【Vol.879(2025.03.14)】「大会のない部活動」から学ぶこと

まえがきで「生徒さんのモチベーションアップ」について、
弊塾でのちょっとした取り組みをご紹介しました。

そんな中、ちょっと気になったのがこちらの記事。

<全国中学校体育大会 廃止の7競技 代替大会を検討>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250306/k10014741551000.html

中体連(日本中学校体育連盟)は、少子化や競技人口減少などに伴い、
いくつかの競技の大会を廃止する旨を発表していましたが、
それを少し見直し、代わりとなる大会の実施を検討しているというものです。

この記事の中で、ある生徒さんのコメントが、
塾運営においても大事なヒントを示唆していると感じました。

「部活動の大会がないと、何のために練習しているのか分からない」という声です。

確かにそうですよね。

練習が厳しければ厳しいほど、日頃の練習の成果を発揮できる場がないと、
モチベーションも上がりません。

純粋に技術向上のみを追い求めるストイックな生徒のほうが稀でしょう。

これって、塾の勉強も同じだと思うんです。

塾に通う生徒さんたちは、日々の勉強に励んでいます。
しかし、もし彼らが「学びの成果を実感する機会」を持てなかったらどうなるでしょうか?

ただ問題集を解き、先生に言われた通りに宿題をこなすだけでは、
「何のためにやっているのか分からない」「やりたくない」と思っても無理はありません。

では、塾経営者として、どうすれば生徒さんが
勉強の意義を実感できるような環境を作れるのでしょうか?

今回は、この「成果を試す場の重要性」と、
それを塾運営に活かす方法について考えていきたいと思います。

そもそも、なぜ「成果を試す場」が必要なのでしょうか?

心理学者・エドウィン=ロックの「目標設定理論」によると、
人は具体的な目標とフィードバックがあるときに最も高いパフォーマンスを発揮するのだそう。

この理論に照らせば、大会のない部活動が味気なく感じるのは、
「目標」が曖昧で、努力の成果を実感できる場がないからだと言えます。

塾の学習でも同じことが言えます。

「テストの点数が上がる」「志望校に合格する」という大きな目標は常にありますが、
それが数ヶ月先、数年先の話では、生徒さんも実感が湧きにくいのは仕方ありません。

途中で「自分の頑張りが報われているのか?」という疑問や不安を抱き、
学習意欲が低下する原因にもなるでしょう。

また、アルバート・バンデューラの「自己効力感」の概念では、
「成功体験」が自己効力感を高め、次の挑戦への意欲を生むと言われています。

つまり、学習においても「小さな成功体験」を積めるような仕組みがあると、
より主体的に学習に取り組むようになるのです。

いわゆるスモールステップですね。

そのためには、定期的に「努力の成果を試す機会」を設けることが効果的だと言えそうです。

では、塾で「成果を試す場」を作るアイデアとして、どんなものが思い浮かぶでしょう?

おそらく、定期的な「塾内テスト(ミニテスト)」を実施している塾さんは多いと思います。

定期試験や模試だけではなく、塾独自の「成果確認テスト」を設けることで、
生徒さんのモチベーションを維持しやすくなります。

テスト結果をゲーム感覚で競えるような仕組みを作っている塾さんもあるかもしれません。

ただ、個別指導塾において過度な競争原理を働かせることは望ましくない場合もあります。

そんなときは、「他の生徒との比較」ではなく、
「過去の自分と比べてどれだけ成長したか」を競うフィードバックをするとよいかもしれません。

もちろん、テストの結果は上がることもあれば下がることもあるので、
どちらの結果が出たとしても「なぜそうなったのか」を一緒に分析できるようにしてあげれば
主体性や問題解決能力も鍛えられて一石二鳥だと思います。

一方で、試験だけが「成果を試す場」ではありません。
勉強した内容を人に「説明」することも、非常に効果的ですよ。

例えば、生徒さん自身が問題を作り、
他の生徒さんに解かせるイベントなんて面白いかもしれません。

LINEグループを作って「今日の学び」をシェアする仕組みを作るのも良いでしょう。

一般に「真の理解」とは「人に教えられる状態」だと言われますが、
「人に教える(伝える)」というアウトプットのアプローチの学習効果は、
多くの研究でも証明されています。

他にも、外部の試験に挑戦する機会を増やすのはどうでしょう?

漢字検定・英語検定などの資格試験を推奨するのも良いですし、
オンライン模試や全国模試を受けてみるのも良い力試しになります。

仲の良い他塾さんがいらっしゃれば、
合同で学力コンテスト(対戦)を開催するのもアリかもしれません。

「○○塾チーム VS ■■塾チーム」という感じで、教科や単元別に競うのも楽しそうです。

生徒さんに「外の世界で自分の実力を試す」という経験を提供し、
努力の成果を測る機会ともなるでしょう。

いずれにせよ「生徒さんが努力の成果を試せる環境を作る」ことは、
単なる学力向上以上の意味を持ちます。

目標がないとモチベーションは続きませんし、成功体験が次の挑戦を生むはずです。

部活動の大会と同じように、学びにも「本番」は必要。

塾内テストや資格試験、模試、コンテスト……

こうした「成果を試す機会」を意図的に設けることで、
生徒さんたちは「何のために勉強するのか?」という疑問に迷うことなく、
前向きに努力を続けやすくなります。

もし、あなたの塾が「ただ勉強させるだけ」になっているとしたら、
ぜひ「成果を試す場」を作ってあげてください。

塾経営とは、単に成績を上げることだけが目的ではなく、
子どもたちが「努力が報われる」ことを実感し、自信を持てるようにすることでもあるはずです。

あなたの塾が、子どもたちの成長を後押しできる場所になることを願っています!

【今回のまとめ】
・アウトプットの場がないとモチベーションが続かない
・定期的に「成果を試す場」を作ってあげてみては?

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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