【Vol.632(2022.10.21)】「わが子をしっかり見てくれる」と思ってもらえる塾に

手前味噌で恐縮ですが、弊塾教室長は、
生徒さんと対話のコミュニケーションを取るだけではなく、
顔色や雰囲気、動作などを本当によく観察しています。

その中で、少しでも「何か引っ掛かるな」と感じた場合、すぐに保護者さんへ連絡しており、
その行動力と丁寧さには頭が下がるばかりです。

例えば
「部活の練習時間も多く睡眠不足のようで、見ていて少ししんどそうです」、
「最近、遅刻の回数が増えましたがどうかしましたか」、
「テストの点数が思ったより取れずに落ち込んでいるようですが、ご自宅ではいかがですか」
などなど……

些細なことでも見逃がさす、こまめに連絡を入れています。

「こまめな仕事ぶりだな」と私も感心するのですが、教室長に言わせると、
もやもやした状態のままの(違和感を抱いたのに何となく後回しや放置する)ほうが
自分にとってもむしろストレスになるのだそうです。

もちろん、すぐに連絡するので、教室長の考えすぎだったり、
空回りだったりすることも多々あります。

それでも、ときには「そうなんです先生、実は……」とか、
「家ではまったく気づけませんでした。家族で話し合ってみます」といった反応もあるので、
教室長の行動に間違いはないと断言できます。

やって空回りならそれでいいわけですから。

また保護者さんからの相談にも親身に対応することで、先方も安心されると思います。

「本人がテスト前に焦って、家ではパニックになっています」という相談があれば、
すぐに生徒と面談(1on1)を行ってヒアリングをし、解決策を一緒に見つけます。

また、そのやり取りを保護者さんへも報告し、
悩みをできるだけ解決したり、気持ちをほぐしたりします。

その結果、保護者さんからは非常に感謝いただけることが多く、
信頼していただけていることは、私たちにとっても大きなモチベーションになりますね。

確かに逆の立場になってみれば、保護者さんの気持ちはよく分かります。

我が子も習い事に通っているのですが、そこの先生も、
我が子の教室での様子や成長の軌跡を個別に知らせてくださるんです。

「しっかり見てもらえている」という安心感があり、感謝の気持ちです。

今では、その先生がいるから通わせていると言う感じです。

これって塾も同様で、私自身もとてもいい勉強をさせてもらっています。

タスク処理のフレームワークの一つで、
「緊急性」と「重要度」のマトリクスをご存知の方も多いと思いますが、
教室長の行動をこれに当てはめて考えると「緊急性は低いが、重要度が高い」にあたります。

「緊急度も重要度も高い」に次ぐ、優先順位2番目に相当するタスクです。

緊急度は低いのですぐに目に見えた効果を実感できないこともありますが、
この行動をするかどうかで、半年後、1年後、3年後に明らかな結果として出てくるはず。

継続することで、塾に対しての信用が増し、信頼される塾になっていくと私は思います。

家庭に連絡してもしなくても、今すぐは教室の現状は変わらないでしょう。

「気になったけど、まあいいか」で終わらせても、その日は同じように過ぎていきます。
やはり「気になったら、とりあえず連絡する」という意識を持っておきたいところです。

積もりつもった差が、教室の差(すなわち生徒数)につながると思います。

ここを怠ると、経営面でもジリ貧になりますし、
被雇用者の方も、結果が変われば評価も変わりますので、その差は大きいです。

塾の仕事は、その瞬間にやらなくても何事もなく過ぎるケースが結構あります。

しかし、ボディブローのようにジワジワと効いてきてどんどん蓄積され、
「気付いた時にはもう遅い」となりかねません。

逆に「良いこと」も蓄積されていくものです。

目先の成果(成績アップなど)が大事なときもありますが、それだけにとらわれることなく、
1年先、あるいは5年10年先に向けて種を蒔き続ける行動をおろそかにしてはいけません。

すぐには効果が出ず、目に見えない地道なことをやり続けるのが
塾の仕事だと私は考えています。

「結果がすべてだ」という塾長さんには怒られるかもしれませんが、
成績アップだけが(保護者さんが我が子を)塾に通わせる理由ではないと思うんです。

誤解を恐れずに言えば、成績を上げ続けることなんて不可能ですしね。

学習塾に通わせる大きな理由のひとつとして、「人」や「面倒見」の部分があるからこそ、
個人塾であっても大手塾さんと同じ土俵でやっていけるのではないでしょうか。

合格実績の数でみれば圧倒的な差になるわけですし、
一般的な産業構造では、大手が参入すると中小は苦しくなると言われています。

しかし、学習塾はそれには当たらないと私は思っています。

どれだけ潤沢な資本力があっても、「人」を大切にしている塾には太刀打ちできませんから。

少し偉そうなことを書いてしまいましたが、
そんな私も教室長もまだまだ力不足な部分ばかりです。

だからこそ、ちょっとでも気になることがあれば、
すぐに対応するといった行動力でカバーをしています。

また、自分がされて嬉しいことをするのが、商売や人付き合いの基本だと思います。

良い種を蒔き続けて、地域のみなさんから必要とされる塾になっていきたいですね!

【今回のまとめ】
・違和感を感じた時に行動できるように
・その行動の積み重ねが教室の信用につながる

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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