【Vol.860(2025.01.08)】「あなたの塾の特徴は?」と聞かれたら

全国に5万以上あるとされる学習塾。
それぞれの色や特徴を出して、常に全力で生徒さんに向き合っていると思います。

どんな色や特徴であれ、ブレずに運営することはとても素敵なことです。

一方で、特徴を出すということは、その特徴に合わない生徒さんや保護者さんは
対象外にする勇気も必要でしょう。

生徒数を増やしたいという思いが先行し、
自塾の色に合わない生徒さんまで際限なく受け入れていると、
本来出したい色が出せなくなる恐れがあるので注意が必要です。

今後、今まで以上に生徒さんや保護者さんが塾を比較し選ぶ時代になると思います。

そのため私は、「どんな人でもウエルカム」というより、自塾の色や特徴を明確にして、
そこに共感していただける方に通塾していただく形を作ることが大切だと考えています。

そこで今回は、弊塾の色や特徴を、事例とともにお伝えしてみたいと思います!

まず弊塾は、保護者さんがむりやり通塾させようとしているのでない限り、
生徒さん本人にやる気さえあれば原則として受け入れる方針です。

ただし、その「やる気」に関して、特に高3生に対しては、
ちょっぴり体育会系で昭和的な厳しめのルールで運用しており、
それが特徴でもあり強みだと考えています。

「自塾の特徴はなんですか?」と急に聞かれたら、
「うちは昭和的で体育会系なところです」と即答できるほどです。

当メルマガでも何度かお伝えしていますが、弊塾では高3になると、
大学合格に向けて突き進んでもらうために、
さまざまなルールに従って「覚悟」を決めてもらいます。

まず、高2の12月に実施する三者面談で高3からのルールを伝え、
2月に再び三者面談を行い、高3からの通塾意思を確認するのがいつものルーチンです。

教室ルールが自分に合わない場合は、周辺の塾に転塾するようにアドバイスしています。

ルールが合わない(納得していない)のに続けることは、
生徒さんにとっても私たち教室側にとっても不幸でしかありません。

あえて追い込んで無理やり通塾させているのでも、突き放しているのでもなく、
無理に続けないように勧めます。

合う・合わないはどうしようもありませんから、
「合うと思ったら続けたらいいし、合わないなら周辺の塾で対応してもらったらいいよ」
と、さらっと伝える感じです。

高3から厳し目のルールを作る理由は明確で、
第一志望の大学に合格してもらいたいからに他なりません。

なぜならみんな気軽に「とりあえず関関同立に行きたい」と言うからです。

関関同立をなめんなよという話ではありますが(笑)、
それでも関関同立はじめ志望校に合格してもらいたいので、
高3(正確には高2の3月から)になると、死ぬほど勉強してもらいます。

