早い地域では今週からすでに新学期が始まっているところもあるようですね。
弊塾の地元・宝塚市は、今週金曜日に小・中学校が、
来週月曜日から高校が新学期を迎えます。
長かった夏休みも終わりということで、みなさんの教室の生徒さんも
「学校始まるのいやだー」、「もっと休みたかった」と言われているのではないでしょうか。
しかし、口に出して言っている生徒さんはまだ安心かもしれません。
人知れず、新学期が始まることに対して
気持ちが滅入っている生徒さんもいると考えておく必要があります。
ご存じの方も多いと思いますが、年間を通して9月1日(新学期開始日)は
子どもたちの自殺が最も多くなる日です。
【18歳以下の日別自殺者数(文部科学省)】
https://www.mext.go.jp/content/20200824-mext_jidou01-000009294_011.pdf
少し前のデータということもあり、
ここ10年ほどで新学期が9月1日からではなくなった地域も増えているので、
9月1日というより、新学期初日に自殺が多いと定義した方がよいかもしれません。
子どもの自殺そのものの件数も年々増加しており、
悲しいことに1日に1名以上自殺している計算です。
【令和6年中における自殺の状況(厚生労働省)】
https://www.mhlw.go.jp/content/001464717.pdf
【児童生徒の自殺防止に係る取組について(文部科学省)】
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1414737_00008.htm
私たちは、医師や心の専門家でもないので、
生徒さんたちの心理状況について医学的な診断をすることはできません。
しかし、毎週・毎日のように生徒さんと接していることで、
最も違和感やSOSを感じ取れる立場にいると言っても過言ではありません。
保護者さんはどうしても日々の生活面に目が行きがちで
「掃除しなさい」「勉強しなさい」「頑張りなさい」といった考えになりがちで、
SOSに気づきにくい場合もあります(もちろん全員とは言いませんが)。
私たちが日頃以上にアンテナ感度を高く持ち、ちょっとでも違和感を抱いたら、
すぐに生徒さんと1on1するなり、保護者さんに連絡するなりしてみましょう。
結果的に「何もなかった」のであればそれでいいですし、100発中99発はそうなるでしょう。
残りの1発に関与できるかどうかが大切だと思います。
生徒さんは多感な年頃です。
私たちが思っている以上に悩み苦しんでいる生徒さんが潜んでいると認識しておくべきです。
例えば、こんな様子が見られる生徒さんは黄色信号です。
・普段は元気で明るいのに、表情が曇っている
・学校へ行くことを極端に嫌がっている
・学習面で伸び悩み、ストレスを抱えている
・進路選択で不安を抱えていたり、保護者さんと意見が対立したりしている
・ここ1〜2週間、塾を休みがち
ぜひ意識的にアプローチしてみてください。
もちろん、あなただけでなくスタッフさんにも情報を共有し、
協力して生徒さんを見守っていく仕組みをつくりましょう。
ちなみに弊塾では、毎年、下記のお知らせを保護者さんへ配信しています。
保護者さんにも意識してもらい、塾と家庭でタッグを組み、
みんなで大切な生徒さん・お子さんを支えていく必要があります。
原文ママ
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<夏休み明け、お子さまの表情に注目願います>
フォレスト生 保護者各位
お世話になります。個別教育フォレストの安多と申します。いつもありがとうございます。
早いもので夏休みも終わろうとしています。
小・中学校は来週から、高校は再来週から新学期が始まります。
新学期が始まりましたら、しばらくの間は
お子さまの表情を今まで以上に見ていただきますようお願いいたします。
色々な悩みや不安などから、学校へ行きたくないと思われる可能性があるからです。
もし「学校へ行くのがイヤだ」と言われた場合は、
まずお子さまのお話を共感して聞いていただけけると幸いです。
話を聞かずに「学校は行くものだ」「学校は行って当然」というように、
無理に登校させてしまった場合、お子さまがさらに苦しんでしまう可能性があります。
ご自宅が安心できる場所にしておかないと、お子さまの逃げ場がなくなります。
お子さまが安らかな気持ちで幸せに生活できることが最優先です。
ご自宅でのサポートどうぞよろしくお願いいたします。
参考<夏休み明け「子どものSOS」/親が知らない”危機”「想像以上につらい」>
https://toyokeizai.net/articles/-/696727
私たちもお子さまの様子が気になりましたらすぐに連絡いたします。
保護者さまもご自宅で気になることがございましたら、いつでもご連絡くださいませ。
よろしくお願いいたします。
個別教育フォレスト 安多
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保護者さんの中にも「学校を休ませるとクセになる」「不登校になると復帰が難しくなる」と
思われる方は一定数いらっしゃいます。
実は我が家でも、実際に娘が小3で不登校になりかけたとき、
私や妻もそういった思いになることがありましたから、気持ちはよく分かるつもりです。
でも、それも大切な我が子の命あってこそ。
不登校になることを恐れて学校に行くことを強要し、
万が一最悪の場合が起きたことを考えると、何を大事にすべきかは言わずもがなです。
そのため私は、不登校や行きしぶりで保護者さんから相談を受けたときは、
「学校を休むことや不登校になることは、まったく大したことではありません。
ちょっと休憩しているだけです。命以上に大切なものが他にありますか?」と言い切ります。
命があれば何でもできるわけで、家族みんなで話し合って支えていけば、
10年後には「あのときは大変だったね、アハハ」と笑い話になりますよと伝えます。
どうか「自塾には関係ない」「そんなタイプの子はいない」と思い込まないようにしてください。
私たち塾関係者がアンテナ感度を高めることで、
子どもたちの自殺を少しでも減らすことができるかもしれないのです。
できることは小さいかもしれませんが、せめて目の前の生徒さんだけでも
全力で守るのが私たちの使命ではないでしょうか。
特に夏休み明け、みんなで生徒さんの様子をじっくり見守っていきましょう!
ちょっとでも違和感を抱いたら、即行動ですよ!!!
【今回のまとめ】
・夏休み明け初日は自殺者が1番多い
・アンテナ感度を高めて生徒さんに接する