【Vol.693(2023.05.23)】教室の安全管理、万全ですか?

5月に入り、震度5クラスの地震が数日おきに全国で起きています。

何だか気味が悪いですね……大規模災害の前兆でないことを願うばかりです。

阪神淡路大震災が起きた時、私は高校1年生でした。

地元は京都市内だったので、阪神地区に比べるとずいぶんマシで震度5強ぐらいでしたが、

それでも木造の自宅は揺れに揺れ、あまりの衝撃に飛び起きたほどです。

テレビで阪神高速道路が倒壊した光景を見たとき、

大げさでなく「日本は終わった」とさえ思いました。

2011年3月11日にも東日本大震災についても、今さら語るまでもないと思います。

さらに、震度7クラスが想定される

「南海トラフ巨大地震が30年以内に発生する確率」は70〜80%と言われています。

太平洋沿岸の広い地域で10mを超える大津波の襲来も想定されているようです。

【南海トラフ地震に関連する情報(気象庁)】

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こうした状況をふまえ、生徒さんの在塾時に大地震が起きたら、

貴塾ではどのように対応する流れになっていますか?

何もルールが決まっていないという塾さんは、

ハザードマップを片手に今すぐにでも指針を立てるようにしてください。

このメルマガを読んでくださっている今まさに、大地震が起こってもおかしくないのです。

災害時のルールがない状態では、

有事の際に保護者さんもどうすればいいか分からずパニックに陥ってしまうでしょう。

被害の状況にもよると思いますが、「もしものとき、塾としては○○という行動を取ります」と

保護者さんに知っていただくことが最低限の教室の役目かと思います。

心配なのは地震や津波だけではありません。

川の氾濫なども大きな脅威です。

弊塾の地元の兵庫県でも、先日の大雨で堤防が決壊しました。

【大雨で堤防決壊の天神川 工事で川幅が通常の半分ほどに(NHK)】

NHKニュース
大雨で堤防決壊の天神川 工事で川幅が通常の半分ほどに 兵庫 | NHK 【NHK】7日から降り続いた大雨の影響で、兵庫県伊丹市で川の堤防が壊れ、市内の10棟余りが浸水する被害が出ました。川を管理する兵庫…

被害場所は、弊塾から車で5分ほどの近さです。

幸いにも弊塾の生徒さんが住んでいるエリアではありませんでしたが、

ここまで近いとさすがに他人事とは言えません。

ちなみに、氾濫した天神川は、普段はちょろちょろとしか水が流れていないような川です。

そんな川でも、堤防が決壊するほどの大災害になるのです。

弊塾は緊急時の取り決めとして、下記のルールを徹底し、

新規入塾の際にはハザードマップをお渡しした上で、

必ず「緊急時の対応」についてお伝えしています。

〜〜〜〜〜

保護者各位

【重要】個別教育フォレスト 緊急時対応のお知らせ

いつもお世話になっております。当教室では、震災等、

万が一の場合の対処として下記のように行動いたします。

ご承知おきくださいますようお願いいたします。

緊急時(災害発生時)の対応

万が一、授業中・通塾中に災害等が発生した場合、

下記の避難場所へとお子さまを誘導いたします。

状況によっては、連絡が取り難い状況になる恐れがあるため、

一律にご家族への連絡をせずに誘導いたします。

また、近くにお住まいの生徒さまであっても、例外なく一度避難場所へ誘導いたします。

避難後、ご家族の方と連絡がつくまで、避難場所から移動いたしません

(但し、警察・消防・自治体等の指示があった場合には、それに従います)。

緊急避難場所

当教室の避難場所は、「長尾南小学校(指定避難所) 」といたします。

災害発生時には、こちらへお迎えをお願いいたします。

〜〜〜〜〜

不謹慎かもしれませんが、他国からミサイルが飛んでくるリスクもゼロではないと思います。

いろんな危機の可能性がありますので、

「連絡がつかない場合は、ここに行く」という認識を保護者さんに持っていただくことが、

塾としての最低限の危機管理ではないでしょうか。

10年ほど前まではこうしたルール設定は行っていなかったのですが、

弊社セミナー等でもお世話になっている株式会社ZEST・林大輔代表に

「緊急時の避難場所のルールは必ず作っておいたほうがいい」とアドバイスを受け、

心を入れ替えて策定したのです。

当時、林代表は複数の教室を運営しておられましたが、

だからこそそうした視点や危機感が持てたのかもしれません。

生徒さんや社員さんへのことを考えての意識の高さに感服した次第です。

また、授業中に地震が起きた際には、

無意識レベルで「全員机の下に入れー!!!」と言えることを、

自分だけでなく、社員や講師スタッフにも徹底しておきたいところです。

数年前、震度4ぐらいの地震が起こり、教室全体が揺れたことがあります。

しかしお恥ずかしい限りで、当時の私は何も言葉を発することもできずに、

地震が収まるのを待つことしかできませんでした。

幸いにして何の被害もありませんでしたが、それは結果論です。

もし天井から蛍光灯やパネルが落ちてきたらと思うとゾッとします。

机の下に潜るだけで怪我を回避したり、生死を分けたりにつながるかもしれません。

地震が起きた際に適切な指示が出せるよう、普段から意識するよう心がけています。

みなさんはいかがでしょうか。

もし、教室としてのルールが何も決まっていないのであれば、

この記事を決めるきっかけにしてみてください。

また、ルールが決まっている塾さんも、そのルールがしっかり保護者さんや生徒さん、

社員・講師スタッフに浸透しているか再度確認してみてください。

「ルールはあるけど、みんな知らない」では、ルールがないのと一緒です。

地震や災害は起きないことを願うばかりですが、

もしもの場合の対応を今一度見直してみませんか?

【今回のまとめ】
・緊急時のルール作成は必須

・ルールはみんなが把握してこそ機能する

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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