そのためにまずは圧倒的な勉強量を確保し、勉強の習慣をつけると同時に質も上げ、
最終的には偏差値を10や15アップして第一志望の大学へ合格してもらいます。

そして、教室ルールの一つが強制自習です。

志望校の競争率が1倍以上(全入ではない)の生徒さんは、全員が参加の対象となります。

3~4月は週3回、5~6月は週4回、7月は週5回、8月以降は週6回と、
だんだん増えていく形で自習する決まりです。

また夏休みは10:00~22:00まで滞塾するなどのルールもあります。

教室を生活の起点としてもらうのが目的で、保護者さんにも
「家は、お風呂に入る、ご飯を食べる、寝る、ための場所にしてください」伝えているほどです。

例外的に、受験科目の平均偏差値(進研模試)が60を超えている人は、
自宅学習が確立できているとして特例で自宅学習を認めています。

私は、勉強できる環境作りが大学受験をする上で一番大切だと考えており、
この方針で15年以上やり続けています。

このやり方が良いか悪いかはいつも自問自答していますが、
「自分たちが決めたやり方を正解にしていこう。そのために工夫を重ねよう」と
教室長とも話しています。

また、高2の冬休みから全員で単語テストを毎週行います(高1からやっている希望者も)。
英単語・英熟語・古文単語(受験に必要な人のみ)の3種類です。

70点未満の場合は追試があり、日曜日15:00に来て80点以上取るまで終わりません。

これを1年間毎週やり続けたら、めちゃくちゃ伸びるのは明白です。

大切なのはやり切ることで、それを仕組み化しているわけです。

ただ、理論上は簡単なのですが、この仕組みに生徒さんをはめ込むまでは
こちら側も相当パワーを使いますし正直大変です。

そもそも大学受験をしてほしいと私たちが言っているわけでもなく、
やる気がない・やりたくないと言う生徒さんがいたとすれば、こっちの気持ちが持ちません。

ですから、最低限こちらで決めたことをやり抜いてほしいという思いもあり、
年末には高2生に対して下記内容を個々にLINEで伝えました。

原文ママ
=====
【フォレスト高2生(一斉送信)12/25】毎週の単語テストについて

こんにちは、フォレストの安多です。
今週から単語テスト(英単語・英熟語・古文単語)が始まりました。
毎週行うことで、習慣化し1年後にはびっくりするぐらいの力がつきます。
地道にコツコツ進めていきましょう。

単語テストは「毎週土曜日19時まで」に実施してください。
期間内であれば、いつ行ってもらっても構いません。
「受けるのを忘れていた」「うっかりしていた」は論外ですので気をつけてください。
また「体調不良で受けることができなかった」も受けない理由にはなりません。
体調不良になる方が悪いので。ですからリスク管理として週初めに受けることを勧めます。

単語テストは、それぞれ名前を書いたファイルに入れています
(ファイルは大学パンフレット周辺に置いています)。
ファイルからテストを取り出し、手前の教室の空いている席で実施してください。
実施後は、提出ボックスに入れてもらったら完了です。

テストは週末に採点し、翌週の通塾時に返却します。
70点未満の場合、日曜日15時から
必ず追試を受けにきてください(正当な理由以外の欠席や遅刻は不可)。

なお、12月から2月の間で3回注意された場合(受け忘れ・追試の欠席など)は、
高3からの通塾に関して退塾を推奨します(お互い疲弊するだけなので)。

テストの受け方など、わからないことがあれば、安多か森先生まで聞きにきてください。
頑張る高2生を応援しています!よろしくお願いします。

安多

=====

いかがでしょうか。「分かりやすくて良い」と肯定的に取られる方も、
「体調不良になる方が悪い、はさすがに……」と否定的に取られる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、受験本番で体調を崩しても、入試日は変更できません。

それを早いうちに分かって欲しいという思いがあり、
厳しい言い方であることを知りつつも、あえてそうしたスタイルを貫いています。

もしかすると12月から2月の間で、
ルールを守らず退塾になる生徒さんも出るかもしれません。

しかし、このレールに乗っかることができた生徒さんが飛躍的に偏差値をアップして、
志望校に合格できるのであれば私はこの考えを優先したいです。

「厳しかったけど、自分にはこの環境があっていた」
「この環境じゃなければ志望校には合格できなかった」
「毎週単語テストや追試があってありがたかった」

という卒業生の声がある限り、この厳しい環境やレールにのってくれた生徒さんに
全力でサポートしたいと考えています。

弊塾のルールに合わなくても、自分のやり方に合わせてくれる塾さんはあるはずですし、
そのほうがやる気もモチベーションも上がるのなら、そこで頑張って欲しいと思っています。

私たちのやり方は完璧でもありませんし、不十分な点がたくさんあることは自覚しています。

だからこそ、厚かましいですが、周辺の塾さんに助けてもらいたいなという考えです。

いかがでしたでしょうか。

イマドキの「主体的な学習意欲(姿勢)」とは違うのかもしれませんし、
時代錯誤とも、もう古いと思われるかもしれません。

でもそんな昭和みたいな塾が、今の世の中にあってもいいと思っています。

ニッチかもしれませんが、必要としている高3生や保護者さんがいるはずですし、
勉強できる環境に飛び込む勇気のある生徒さんからすると最高の環境とも言えますので。

みなさんの教室の特徴や色はどんな感じでしょうか。

「あなたの塾の特徴や色は」と聞かれて、
自信を持って「◯◯です!」と即答できるカラーを持って運営していきたいですね。

みなさんの教室の特徴や色、ぜひまた教えてください!

【今回のまとめ】
・自塾の特徴はあなた自身が作り上げる
・ニッチであっても、信じて貫く姿勢も大切

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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