今回は少しだけ予定を変更して、最新ニュースから気付いたことをお届けします。
予告しておりました
「教室運営で変えたこと・変えなかったこと(後編/変えなかったこと編)」は
次回お届けしますのでお楽しみに!
さて、今年もやってきました、恒例の“PISA祭り”。
OECDが3年に1度実施している国際学力調査「PISA」の結果が発表されました。
<子どもの国際学力調査 日本は順位上昇 世界トップレベルに>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231205/k10014278531000.html
毎回、日本の子どもたちの学力が上がった下がったと、
教育界はこのニュースでもちきりになりますね。
ちなみに今回は、課題となっていた「読解力」が大きく改善されて全体の平均や順位も上昇、
日本の子どもたちの学力は世界トップレベルとなったようです。
コロナ禍で世界的に学校が休校となりましたが、
OECD各国に比べると日本は休校期間が短く、
他国が軒並み平均得点を下げたことも原因であるとみられています。
OECDも、コロナ禍でありながら学習を途切れさせなかった国として、日本を評価しました。
私は、ここに学習塾が与えた影響は少なからずあると思います。
本当に、今思い出してもどっと疲れが押し寄せてくる気分ですが、
コロナ禍によるオンライン授業への移行やそれを利用した各種サービス・サポート……
よくもまあ、あの短期間で対応し、乗り切ってきたものだと思いませんか?お互いに。
海外では、日本のような学習塾が存在しない国も多いです。
調査では学習塾の存在や取り組みまで調べているわけではないので
データとして関連性を示すことはできませんが、
きっと今回の結果には貢献できていると思うんですよね。
私たちはビジネスとして学習塾サービスを提供しているのは事実ですが、
「国の教育レベルへの貢献」もできていると、もっと自信と自負を持っていいと思います。
そこから少し、原点に帰って考えてみましょう。
塾は学校教育を補完する立場にあると言えますが、
それは別の言い方をすれば「学校にできないことをやる」のが塾だと言えます。
例えば個別指導というスタイルも、学校のマス教育の中ではできなかったことです。
進学や受験に特化したプログラムを提供できるのも塾の強みでしょう。
集中的で効率的な学習指導もできますし、定期的な学習進捗管理もできます。
つまり、「カリキュラムの柔軟性」こそ学習塾の強みだと言えるのではないでしょうか。
当たり前と言えば当たり前なのですが、
この原点を忘れずにいることが魅力的な塾を作り出す大切なマインドだと思います。
そういう意味では、学校と同じことをやっていては意味がないとまでは言いませんが、
やらなきゃもったいないですよね。
一方で「学校にやれないことをやる」と考えるのであれば、
現状の学校教育がどうなっているのか正しくキャッチアップしていく必要があります。
例えば先述した「個別指導」というスタイルも、ICTの浸透によって、
学校でもそれに近いこと(学びの個別最適化)ができるようになったのが現実です。
AIドリルなんて、公立校でも普通に使っているところはたくさんありますしね。
あえて厳しい見方をすれば「個別指導であるだけで、学校に対する優位性はもう保てない」
と考えることができるかもしれません。
では、学校での学びが個別最適化していったとき、
個別指導塾の強みとは何になるのでしょうか。
それは、やはり先述した進学や受験に特化したプログラムと連携した個別指導だったり、
専属メンター的な立場から深くメンタルフォローもできることかもしれません。
探究系の学習塾も増えてきましたが、
そうした分野をフォローしていくのもアリかもしれませんね。
(ただし、近年は学校の探究学習もかなり充実していますが)
このとき大事なのは、自塾のカリキュラムやプログラムを
クリティカルな視点でアップデートしていくことです。
「個別指導とはこういうもの」「今までこうやってきた」「普通はこうでしょ?」
という視点にとらわれて、惰性になっている部分はありませんか?
今までそれが塾の優位性だったかもしれませんが、
学校でも同じことをできるようになっているかもしれませんよ。
そう言うと、単に危機感をあおっているだけのようになってしまいますが、
最も伝えたいのは「私たちは、自分のやりたい教育サービスを提供できる立場にいる」
ということです。
そんな自由で、夢のある発想の中で「塾にしかできないこと」を作っていきたいですね。
【今回のまとめ】
・国家レベルの教育の質向上に、塾も貢献できている
・その自信を持って「塾にしかできないこと」を追求していきましょう