「人や生物は、生まれた瞬間から終わりに向けて歩み出し、いつか死を迎える」
これは、私が高校生のころ、国語の先生が授業で教えてくれた言葉です。
このフレーズは、国語が大嫌いだった当時の私でも胸に刺さるものがありました。
始まりは、終わりへのカウントダウンなんだと気づいた瞬間でした。
とはいえ、毎日を大切に充実しきれているかというと、今でもまだまだだと感じます。
限りある命・人生ですから、一瞬一瞬を大切に過ごしていきたいですね。
当メルマガだって、生き物と同様、いつかは終わりを迎えるときが来るのかもしれません。
もっと言えば、学習塾の運営にも始まりがあれば、いつかは終わりが来るのです。
考えると寂しくなりますが、もちろんまだまだ頑張りますよ(笑)!
そこで今回は、学習塾経営のフィナーレや終活について、
みなさんと一緒に考えてみたいと思います。
さて、ここ数年、大手塾さんを中心に学習塾のM&Aが盛んになってきています。
中小規模でもM&Aで教室数を増やしている知人もいますから、
もはや経営規模の問題ではないのかもしれません。
1度、M&Aのサイトを見てみてください。
規模を問わず、かなりの数の学習塾が売りに出されています。
少子化に伴う業界再編の波といったところでしょうか。
M&Aに積極的な知人の塾経営者さんは
「ゼロから作るより、今あるものをしっかり継承して改善していくほうがよっぽどいい」
と言われていました(もちろん、中身のあるいい塾を買収するのが大前提です)。
弊社も先日、M&Aの仲介業者さんから
「塾を売りたい方がいるのですが、案内などを出してもらうことは可能ですか?」
とお問い合わせをいただいたところでした。
ただ、当メルマガでご紹介するからには、
買う側にとって魅力的な案件であることが重要です。
残念ながら今回は折り合いがつかずに流れてしまいましたが、
今後も「これはお勧めできる!」という話があれば、ご案内させていただきますね!
加えて、事業継承の問題も学習塾の統廃合を加速させる要因ともなっていると感じます。
特に1代で規模を大きくされた塾さんは、2代目問題が悩みのタネであるようです。
凄腕の経営者さんたちも、60歳を超える方が増え、
「後継者」について考える必要性が出てきたのでしょう。
お子さんがいらして、ご本人も塾経営や事業継承に前向きなのであれば、
最高のケースだと思います。
また、信頼できる右腕に社長の座を譲れるケースも理想的な継承ですよね。
しかし、例えばFCなどの場合、事業継承の適任者がいないとか、
能力的には適任でも当人にその気がないとかで、
仕方なく本部に買い取ってもらうという事例もあるようです。
当メルマガを読者のみなさんは、
おそらく個人塾や中小塾の関係者が多いのではないかと思いますが、
みなさんは自塾の将来像についてどうお考えですか?
つまり、「どう終わらせるか」です。
ちなみに、私自身は終わり方について数年前から模索し始めていて、
今はある程度固まっています(まだ模索段階なので、詳細はまだ秘密とさせてください!)。
少なくとも「娘に継承してもらう」という選択肢はまずありません。
30代のころは、(そんなはずもないのに)永遠に自塾が続くと思っていましたし、
「まあなんとかなるでしょ」と楽天家の発想全開で、まったく何も考えずに呑気なものでした。
しかし、私も年齢を重ねて40代も半ばとなり、考え方も変わってきました。
私より先輩にあたる50代・60代の個人塾経営者の方は、
余計にそうなのではないでしょうか。
では実際に取れる手段としては、何が考えられるでしょう?
「老後も自宅などで細々と塾を行う」「塾を売却する」、
あるいは「あるタイミングで塾を閉じる」あたりでしょうか。
「社員を採用して継承する」という手もあるかもしれませんが、
今から「継承させるために雇う」というのは、あまり現実的ではないかもしれませんね。
事業継承させるほどしっかり育てる前提で採用できているのであれば、
すでに適任者がいるでしょうし。
また、複数教室をお持ちの中小塾さんの場合も、
「塾を売却する」「信頼できる右腕に継承する」「希望する社員に教室を買い取ってもらう」
あたりが現実的なラインでしょうか。
こういう話をすると「手放す(売却する)」ことに対し、
ネガティブな感情を抱く方もいらっしゃるかもしれません。
手作りで始めてここまで育ててきた塾事業、言わば我が子のようなものですから、
理屈や合理性の問題ではなく、寂しい気持ちになるのも当然です。
しかし始まりがあれば終わりがあるのは当たり前ですから、
売却することも閉業することも、後ろめたさを感じる必要はありません。
ただ、その場合は今いる生徒さんや保護者さんに迷惑がかからないようにすることだけは、
絶対に守るべきラインだと思います。
先日のニチガクさん事件のようになっては、誰も幸せになれません。
また、「自分さえ良ければ」という発想は、そもそも恨みを買います。
以前、自塾を売却された知人の経営者さんは、社員さんの今後を最優先に考え、
自身にとっての売却条件が不利になっても社員さんファーストの条件だけは絶対に譲らず、
譲渡をされたそうです。
20代、30代の若手塾経営者さんや、今後独立開業をお考えの方は、
勢いのままに突き進むことを大切にしつつも、
終わりをどうするかは早めに考えておいたほうがいいかもしれませんね。
そのほうが色々な選択肢が増え、教室運営に深みや幅が出てくると思います!
もし「自塾を売却しようと考えている」、
あるいは「売却したいが、売却先が見つからない」という方がいらしたら、
ぜひ1度、私までご連絡いただけますと幸いです。
弊社ではそのような事業サービスも行っておりますので、
もしかするとご縁をお繋ぎできるかもしれません(もちろん秘密厳守いたします)。
私が仕事をする上で大切にしているのは、人と人とをお繋ぎして、
共にハッピーになっていただくことです。
せっかくたくさんの方に当メルマガを読んでいただいているので、
どんな形でもみなさんのプラスになれれば私も嬉しいです。
売却も視野に入れておられる塾長さんは、お気軽にお問い合わせください。
もちろん売るからには、「買いたい」と思ってもらえるような塾でないといけません。
どうなるにせよ、来たるべき日に備え、
日頃からコツコツと内部充実を図った教室運営を行っておきたいですね。
【今回のまとめ】
・自塾の終わり方を今のうちから考えておく
・塾の売却をご検討中の方、ご相談ください