【Vol.675(2023.03.22)】ChatGPTは教育業界の黒船となるか

ご存知の先生方も多いと思いますが、ChatGPTが世間を賑わせています。

まだ一度も試されていない方は、
どんなことができるのか、どんな構造なのかなどを一度体験してみてください。

いい意味で衝撃を受けます。
これからの塾業界の黒船になるかもしれません。

下記のリンク先で登録すれば、すぐに使えます!

【ChatGPT ログイン】
https://chat.openai.com/auth/login

「興味がない=やらない」だと、
あっという間に時代から取り残されてしまう可能性がありますよ!

なお、知ったふうなことを語っていますが、私もChatGPT初心者ですのでご安心を(笑)。

さて、ChatGPTは「オリジナルの文章を生成することができる人工知能ツール」です。

対話型のサービスとして、単に質問に答えるだけでなく、
詩やエッセイ、歌、短編小説などを書いてもらうこともできます。

笑い話ですが、友人が「400字ほどで官能小説を書いてください」と指示し、
そのやりとりや内容をFacebookにアップして遊んでいました(笑)

下記は、以前に「塾講師に大切な要素は?」とChatGPTで試した際の回答です。
少し読んでみてください。

〜〜〜〜〜
(質問)塾講師に大切な要素は?

(回答)塾講師には、以下のような大切な要素があります。

1.教育的な知識とスキル:塾講師は、生徒たちに適切な教育を提供するために、
豊富な知識と教育的なスキルを持っている必要があります。
また、生徒たちの学習レベルに応じた教育的な方法を選択し、
教材やプログラムを適宜カスタマイズする能力が求められます。

2.コミュニケーション能力:塾講師は、生徒たちとのコミュニケーションを
円滑に行うことが重要です。
生徒たちが自分の質問や疑問を遠慮なく話せる環境を作り、
生徒たちに合わせたコミュニケーションスキルを持つ必要があります。

3.忍耐力と優しさ:塾講師は、生徒たちに対して忍耐強く、優しく接することが必要です。
生徒たちが理解するまで何度も教え直したり、繰り返し指導する必要があるため、
辛抱強さが求められます。

4.組織力と時間管理能力:塾講師は、複数の生徒を同時に指導する場合があるため、
組織力と時間管理能力が必要です。
また、授業前や授業後には生徒たちとの連絡や報告、保護者とのやり取りなど、
多くのことをこなす必要があります。

5.自己研鑽の姿勢:塾講師は、常に新しい教育法や教材、プログラムについて学び、
自己研鑽を行う姿勢が求められます。また、生徒たちに最新の情報を提供し、
よりよい指導を行うためにも、自己研鑽は欠かせません。

〜〜〜〜〜

いかがですか?

それっぽいことを回答していると思いませんか?

これを20秒ほどで回答するわけですから、もうすごすぎて何がなんやらです。
私自身、これだけの情報量をすぐにまとめて表現し、相手に伝えることはできません。

ただ気をつけないといけない部分もあります。

極めて優れたAIであるのは間違いないですが、解答が完璧ではないということです。

膨大なデータベースの中からそれっぽいことをいうイメージなので、
「知ったかぶりするヤツ」みたいな感じで接するのが今のところはいい気がします。

そんな中でも「すごいな!」という活用事例を見つけました。
ChatGPTを使って連立方程式を教える様子です。

https://twitter.com/kawahiii/status/1635779113993785344/photo/1
https://twitter.com/kawahiii/status/1635779113993785344/photo/2
https://twitter.com/kawahiii/status/1635779113993785344/photo/3

