【Vol.853(2024.12.11)】学生講師を採用・育成するためのポイント/採用編(前編)

先日開催いたしました
「外部からも優秀な学生講師を採用・育成するためのポイント」セミナー、
200名もの方にお申し込みをいただき感謝でいっぱいです!

ご期待に答えるべく、私なりにめちゃくちゃ資料を作り込み、
全力を尽くしてお伝えさせていただきました。

アンケート結果でも「とても良かった」「有料級の内容だった」「自塾も真似してみます」
といったお声をたくさんいただくことができ、嬉しい限りです。

本当に「やってよかった!」と思います。

そこで今回のメルマガでは、セミナーでお話しした内容を要約しつつ、
「採用編(前編)」「採用編(後編)」「育成編」と3回に分けてお伝えしてみたいと思います。

セミナーだからこそ伝えられた部分もありますし、
貴重な時間を使ってセミナーにご参加いただいた方への配慮もありますから、
すべてを記事化することはできませんが、可能な限りアウトプットしてみます。

もちろん、当日ご参加いただいた先生方の復習にもなると思いますので、
「うん、うん」と振り返りながらお付き合いいただければ幸いです!

では、さっそくいってみましょう!

まず、弊塾の学生講師の応募数は下記のような結果でした。

・2024年・・・47件
・2023年・・・59件
・2022年・・・51件

ここでお伝えしたいのは、
「応募数(母数)を極限まで増やせば、優秀な学生を採用できる」

「優秀な学生を普通に研修すれば、最強の学生講師になる」という自明の流れです。

材料さえ良ければ、よほど間違った調理しない限り、美味しい料理になるということですね。

応募数が増えれば選択の幅が増え、採用に妥協せずに済みます。
心に余裕を持って採用することができるのです。

50件の応募から厳選して2名選ぶのと、
4件の応募から2名選ばざるを得ないのとでは雲泥の差があることは
お分かりいただけると思います。

人材としての評価はイマイチなのに
「採用しないと冬期講習が回らないし……」というパターンはよくあると思います。

しかし、“地雷”と言ってしまっては失礼かもしれませんが、
やはりそういう人材は採用してはいけないのです。

採用してしまったが最後、高確率で生徒さんからクレームを引き寄せ、
退塾や教室の雰囲気を壊すことに繋がります。

一方で、慢性的に講師不足だという塾さんは多いと聞きます。
弊塾も例外ではありません。

決して人が余っているわけではなく、
いつもギリギリの講師数でみんながフルに頑張ってくれている状況です。

弊塾の場合、採用にこだわっていることが奏功してか、
ありがたいことに個々の講師はめちゃくちゃ優秀ですので、
生徒さんを安心して任せられるケースがほとんどです。

手前味噌で恐縮ですが、「少数精鋭」という言葉がぴったりだと感じます。

一方で、例え人数的には充足していても、妥協で採用した講師が多いと、
勝手なことをやりだしたり、言うことを聞かなかったりする可能性も高まります。

そうなれば、塾長や教室長も毎日がストレスで、仕事が楽しくありません。
生徒さんもその講師当人も含めて、結局、誰も幸せにならないんですよね。

したがって、優秀な人財を採用・育成し、自塾で働いてもらうことができれば、
生徒さんも楽しく通塾し教室の満足度もあがりますし、
何より私たちが毎日楽しく仕事に臨むことができます。

そのためには、しっかりと投資を行うことを心がけてください。

お金をかけずにいい人財を手に入れるのは、はっきり言って無理です。
個人的には、生徒募集同様、いやそれ以上にお金をかけるべきだと思っています。

なお、弊塾は現状で大学受験専門塾であり、高校生を指導できる学力が必要です。

そのため、卒業生を内部リクルートで講師として採用することよりも、
教室から4駅離れた場所にある大阪大学の学生を重点的に採用しています。

ただ、4駅離れていれば、その間の地域(通勤が楽な地域)にもたくさんの塾があるわけで、
それらとの競争を勝ち抜いて、弊塾に応募してもらう仕組みが必要です。

その前提で、弊塾が応募を増やすため具体的に取り組んでいるのが、
以下のような内容です。

(1)塾講師応募サイトのフル活用
(2)学生マンションにポスティング
(3)講師募集用のホームページ(LP)
(4)大学のスポンサー

今回の「前編」では、(1)・(2)を取り上げて丁寧にお伝えしていきますね。

(1)塾講師応募サイトのフル活用

塾講師応募(募集)サイトはたくさんありますが、
弊塾で使っているのはこのうち1社だけです(セミナーでは実名でお伝えしています)。

なぜなら、こちらのサイト(会社)は「採用してから1ヶ月後の在籍で課金されるから」です。

他社さんの多くは採用した時点で課金されてしまいますが、
1ヶ月の間猶予があれば、厳しい研修で見極めができますし、
弊塾のスタイルと非常に親和性があり重宝しています。

