【Vol.660(2022.01.27)】高等部つくりかたセミナー、ダイジェスト

先週末に開催させていただいた「今春から間に合う!高等部つくりかたセミナー」は、
おかげさまで定員のお申し込みをいただき開催することができました。

ご参加くださった先生方、ありがとうございます。

ちなみに今回のセミナーで使用したパワポの資料は計134ページ、
2時間30分しゃべりっぱなしで、久しぶりに声が枯れました(笑)。
少しでもみなさんのお役に立てていれば嬉しいです。

さて、今回はセミナー内容の一部をおすそ分けです。

わざわざご参加くださったみなさんの不利益にならない程度に、
ダイジェストで振り返りたいと思います。

むしろセミナーにご参加いただいた先生にとって、いい復習になるようにお伝えします。

ではいってみましょう!

まず参加者のみなさんにお伝えしたのは、
「高等部をつくるのであれば本気でやること!中途半端にするぐらいならやめた方がいい!」という、
かなり厳しめの内容でです。

片手間でうまくいくほど高等部は甘くありません。
覚悟を決めてやる気持ちが大切となります。

その上で、高等部をつくるポイントは大きく3つあります。

(1)高等部に特化した教室運営
(2)高校生からの問い合わせに特化
(3)中3継続による内部生の持ち上げ

です。

(1)高等部に特化した教室運営

高等部に特化した教室運営をするためのポイントもいくつかあります。

例えば、高校生の学力層のターゲットを絞ることが大切です。

偏差値60以上の学力を持つ高校生は
東進さんや予備校さんに行けばよい(むしろその方が伸びる可能性が高い)です。

個別指導塾で高等部を作る場合は、
中学生同様ボリュームゾーンの学力層をターゲットにするのがおすすめです。

また高校生=大学入試という固定概念ではなく、
高1~2の間は学校の成績を上げる仕組みが大切であることもお伝えしました。

もちろん、授業以外の部分を強化することも大切です。

セミナーでは弊塾の特徴(差別化)を19項目挙げてお伝えしましたが、
いくつか例を示すと「高校生専用自習室」「高3専用の自習机」「一人1台iPad貸し出し」
「年360日開校」などです。

高校生の場合、指導だけ受けて帰るという塾には魅力を感じません。
授業以外の部分でいかに魅力的な部分を提供できるかが大切となります。

そして、高校生を受け入れる以上、教務(指導面)はもちろんのこと、
大学入試に関して情報や知識を入れておく必要があります。

それもできていないのに高校生を受け入れるのは詐欺と言っても過言ではないですよ!

目安としては「高校の進路指導の先生より詳しくなる」こと。

生徒さんが進路などに悩んだときに、高校の先生に相談するのではなく、
私たちに相談にきてくれるレベルまで努力する必要があります。

今の時代、大学入試に関する情報は、インターネット上に山ほど転がっているので、
それをしっかり活用していきましょう。

高校の問題集を細かく分析してくれているサイトなどもありますので、
「まねる+学ぶ=まねぶ」を心がけることをお勧めします。

一方で、大学入試では入試方法が多岐にわたり、高校入試の数倍は複雑です。
それらもきちんと把握しておいてください。

総合型選抜(旧AO入試)に関しては、志望理由書や自己PR、
小論文などの対策が必要となります。

自塾で対応できない場合は、総合型選抜を専門としている塾さんや会社に
外注するのも一つの方法です。

すべてを自塾内でやろうとしないことも高等部のポイントになります。

最後に高等部を運営する以上、当然ながら高校生を指導できる講師の採用は欠かせません。

セミナーではかなり具体的な講師採用の方法をお伝えしましたが、
端的に言えば「講師採用にも、お金をかけてしっかり投資すること」ですかね。

弊塾は「講師が塾の鏡」だと考えていますので、
講師採用には、生徒募集にかける費用の3倍を投じています。

大げさな言い方になりますが、命をかけてやるくらいの気合いで取り組んでいます。

(2)高校生からの問い合わせに特化

高校生からの問い合わせを増やすための施策も必要です。
具体的には、「高校生専用チラシ」「校門前配布」「ホームページ」です。

高校生のみに照準を向けた高等部チラシを作ることで、
高校生やその保護者さんに刺さりやすい内容で構成できます。

高等部を作っていない塾さんでも、
例外的に大学入試まで面倒をみた生徒さんは何名かいたのではないでしょうか。

その生徒さんたちの情報(合格大学・偏差値の推移・学校の順位の推移など)を
生の声としてチラシに掲載するといいと思います。

その際、コメントだけでなく、写真や名前を載せてもいいでしょう。
講師の紹介などもいいですね。

あとは「高等部専用教室」など、あなたの高等部の強みをアピールしてください。
新聞やリビングなどの地方紙に折り込むと認知が広がっていきます。

また、その高等部チラシを同封した校門前配布も効果的です。

チラシだけでなく、その高校を卒業した生徒さんの声を集めたものなどを同封すると
さらに効果は上がるでしょう。

新高1に関しては、高校入試の合格発表時に配布を行うのがベストです。

もちろんホームページも、このあたりを意識して
高校生にとって魅力あるページにすることが重要です。

(3)中3継続による内部生の持ち上げ

外部からの募集に加えて大切なのは
「中3塾生に、高校に入っても継続通塾してもらう」ことです。

新規募集よりも、むしろこっちのほうが大事ですね。

中3からの継続率は、毎年60〜80%が当たり前になるぐらいの意識を持つ必要があります。

「基本的には継続しない」とこちらが思い込んでいたり、
「高校入試で合格したら楽になるから、とりあえず入試頑張れ」など、
「中学までで塾は終わり」という前提に立って考えていては、継続率はアップしません。

私の感覚値ですが、こういった塾さんの継続率は10〜20%ぐらいではないでしょうか。

まずは、私たちの意識を変えることです。

そして「高校入試は通過点」という意識を生徒さんに持っていただくと同時に、
社員や講師スタッフ全員も共通認識として日々の業務に臨んでもらってください。

高校入試の先には大学入試があるのですから、
「高校入試ぐらい、サクッと乗り越えろ」ぐらいの声かけになれば理想的です。

また、入試が終わり結果報告に来てくれた生徒さんに
「おめでとう!また自習にもおいで」と声をかけても、ほとんどの場合来ることはありません。

そもそも私が生徒ならいきません(笑)。

ですから、合格発表後に中3生が全員集まる日を事前に設定し、
通達しておくことが重要です。

これに関してはちょっとしたテクニックの部分ですが、非常に効果的です。
今からでもまだ間に合いますのでぜひお試しください!

いかがでしたでしょうか。セミナーの内容をかいつまんだ形(1〜2割ぐらい)となりましたが、
イメージはつかんでいただけたでしょうか。

いきなり高校生がたくさん集まる魔法など存在はしません。

当たり前のことをコツコツ続けた結果が、中3内部生の継続率がアップしたり、
新規入塾につながったりします。

やるのであればトコトンやりこんで、
高校生がたくさん通塾してくれる教室を作っていきたいですね。

そして、高校生たちが望む大学へ進学できるようにサポートできたとき
初めて「高等部つくってよかった」と心から言えるのではないかと思います。

弊塾も高等部をより良いものにすべく、常にアップデートを心がけています。
一緒に素敵な高等部を作っていきましょう!

【今回のまとめ】
・高等部を作るのであれば、それなりの覚悟が必要

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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