私はこれをみた瞬間「新人の学生講師よりうまいじゃないか!」と
思わずつっこんでしまいました。

それなりの問題解説もさることながら、
実際に人間同士でやりとりしているようなチャットに感じます。

特に抜群なのが「褒めたり共感したりしている部分」です。

いきなりこれができる学生講師はそういないですよ。

今までもAI教材の類はたくさんありましたが、
この部分は今までのAI教材に欠けていた部分だと思います。

あくまで機械がプログラミングに応じて「処理」しているだけなのは
頭では分かっているのですが、かなり人間に近づいたと感じました。

これまでのAI教材(個別最適化ドリルなど)を凌駕する学習ツールや補助ツールとして、
教育業界やに入り込んでくるかもしれません。

「とは言っても、しょせんAIでしょ。人間には叶わないよ」と思う人もいるでしょう。

しかし、私はそうとは言い切れないと思います。

「しょせんAI」といったレベルはとうの昔に終わっていて、
これからはツールとして上手に活用していくことが大切になっていくと感じています。

その一例として、こんな秀逸な記事を見かけました。

【「そんなメールがきたのは初めて」 東大院生も驚いたChatGPTの“効果” 池谷裕二教授の活用法】
https://dot.asahi.com/aera/2023031500070.html

教授が薬理学の試験問題をGPTで作問し、
提案された約20題のなかから四つを選んで出題したところ、
出題傾向が変わったことに対応できず、単位を落とした生徒が2倍になったそう。

その救済措置として
「高血圧の薬についてChatGPTが書いた解説文である。この間違いを説明せよ」
というレポートを課したという内容です。

このレポートの出し方はうまいと思いました!

ChatGPTは多くの「正解」を教えてくれますが、
きちんと高血圧の薬について理解しておかないと、この課題には対応できません。

中高生の演習なども、こなすだけの“写経”になることがありますが、
このやり方なら本当に自分の頭で考えないといけませんものね。

……と、ChatGPTに浮かれている日々(特に3月)を過ごしていたら、
妻からこんなURLが送られてきました。

【「ChatGPT」に浮かれる人が知らない恐ろしい未来/新井紀子氏「非常に危険なものが生み出された」】
https://toyokeizai.net/articles/-/656682

特に印象に残ったのはこの部分。
〜〜〜〜〜
ChatGPTをすごいと感じてしまう現象は、受け答えの正しさよりも、
自信満々かつスムーズにウソをつく“サイコパス”っぽさに起因していると思います。
そのため、知的レベルが高い人でも「こっちのほうが正しいんじゃないか」と、
信念や心理を揺さぶられる。
〜〜〜〜〜

まさしく私がそうなっていました……

それなりの知恵のある大人ならまだしも、純粋な子どもたちだと、
あっさりChatGPTを妄信してしまいかねません。

私たちを含め、そうしたリテラシーを高めておかないと、
あっという間にフェイクニュースの波に踊らされることでしょう。

私たちがいる教育業界でも、ChatGPTはじめ、
今後もどんどん人工知能がどんどん入り込んでくると思います。

排除するというやり方ではもう無理な時代なのでしょう。

大切なのは、人工知能はあくまでも「道具(ツール)」であると理解し、
それをうまく使えるよう、私たちが技術を向上させていくことではないでしょうか。

使い方によっては、成績向上や記憶の定着、
作問などで成果を上げることもできると考えています。

ちなみに、下記の問題は30秒で作ってくれました。

〜〜〜〜〜
(質問)三単現の易し目のテストを5問作って

(回答)以下は、三単現の基礎的な文法を理解するための易しめのテストです。
問題に対する回答は、すべて三単現の形式で答えてください。

1.I _ (like) apples.
答え:likes
2.She _ (go) to school every day.
答え:goes
3.Tom and Mary _ (watch) TV together.
答え:watch
4.My sister _ (study) math at university.
答え:studies
5.He always __ (forget) his keys.
答え:forgets

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教育業界がより良いものになるよう、AIを理解し上手に活用していきたいですね。

まずは「とりあえずやってみる」ことが大切です!

【今回のまとめ】
・ChatGPTを正しく理解する(万能ではないことも)
・自分たちは「使う側」であることを忘れず、AIを妄信しないように

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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