自分は学校にも来て受験勉強もやっているのに、何でお前だけ」とか
「なに休んでんだよ」みたいなイヤミを言われる可能性もあります。
学校行事などにも参加できず、寂しい思いをするかもしれません。
(2)気が緩む
強い意志を持って休んでいても、自分で自由に時間が使えるからこそ、
つい怠けてしまったり「今日は勉強しなくていいか」という甘えも出てきたりします。
それをしっかり律していけるかが重要です。
コロナ休校のときや、夏休みの長期休暇のさいにも危惧されることですが、
生活リズムが乱れることもあります。
といったところでしょうか。
特に気を付けたいのが、塾側から「休め」とか「休むな」とか言いにくいことです。
学校で「あそこの塾は、受験のために学校を休むことを生徒に勧める」なんて
評判になってはたいへんです。
あくまで、客観的な立場から公平にメリットとデメリットを説明し、
本人とご家族の意思で決めることが大前提となってきます。
もちろん受験は大事ですが、学校を軽視していいという免罪符ではありません。
それでは、小学校は中学校に入るための、中学校は高校に入るための、
そして高校は大学、大学は就職のための予備校のような存在になってしまいます。
かと言って、何を差し置いても学校へは行くべきというのも、前時代的です。
正解はありませんが、このあたりを意識しながら、適切にアドバイスを送ってあげてください。
みんなが満足いく形で、受験に臨めるといいですね。
【今回のまとめ】
・受験のために学校を休むのはアリという保護者さんは多い
・塾の権限で通学や休学を勧めないほうがいい