【Vol.713(2023.08.02)】個人塾はOODA(ウーダ)ループが効果的!?

業務改善を図る手法として「PDCAサイクル」は有名ですね。

Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)をぐるぐる回していくというやつです。

PDCAサイクルのメリットは、やるべきことが明確になることや、モチベーションの向上、

サイクルを回すことで経験値を得るたといったところでしょうか。

一方でデメリットは、時間がかかりすぎたり、

サイクルを回すことが目的化してしまったりすることでしょうか。

あとは、過去の経験から次の計画を練っていくのが基本になりますので、

変化の激しい現代にはマッチしない、あるいは想定外のできごとに対応しにくい

といった面も考えられます。

そこで最近、「OODA(ウーダ)ループ」という、

スピード感を持って意思決定できる思考法が注目されているそうです。

私も最近知りました。

OODAループは、個人の裁量で現場判断ができ、素早く行動できるのが特徴です。

今回は、そんなOODAループの考え方を一緒に学んでみましょう。

私も勉強中ですので解釈が不完全な部分があるかもしれませんが、ご容赦ください。

「OODA(ウーダ)ループ」とは、下記の4サイクルで

ビジネスやプロジェクトを回していくフレームワークです。

(1)Observe(観察):客観的な現状の把握、情報の収集

(2)Orient(状況・方向性):把握した現状から、課題を明確にする

(3)Decide(意思決定):現状が変わらないうちに、対策を考え決定する

(4)Action(実行):対策を行動に移し、状況の変化を再びObserve(観察)する→(1)に戻る

私はこの「OODAループ」が、これからの教室運営に役立つのではないかと考えています。

例えば、こんな感じで活用できそうです。

【事例1】

・Observe(観察)

7月に想定の2倍、20名の入会があった。

夏期講習の空き枠を確認する。

・Orient(状況・方向性)

夏期講習期間中、空いている座席を確認したら、15名までは対応が可能。

だが、5名を入れる枠が足りない。

・Decide(意思決定)

講師に理由を説明し、夏の間、勤務日数や1日あたりの勤務コマ数を増やしてもらう。

社会人になった元講師に連絡を取り、副業としてヘルプに入ってもらう。

・Action(実行)

講師が勤務日数や1日あたりの勤務コマ数を増やしてくれた。

2人の元講師がヘルプで入ってくれることになり、枠をカバーできた。

・Observe(観察)

枠をカバーでき、夏期講習期間中はやりくりが可能。

・Orient(状況・方向性)

しかし9月以降、講師の数が足りない。

・Decide(意思決定)

8月中旬までに3名の講師を採用するため、求人広告を出す。

・Action(実行)

8月中旬に採用と研修を行い、9月以降の授業にも対応できた。

【事例2】

・Observe(観察)

ここ半年、毎月1〜2名の退塾者が出ている。

非受験学年だけでなく、受験学年でも退塾が出ている。

・Orient(状況・方向性)

退塾生のほとんどが成績アップしていない。

・Decide(意思決定)

成績アップするために、特別講座を開講する。

・Action(実行)

毎週月曜日に「計算&英語教科書暗記講座」を開講。

・Observe(観察)

以前より退塾者は減ったが、まだ完全ではない。

・Orient(状況・方向性)

退塾生の保護者とコミュニケーションが取れていない(関係性が薄い)ことが判明した。

・Decide(意思決定)

最低でも月1回は電話やLINEで家庭のフォローを行う。

・Action(実行)

毎月、連絡リストを作成。リストで連絡状況を把握する。

これってとても個人塾向きだと思いませんか?

当メルマガでも繰り返し「個人塾は小回りが効きやすいことが強み」とお伝えしていますが、

それを体系化したものとも言えます。

もちろん、個人塾だけでなく、学習塾全般で有効な手法だと思いますが、

組織規模が大きくなればなるほど、扱いにくくなりそうだと感じています。

また、PDCAとの使い分けも大切です。

PDCAは、そもそも品質管理や生産管理を目的としており、

状況が変わらないことを前提に、事前に目標を定めてから計画を立て、

実行した上で業務改善を図るアプローチです。

一定の条件のもと、継続的な業務改善が必要な、中長期的戦略において有効になります

一方で、OODAは意思決定が目的であり、イレギュラーな対応や新規事業など、

即時対応や臨機応変さが必要な場面に適しています。

状況変化が頻繁に起こり、先の読みにくい状況において効果的な手法です。

どちらが良い・悪いではなく、目的に応じて使い分けるとよいと思います。

いかがでしたでしょうか。

同じ方向にぐるぐる回るPDCAサイクルとは異なり、

必要に応じた箇所へ変化しながら小回りが利くのがOODAループという感じですかね。

この小回りを利かせまくることで、個人塾はスピード感を持って変化を続けていけるはず。

周りの塾(特に大手)さんの2倍のスピードで行動していけば、

どちらが有利になるかは一目瞭然です。

恥ずかしながら私自身、いまだに感覚で仕事をしている部分も多々あります。

しかし、その感覚が間違っていることもあるでしょうし、

年齢とともに感覚がズレて時代と合わなくなっていたり、衰えたりすることもあるでしょう。

今後はOODAループにしっかりはめ込んで、目に見える形にしていきたいと思います。

もちろん、PDCAサイクルも大切な仕組みですから、合わせて活用していきます。

【今回のまとめ】

・感覚でやっていたことをOODAループに落とし込む

・OODAとPDCAの両方をうまく併用する

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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