【Vol.649(2022.12.21)】折込チラシの作り方(基本編)

今回のテーマは、新聞折込チラシについて。

そろそろ、来年度に向けた新聞折込チラシの制作も考えていきたい時期です。
あるいは、12月に新聞折込を行っている塾さんも多いと思います。

ただ、近年は「新聞折込チラシは反応が薄いから入れるのをやめた」
「webだけで生徒募集を行っている」という塾さんも増えました。

そこで、4年前にご紹介した内容を加筆修正し、改めてお届けしたいと思います。

さて、「ネット時代の現代において、新聞折込の効果はもうほとんどない」
という意見もありますが、私はそんなことはないと思いますよ。

確かに新聞購読率は年々下がり、部数がどんどん減っています。

特に小〜高の子どもを持つ30〜40代世代の新聞購読率は
50〜60代に比べ低いのも事実です。

ただ、あくまでも仮説ですが、こういったことも言えるのではないでしょうか。

「新聞をまだ購読している世帯は、教育の意識が高い層が多い」のではないかと。

誤解がありそうな言い方ですが、
きちんとした家庭は新聞くらいきちんと取っている、ということです。

もちろん、そうでないパターンもあるでしょうし、
非新聞購読層はきちんとしていない、という意味ではありません。

それに、マーケティング力に長けた大手さんが
いまだにこぞって新聞折込チラシを大量投下していることを見ても、
まだまだチラシには可能性があると言えるのではないかと思います。

また、新聞でなくとも、全戸配布する情報誌(例えばリビングなど)に折り込むことで、
新聞を購読していない家庭にも見てもらえる機会があるはずです。

ただ、新聞折込でもリビング折込でも、「チラシを見て」という問い合わせの方のほとんどは、
ホームページもご覧になっているのが大前提にはなります。

チラシで塾の存在を知り、興味を持ち、ホームページで詳細を確認、
納得すれば問い合わせ……というのが近年の消費者動向です。

もしくはポータルサイト経由での問い合わせですね。

昔のようにチラシ→即問い合わせ、というパターンは少なくなっているでしょう。

チラシがホームページを見ていただくきっかけになっているわけですね。

ですから、チラシはホームページ閲覧への誘導や連動も意識せねばなりませんが、
何はともあれまずは塾に興味を持ってもらうことがすべてです。

そのための大前提として、そもそもチラシは
「見られない」「捨てられるもの」として、認識しておく必要があります。

厳しい言い方になってしまいますが、
見てもらえることを前提にした内容のチラシを作っている時点で、
残念ながら見立てが甘いと言わざるを得ません。

チラシに反応がないのは、チラシという広告媒体に問題があるのではなく、
「チラシの中身に問題があるのでは!?」という意識を持ってみることが大切です。

そこで今回は、私がどういった点を意識してチラシを作っているか、
5点お伝えしたいと思います。

前回お届けした際は3点でしたが、さらに2点追加でご紹介しますね。

~~~~~~~~~
【1】教室の写真や生徒さんの写真を載せる
【2】通塾してもらいたい層(ターゲット)を明確に表現する
【3】合格体験談を載せる
【4】「新年度生募集」や「冬期講習募集」の表記はしない
【5】料金を明記する
~~~~~~~~~

【1】教室の写真や生徒さんの写真を載せる

人間の脳は、文字と写真であれば、写真を先に認識する仕組みです。

また、写真からはイメージが湧きやすいので、
教室の授業風景や生徒さんの写真がたくさんあればあるほど、
教室の雰囲気を想像しやすくなります。

ですから、できるだけ写真の枚数を増やす工夫をしてください。

ちなみに弊塾の場合、私(塾長)や教室長の顔写真から始まり、
授業風景、合格時の生徒さんと講師のツーショット写真、
大学合格した生徒さんの一人ひとりの写真、
面接練習、合格体験談などなど、写真のオンパレードです。

B4チラシの両面で、計39枚使っています。

みなさんのチラシは何枚写真が使われていますか?
一度比べてみてください。

ただ、写真をたくさん入れるだけでは不十分です。
人によって写真内容の受け取り方(感じ方)が異なるからです。

例えば、生徒さんがピースして笑っている写真があるとします。

これを「楽しそうな塾だな」と感じる人もいれば(プラス)、
「勉強もせずに遊んでいるのか」(マイナス)と感じる人もいるわけです。

そこで、それぞれの写真に簡単なキャプション(説明文)を挿入し、
写真のイメージを文字化します。

例えばピースしている写真には「30点アップしました!」とすれば、
30点アップして喜んでいる写真だと認知されます。

ピースしているからとおって、ただふざけているのではない、
でも楽しそう、ということが伝わりますよね。

もちろん、よく見せたいあまりに、ウソを記載してはダメですよ!

