【Vol.667(2023.02.22) 】教室内の盗撮・わいせつリスクを考える

あなたもご存知かもしれませんが、このところ、学習塾の評判を下げる最悪なニュースが続いています。

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「いたずらの延長だった」女子生徒への強制わいせつ容疑で塾講師を逮捕 広島
https://news.yahoo.co.jp/articles/a93c0cbc2d3f608396e2a8ae944d7d760a2ffc8a

“パパ活”女子高生とみだらな行為か 個別学習塾代表を逮捕「18歳未満かもと思いながら・・・」警察がSNS経由で接触・発覚
https://news.yahoo.co.jp/articles/961f423fcbb12e6c2af750cf139e46f3809a0e24

学習塾男性講師が“女児盗撮” 保護者説明会で謝罪
https://www.youtube.com/watch?v=KWuQ0WNs-Z0

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本当にどうなっているのでしょうか。

人間ですからもちろん魔が差すこともあるかもしれません。
若い女性に関心が強かったとしても、その嗜好自体は本人の自由です。

ですが、これらは明らかな犯罪です。

何ごとも越えてはならない一線というものがあり、魔が差したで済まされることではありません。

特に被害者の心の傷は一生ものでしょう。

過激な意見であることは承知の上での個人的意見ですが、私も娘を持つ身として、
悪質な性犯罪者には去勢措置やGPSの埋め込みも致し方なしとさえ思ってしまいます。

塾長がこういった犯罪に手を染めるのは言語道断ですし、
当メルマガ読者のみなさんも、決してそんな人間ではないはずです。

しかし、私たち塾運営者が気をつけないといけないのは、講師やスタッフさんです。

もちろん彼らも、99.9999%はまともな人ばかりなのは私もよく分かっています。

ただ、スタッフを信じているとかいないとか、そういう次元の話ではないんですよね。

子どもたちの塾を守るためには、
不本意であっても涙を飲んでリスクヘッジすることは必要です。

私も、こういう話を取りあげないといけないこと自体心が痛むのですが、
せめて、このような「盗撮・わいせつ」の犯罪が教室内で起きないよう、対策をしておきましょう。

つまり「盗撮・わいせつ」をしようにもできない環境を作っておけば、いいという発想です。

例えばマクドナルドでは、釣り銭などの盗難を防ぐために、
スタッフさんの制服ポケットがありません。

見た目にはポケットがあるように見えますが、
縫い込まれているためポケットとしての使用はできないのだそうです。

スマホも持ち込めないので、今話題(?)のSNS炎上のリスクも下げることができます。

万が一魔が差しても行動に移せないようにして、未然に防ぐということですね。

弊塾もこうした対策をいくつか行っていますので、
ぜひ貴塾でも参考にしていただけたらと思います。

主には下記の5つです。

(1)防犯カメラの設置

すべての教室に防犯カメラを設置しています。

教室の出入り口や裏手の駐輪場にも設置しており、計6台、
社員デスク横のモニターで常時映し出しており、レコーダーに録画もしています。

そもそも、変質者が教室に入ってこないような抑止力として設置したのがきっかけです。

教室内で起きたことを証拠として残しておくためで、冤罪防止にもなります。

常に見られている、撮られている、悪いことをすれば絶対にバレると
分かるようにすることで、抑止力を作るのです。

死角を作らず、教室全体が見えるようにしておくことがポイントですね。

(2)講師と異性の生徒さんを二人っきりの空間にしない

二人きりの空間になってしまうとリスクが増しますので、
そうならないように授業を調整するように心がけています。

そもそも弊塾の場合は、社員(私や教室長)が必ず在室しているので、
講師と生徒さんが二人きりになる状況は原則として発生しません。

社員(私や教室長)が授業を担当することもありますが、
その場合は、異性の生徒さんの指導は絶対に行わないようにしています。
(そもそも私はリスクヘッジとして、女子生徒を担当しないのですが)。

