前回に引き続き、今回も講師研修についてお届けしたいと思います!
まずは、軽く前回のおさらいを。
弊塾では、採用した講師と下記の内容で雇用契約を結びます。
・試用期間(2週間)
↓
・研修期間(2ヶ月)
↓
・本採用(1年、以後1年更新)
試用期間でこちらが求めるクオリティをクリアすれば研修期間へ移行し、
研修期間で「この先生、とても良いな。続けてもらいたいな」となれば本採用です。
詳しくはこちら(前回の記事)をご覧ください。
【新人学生講師の研修(前編)】
https://r-partners.jp/733/
後編となる今回は、このうち「研修期間」についてお伝えしたいと思います!
さて、2週間の試用期間で「この講師は活躍しそうだ」「力になってくれそう」と
感じさせてくれた講師が、2ヶ月間の研修期間に移行します。
2ヶ月の研修期間中は、
・週2~3回
・1日2~3コマ
が基本のシフトになります。
合計すると「2ヶ月で32~50コマ」程度が一つの目安ですね。
試用期間終了後に、いきなり一人前扱いで生徒さんを任せてしまうのではなく、
最初の3週間程度に関しては、「実際の授業」「模擬授業」「授業見学」を並行して行い、
実地研修を行いながら質を高めていく流れとなります。
この2ヶ月の間に定期テスト期間に重なることも多いので、実践にはもってこいですしょう。
その場合は、普段より1~2コマ早い時間から入ってもらい、
1日3~4コマで経験値を増やします。
とはいえ、実際に授業を担当してもらうことになるので、
このあたりは私たちもかなり気を使うところです。
変な授業をすれば、クレームの元になりますしね。
そのため、まずは「最低限の授業ができる」と判断するまでは、
生徒さんを担当させないことにしています。
何度も模擬授業を行い、改善してもらいたい点はストレートに伝えるようにしています。
生徒さんを練習台にするわけにはいきません。
晴れてここをクリアし、初めて実際の授業を担当するわけでですが、
その際に伝えることがあります。
・「授業が初めて」「先生も緊張してて」など、生徒を不安にさせるワードを言わない
・自分のハードルを下げない
・役者のように、先生という役割を演じきるように
・とにかく元気に明るく振る舞う
です。
指導する以上、ベテランか新人かは生徒さんには関係ありません。
さらに言えば、同じ授業料をお支払いいただいているのです。
新人だから多少は許してもらえるといった甘えや
言い訳する余地は持たせないように、心を鬼にして伝えます。
担当する授業の割り当ては、振替の生徒さんを中心にしています。
弊塾では、基本的に講師は担当制になっていますので、
これまで担当してきた講師を外して新人に任せるのはかなりリスクが高いです。
「今日はなんで違う先生なんだろう」
「この先生(新人)、前の先生より分かりにくい」といった、
余計な不安を生徒さんに抱かせるわけにはいきません。
模擬授業ばかりやっていても指導力は伸びませんし、やはり実践が大事ですが、
そこはうまく適材適所という感じですね。
もちろん、任せた以上は1コマ(75分)をやりきってもらいますが、
授業中もしっかりフォローすることを心がけています。
・授業の最初に社員もサポートに入り、円滑に授業が進むきっかけを作る
・授業の後ろで社員が見学できるように、そのスペースを空けておく
・授業中でもサポートが入れるように、社員はその時間、授業を極力持たない
といった内容です。
緊張しすぎてグダグダな授業になっては大変ですし、
1から10まで新人に任せるのは荷が重いです。
しかし、授業の「入り」の部分でフォローをするだけでも、円滑に授業が進むことが多いですよ。
生徒さんの満足度をいかに下げないかがポイントですので、授業中も後ろから見学し、
ちょくちょくフォローする形をとるようにしています。
1:2の授業も慣れが必要です。
もしも一方の生徒さんに時間や比重をかけすぎているようであれば、
もう1人の生徒さんには社員がスッと近づき、
「できた?先に丸付けしておこうか」などとサポートしたり、雑談を挟んだりする感じですね。
この研修期間で一番大切なのは、試用期間と同様、
毎回の授業後に「1日の振り返りシート」を記入してもらい、
それを元に教室長を1on1を行って、次回に生かすことです。
地道ですが、その繰り返しが新人講師のスキルを上げ、
意識を向上させることになると私は考えています。
また、1on1時にも時給を発生させて、給与の対象とすることも大事です。
それを3週間程度、繰り返していくことで、
指導のコツや1コマ(75分)の流れなどをつかみ出してくると思います。
そもそも試用期間をクリアしている時点でかなりのハイスペック人材ですから、
やることさえきちんとやれば、うまく落とし込んでいける講師が多いです。
その後は、ある程度こちらの手を緩めていき、
新人講師が自分の力で1コマを完走できるような機会を増やしていきます。
それでもいつでもサポートに入れるように、社員はアンテナを立てまくっていますよ。
ほかのポイントとしては、ベテラン講師に依頼して、
授業後の残務のときにたくさん声かけしてもらうことですかね。
(今ではお願いしなくても、進んでミュニケーションを図ってくれるようになりました)
研修期間は学ぶことが多い期間ですので、失敗を重ねればメンタルも疲れてしまいがちです。
そこに仲間(先輩)の存在があることで、新人講師にとっても働きやすい環境となり、
頑張る気持ちが高まると考えています。
ベテラン講師たちは本当に気が利く学生ばかりで、新人と話をするために
新人の退社時間を待って一緒に教室を出てくれたり、帰りの電車も合わせてくれたりします。
研修は社員だけでやりきるのではなく、
ベテラン講師などにもどんどん手伝ってもらってください。
こうして研修を重ね、5週目(2ヶ月目)以降は、
もう模擬授業や授業見学を行うことはありません。
実践で経験を積んでもらいます。
弊塾の場合、試用期間をクリアし研修期間に突入した新人講師は、
基本的には本採用になるケースが多いです。
ごくまれに、出勤希望の曜日がうまく合わなかったり、
弊塾の進め方に対してちょっとずれがあったりする場合に限り、
研修期間で終了とさせていただいています。
しかし、この場合は本人の能力が低いとか、指導の質が悪いとかではないので、
丁寧に説明して、納得してもらった上で契約終了としています。
いかがでしたでしょうか。
前回もお伝えしましたが、個別指導塾は「講師がキモ」です。
ここに力を入れすぎるぐらいでちょうどよいのです。
講師にしっかり投資を行い、応募数を増やし、いい人材を採用して、理に適った研修を行う。
それが、魅力的な塾づくりの第一歩です。
【今回のまとめ】
・研修期間は、任せ過ぎず、甘えさせ過ぎず
・ベテラン講師も含めて、塾全体がチームとしてしっかりフォローを