しかし、こういった塾講師応募サイトは、通常の2~3倍の高時給とかでないかぎり、
塾側が登録するだけでは基本的には応募がありません。

そのため、こちらから学生側にアプローチをすることが大切です。
具体的には「急募機能」と「オファーメール」を活用します。

「急募機能(応募サイトによって呼び方が異なると思います)」は、
月6,600円の課金で検索時に上位表示される仕組みです。

web検索で言うところのリスティング広告ですね。

求職者からすれば、やはり一番上に表示されていたらまず高確率で閲覧しますし、
表示が下に行けば行くほど閲覧数が減っていきます。

シンプルな仕組みですが、実際に活用されている塾さんは意外と少ないように感じます。
少ないからこそ目立つチャンスとも言えますね。

次に「オファーメール」です。

これもサイトによって呼び名が違うと思いますが、
応募サイトに登録している人に向けてダイレクトに、
「うちで働きませんか」とメールを送れるサービスです。

こちらも、意外に使っている塾さんは少ないようですが、めちゃくちゃいい仕組みですよ!

オファーメールの送り先も「地域(市単位)」「年齢」「性別」「学年」などの絞り込みが可能です。

例えば弊塾であれば「大阪大の学生」で
「豊中市(大阪大学生の多くが暮らしているエリア)在住」、
「男性で18〜20歳」、「1~2年生」と、ピンポイントで狙い撃ちできます。

だた、この機能を活用するのであれば、もうひと工夫を加えるのがオススメです。

オファーメールは定型文で送ることもできますが、ある程度のカスタマイズも可能ですので、
しっかりと自塾で気持ちを込めたメッセージを作ることが大事だと感じます。

正直なところ、定型文だと味気ない文面で面白みもなにもありません。

宛名だけ変えて誰にでも送れるようなデフォルト文面のラブレターと、
あなたに向けて書いてくれたと伝わるラブレターであれば、どっちが心に響きますか?

それは言うまでもないですよね。

(2)学生マンションにポスティング

大阪大学の学生さんは一人暮らしをしている比率も高いです。

そのため、学生さんが住んでいるであろうマンションにせっせとポスティングをしています。
今年も15,000枚以上を、私一人でポスティングしました。

あなたも、まずはポスティング用の講師募集チラシを作ってみてください。

生徒募集のチラシはみなさん作っておられると思うので、
きっと講師募集チラシも作れるはずですよ。

ちなみに弊塾の講師募集チラシはA4サイズの両面カラーです。

個人的には、不動産屋さんのチラシのような薄い紙ではなく、
ある程度しっかりした紙質のものを使うほうが良いと思っています。

また、印刷の際に「2つ折り」で発注し、ポスティングしやすくしています。
3つ折りでも良いと思います。

一人暮らしの学生さんは、ポストを毎日開けて確認しない人も多いので、
郵便物やチラシがめっちゃ溜まっている場合がありますが(笑)、
2つ折りだととても投函しやすいのです。

少し厚めの紙質のおかげで、投函の際にくしゃくしゃにならないのもいいですね。

少し厚めの紙で2つ折りにしても1枚あたり4〜5円程度ですので、
かなり安いと思いますし、自力で折る時間コストを考えればはるかにお得です。

それを持って、私は大阪大学周辺をひたすら歩いてワンルームマンションを探します。

時期や期間は、講師募集(というよりアルバイト)のニーズが高まる2〜6月が中心です。
おおむね月3,000枚を目標にポスティングしています。

10年以上続けているので、おそらく大阪大学生が住んでいるワンルームの
8割以上は把握できているのではないでしょうか。

それでも新築のマンションができていたり、
「こんなところに隠れていたか!」と新たに発見できたりすることもあり、
それを楽しみながらポスティングしている感じですね。

外注してもいいのですが、ワンルームに限定するのが難しいのと、
自分の健康のためにもなるので、一石二鳥と思って取り組んでいます。

こうして1,000枚ポスティングすれば、だいたい1件は応募がありますので、
やればやるほど応募が増えることをモチベーションになりますよ。

ところで、ポスティングをしていると、ポスト下に(他塾さんの)塾講師募集のチラシが
落ちているのをよく見かけます。

個人塾さんではなく大手塾さんのチラシです。

大手さんも、優秀な学生講師の確保については非常に意識が高いので、
ポスティングみたいな地味な作業も意外としっかりやっているんですよ。

逆に考えれば、だからこそ大手さんにじゃ優秀な講師が集まり、
何もしない塾さんには集まらないのだとも言えます。

いかがでしたか?

かなり長くなってしまいましたが、私は本当にそれぐらい熱量を持って、
講師募集に命をかけているつもりです。

「いい学生からの応募がない」と嘆いている塾長さんは、
待つだけではなく、ぜひ行動に移してみてください!

あえて厳しい言い方をしますが、文句を言う前にやることをやりましょう!

講師の応募が少ないのは、ただ単にあなたの塾の認知がないだけなのです。

大学生は山ほどいるのですから、まずは認知活動をしっかり行い、
その中で良い人材を見つけて採用し、自塾の最強の武器にしていきましょう!

次回は、学生講師を採用・育成するためのポイント/採用編(後編)をお届けします。
お楽しみに!

【今回のまとめ】
・まずは応募の母数をいかに増やすかを考えて
・黙って待っていても、良い講師は採用できない

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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