(3)男子用と女子用トイレを分ける

弊塾は、3年前までは男女兼用のトイレでしたが、
みんなが気持ちよく使えるようにとトイレの増設工事を行い、男女別にしました。

そうすれば盗撮(機材の設置など)のリスクも下がります。

なんでこんな心配までしないといけないのかと思うこともしばしばですが、
事実として犯罪行為が行われているわけですから、
被害者を出さないためにも必要なことだと考え直した結果です。

ここで注意しないといけないのは、講師やスタッフに対してだけではなく、
生徒さんが盗撮行為に及ぶリスクも考えておくことでしょう。

実際に、こんな事件もありました。
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高校女子寮風呂で盗撮被害、島根
https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/269571
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場合によっては、むしろ善悪の判断がつきにくい子どもたちのほうが、
対応としては大事なのかもしれません。

(4)勤務中はスマートフォンはカバンの中に

当然ですが、講師たちの勤務中は、
自分のスマートフォンをカバンの中にしまってもらうことを徹底しています。

盗撮もそうですし、LINEなどを通して生徒さんと個人連絡先の交換を避けるためにも、
リスクヘッジの効果が非常に高いです。

このあたり、ルールがゆるい塾さんもあるようですが、
リスクしかありませんので、きちんとしておいたほうがいいですよ。

授業中にweb上で指導報告書を書くなど、業務上必要な所持であれば仕方ありませんが、
ルールを徹底できずに、なんとなく黙認みたいなケースは非常に危険です。

なあなあな教室ほど隙が生まれやすいですし、魔が差せる環境になります。

貴塾はいかがですか?
ぜひもう一度、引き締めをされることをおすすめします。

(5)できる限り同性の講師が担当する

弊塾では2年前まで「女子生徒は必ず女性講師が担当する」ことにしていました。

今は女子生徒を男性講師が見るケースがたまにありますが、
異性の生徒さんと接触する機会をできるだけ減らすようにしています。

一般的な個別指導塾では、女性の講師が集まりにくいと言われています。
そのため、どうしても男性講師が女子生徒を指導せざるを得ないケースもあるでしょう。

そういう場合は、やはり私たち社員がしっかりと目を光らせておくことです。

社員不足で、一人の社員が複数教室を担当している塾さんの場合、
学生講師が鍵の開け閉めや、授業の展開などをすることもあると思います。

社員不在の空間や時間ができる場合は、
やはり防犯カメラなどでしっかり対策を行っておきましょう。

いかがでしたでしょうか。

自塾の大切な生徒さんを守るために、今できることから進めていきませんか?

ちょっとした気の緩みや心のスキが大変な事件を起こすことになります。

ただ、近年のジェンダーレス社会、性的自認への理解の広がりを背景に考えてみると
トイレや授業担当の問題については、「男女別にすればいい」「同性にしていればいい」
という問題とも言いきれません。

このあたりを完璧に対応するのは限界があるでしょうが、
弊塾では少しでもリスクヘッジの可能性を高めるという意味で
一般的な(マジョリティの)性的志向に照らして対応しています。

私が尊敬する元銀行員の先輩が言っていた言葉がとても印象的です。
それは「犯罪者は捕まるまで犯罪をし続けるよ。絶対に自分の意志でやめられない」と。

こういった犯罪者を自塾から出さないためにも、
私たちができることは魔が指さない環境作りをしていくことではないでしょうか。

今回は、大事な講師やスタッフ、生徒さんのことを思うと、
まるで信用していないかのようで、個人的にはあまり書きたくない内容です。

しかし、勇気を持ってあえて注意喚起をさせていただきました。

きとんと環境を整え、学習塾の信頼を取り戻していきたいという思いを
ご理解いただければ幸いです!

【今回のまとめ】
・わいせつリスクは、環境次第で下げることが可能
・隙を見せない教室運営を行う

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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