適当に取ったピースの写真に、無関係な「30点アップ!」といったキャプションを
とりあえず当てはめるような行為です。

モデルとなった生徒さんが、学校で「これ、ほんとはそんな写真じゃないんだけどな(笑)」
と笑い話にでもしようものなら、すぐに嘘つき塾の噂が広まります。

【2】通塾してもらいたい層(ターゲット)を明確に表現する

「小・中・高、全学年対応!どんなお子さまでもお任せください」
というキャッチや見出しをよく見かけます。

まあ実際、それが特長なのかもしれませんが、チラシの訴求力という意味で見ると、
対象者の幅が広すぎてイマイチです。

できれば、対象はもっと絞りましょう。

例えば

「定期テストが200~250点で、300点を超えたいお子さまへ」
「勉強のやり方がわからず、お困りではありませんか」
「偏差値を10アップして、関関同立に合格することが可能です」

など、「あっ、私のことだ!」と感じやすい表現のほうが、グサッと刺さるはずです。

「みなさん」という不特定多数ではなく「あなた」という一人に訴えかけるイメージですね。

そのために、まずは自塾の強みを明確にしていきましょう。

通知表オール1たちの子を鍛え上げるのが得意なのか、
平均点を少しだけ下回っている子達を底上げするのか得意なのか、
5教科計350点の子たちを400点超えるようにするのが得意なのかなどです。

また、勉強のやり方を徹底的に指導する塾なのか、
基礎はある前提で応用問題を中心に行い100点を目指す塾なのかによっても
伝えるべきメッセージは異なってきます。

そして、それを必要としている人をイメージして、
その人に向けたメッセージを発していってください。

また、そうした強みを記載する際、
なぜ自塾はそういった強み(自信)があるのかというエビデンスとなる理由も加えると、
納得度が高まり、さらにグッドですよ!

もし理由が書けないようでしたら、残念ながら本当の強みとは言えませんので、
適当に書かないように気をつけてください。

【3】合格体験談を載せる

やはり、どんな生徒さんが通塾していて、どんな結果を残したかというのは、
塾を探している保護者さんにとってとても心に響くと思います。

自塾の中身を少しでも知っていただくためにも、合格した生徒さんに協力してもらい、
写真や体験談を掲載していきましょう。

弊塾では、生徒さんの写真に加え、どんな塾だったか、塾でどんな学びを得たか、
塾を通じてどう成長できたかを掲載しています。

ちなみに、写真を撮る際には、学校の制服着用をお願いするのがポイントです。

制服だとすぐにどこの学校かわかりますし、
「あっ、うちの子と同じ学校(の子が成果を出しているん)だ」
と伝わりますし、地元密着感が増すのでおすすめですよ!

なお弊塾では、今年度までは生徒さんは実名掲載でしたが(もちろん許可済み)、
来年度以降はイニシャルでの掲載にします。

近年の個人情報保護の観点からです。

【4】「新年度生募集」や「冬期講習募集」の表記はしない

よくある表記ですが、直球で言えば不要です。

そもそも保護者さんは、新年度や冬期講習からの通塾を考えているから
塾チラシに目を通そうとするわけです。

12月に折り込んだチラシを見れば、保護者さんは無意識に冬期講習を連想していますので、
わざわざ「冬期講習生募集!」という分かり切ったことにスペースを割くよりも、
保護者さんに刺さるメッセージを掲載したほうが得策です。

1〜3月に折り込むチラシも同様です。

新年度から通わせるつもりでチラシを見ているわけですから、
「新年度生募集」のキャッチや見出しは必要ありません。

自塾の特徴でも書いておいたほうがいいです!

【5】料金を明記する

料金を載せたほうが、明朗会計で信頼度がアップすると私は思います。

チラシに限らず、いくら良いものだと思っても料金が分からなければ
それ以上のアクションを見送ることってありませんか?

「料金を載せない=高いので載せられない」という印象を持たれる可能性もあります。

一概に決めつけることはできませんが、そもそもモノを売ろうと言うのに、
価格は教えないということ自体が誠実ではないのかもしれません。

しっかりと明記することで、「高いけれどもこんなサービスを提供している」、
「地域で1番安い価格で地域貢献する」というアピールにもつながりますので、
私は料金を明記したほうが親切だと思います。

チラシは呼び水的要素ではありますが、顧客を「釣る」ためのものではありません。
騙しやごまかしの発想は良くないと思います。

いかがでしょうか。

どうせチラシを折り込むのであれば、少しでも自塾を分かっていただき、
反応のあるチラシにしたいですよね。

ちょっとした工夫でレスポンスは向上しますので、また工夫してみてください!

なお、いつもお伝えしていることですが、
中身の伴わない塾がチラシで良いことばかり書いてもすぐバレますし、
かえって悪評が広まり評判が下がるだけです。

結局は内部充実ありきの折込チラシであることを忘れないでくださいね!!!

チラシのレスポンスは、教室の中身に比例していますよ。

【今回のまとめ】
・新聞折込チラシは内容次第でレスポンスが大きく変わる可能性がある
・塾の内部充実ができていなければ、どんなチラシを入れても反応がない

この情報をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

目次