【Vol.611(2022.08.10)】オンライン自習室のススメ

コロナ感染がもはや珍しくないものになった現在、弊塾でも、
生徒さん自身やそのご家族が感染したり、濃厚接触者となったりして、
自宅待機せざるを得ないケースが見受けられるようになりました。

みなさんの教室ではいかがですか?

「うちはまだ大丈夫!」という塾さんも油断は禁物です。

本当に誰が感染してもおかしくなくなっていますので、
明日にでも「陽性になりました」「家族が感染しました」と連絡が入る可能性は十分にあります。

非受験生であれば、1週間ぐらい家でゆっくり療養してもらっても、
まあ「しょうがないか」で許される範囲内かと思いますが、受験生はそうも言っていられません。

弊塾の夏期講習期間中は、平日の毎日、中3生は1日9時間、高3だと1日12時間、
教室で勉強してもらうことになっています。

弊塾では恒例の強制イベントですので、教室に来られないとどんどん差が広がっていきます。

自宅で勉強していると、どうしてもかなりの高確率で誘惑に負けたり、スマホをさわったり、
ついボーッとしたりして、パフォーマンスが落ちがちです。

弊塾の生徒さんの場合、「家で勉強できないから塾で勉強する」という生徒さんがほとんどです。

そもそもそういう自律心を保てる生徒さんであれば塾に行く必要がないでしょうし、
当たり前と言えば当たり前なのですが。

もちろん体調不良になることもあるでしょうが、
ちょっとしたものなら1~2日休めば回復して、すぐに通塾できるようになります。

しかしコロナはそうはいきません。
1週間以上、教室に来ることができなくなります。

無症状の場合や、すでに回復し体調に問題がない場合でも通塾できないのが、
コロナ感染で1番やっかいな部分かもしれませんね。

そういう場合は、自宅で勉強しておくように声かけするのが一般的かと思いますが、
先述したようにそれだけではどうしても教室での自習に比べ効率が下がります。

それをふまえ、単なる任せっぱなしの自宅学習にしないために
「オンライン自習室」をお勧めします!

オンライン自習室は、Zoomを使用したもの。

リアル教室の開校時間中は常にZoomを稼働させておき、自宅からそこに接続することで、
実際に教室にいる生徒たちとほぼ同じ条件で自習してもらうものです。

生徒さん側で何らかの契約やソフトのインストールは必要なく、
こちらから接続用のIDとパスワードさえ案内しておけば、誰でも入室することが可能です。

弊塾でのオンライン自習室のルーツは、2年前にコロナが流行り出して、
2ヶ月間の学校休校があった時です。

当時は、毎朝9:30からZoomに入室してもらい、あらかじめ定めた時間割にそって、
オンラインで自習してもらっていました。

できるだけ学校に通っているのと同じような条件を整え、
学びを奪わないことと、生活リズムを崩さないようにすることが目的で、
保護者さんたちからも大変感謝されました。

やり方はいたってシンプルで、生徒さんのスマホでZoomに入室し、
自習中の手元を映すことが基本ルールです(顔は映さなくてOK)。

誰かに見られている環境を作り出すことで、あたかも教室にいるような感じになり、
集中力が切れたり怠けたりすることを防ぐようにしています。

また、タブレットやPC端末ではなくスマホを利用しているにもポイントです。

なぜなら、自習室に入るためにスマホを使っているので、スマホで遊ぼうにも遊べないからです。

受験勉強の最大の敵はスマホと言っても過言ではありませんので、一石二鳥ですね(笑)。

弊塾では、コロナ休校などが収まって移行のこの2年間も、
教室の開校時間に合わせ、オンライン自習室を開放し続けていました。

利用回数や時間に制限もありませんし、月額2,200円で(生徒さん側の費用負担はありません)
いつでもオンライン自習室の環境を作り出せるわけですから、かなり便利だと思います。

リアル教室が再稼働を始めてからは、オンライン自習室の利用者がゼロの日も
もちろんたくさんありますが、いつでも使える環境を作っておくことがポイントだと感じています。

コロナが再び猛威をふるっている現在、自宅待機を余儀なくされている弊塾の生徒さんも、
先週からオンライン自習室をフル活用して、充実した毎日をすごしています。

もし一人で自宅学習していたら、おそらく学習効率はガクンと落ちたのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、弊塾の生徒層は
「家では勉強できないから、強制的に自習などを決めてもらったほうが頑張りやすい」
という生徒さんばかりです。

そんな彼らにとって(そして弊塾にとっても)自宅にいながらでも強制的に自宅学習できる、
オンライン自習室は非常に相性が良いコンテンツなのです。

人間は非常に弱い生き物ですから、
いかに圧をかけることができるかがポイントです(私は高3生の時、誘惑に負け続けました笑)。

ただ、オンライン自習室を開いて
そこに生徒さんを放り込んでおけばいいというものではありません。

1日数回は声をかけ「よく頑張ってるね」「来週からまた待ってるね」など
コミュニケーションをとることも大事です。

やはり最後は人ですから、「あなたの頑張りをちゃんと見ているよ」という
安心感を届けることや承認することを忘れないであげてください。

自前のZoom活用ではなく、市販のオンライン自習室システムを使っている塾さんもあるでしょう。

しかしその動機が「Zoomであれこれフォローしながらの自習室は面倒」という
発想から始まっているケースは、得てしてうまくいかないものです。

そして「オンライン自習室サービスってイマイチだな」という結論に至るわけですが、
それはコンテンツの質が悪いのではなく、使い方が悪いのだと考えるほうが自然です。

やはりフォローの部分は、面倒でも自分たちで手掛けるほうがいいと思います。

いや、実際にはそんなに面倒ではありません。
Zoomを開いて、ちょくちょく気にかけてあげるだけでもいいのですから。

それに、生徒さんからしても、直接顔を知っている「いつもの先生(講師)」が
フォローしてくれるルーム(自習室)のほうが頑張れるに決まっています。

オンライン自習室を常時開放しておくもう一つのメリットは、
「すぐにオンライン授業をすることができる」点です。

ブレイクアウトルームという別部屋を設定する機能を使えば、
すぐに「自習室」から「授業用の教室」へ移動することができます。

また、夏休みで帰省する学生講師さんも、実家からオンライン授業を行ってもらえますし、
もし講師がコロナ陽性になっても、体調さえ問題なければ
自宅からオンライン授業をしてもらうこともできますしね。

オンライン授業といえば「先生が教室、生徒さんは自宅」がオーソドックスかもしれませんが、
その逆や、講師も生徒さんも自宅から参加など、いろいろな組み合わせも可能です。

最後に、おまけでちょっとしたコツをご紹介しておきます。

ブレイクアウトルームを使って授業をする際は、講師・生徒さんに加え、
もう1台、別の端末からも入室しておくことをお勧めします!

そうすれば授業が密室空間にならず、様子をきちんと確認することができ、管理しやすいです。

このように、オンライン自習室はメリットだらけのシステムだと私は思っています。
Zoomを開いておくだけで、いろいろと選択肢の幅が広まりますよ。

再びコロナパニックになる前に、できる限りの手をしっかりと打っておきましょう!

【今回のまとめ】
・コロナのリスク管理にオンライン自習室が非常に有効
・オンライン自習室を行うことで、オンライン授業などの付加価値もついてくる

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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