【Vol.707(2023.07.12)】面談は準備が9割!

この時期は、夏期講習の内容提案のために、
ほとんどの個別指導塾さんでは夏期面談を実施されるかと思います。

面談では、こちらが伝えたいことやお願いしたいことも山ほどありますが、
それ以上に保護者さんのお考えやご要望などをヒアリングすることが大事です。

したがって面談は「聞く」だけではダメで、「傾聴」が基本になります。

面談後に保護者さんが「すっきりしたー!」と思っていただけることが大切なのです。

こうなると必然的に、面談時間は1時間では足りなくなります。

しかもすべての生徒さんを対象に行う場合、相当な累積時間となってしまいますので、
担当社員の負荷も相当なものでしょう。

しかし、だからと言ってここをおろそかにしてしまうと、
面談時間が十分でなかったために、
満足できる夏期講習内容の提案ができないこともあります。

必要な授業回数に対してご納得していただくことができなければ、
当然ながら実力アップや成績アップなどの結果に繋がりません。

結局は講習会の売上もダウンし、生徒さんの実力もダウンするという
誰も幸せにならない結果を招くことになります。

実際に弊塾でも、こうしたケースを何度も経験し学んできました。

それらの失敗から得た学びが「面談までにさまざまな準備をしておくこと」です。

そこで今回は、こうした「準備」について、
中3生を事例に弊塾のパターンをご紹介したいと思います。

改めて思いますが、夏期講習は「準備が9割」です。
弊塾での進め方が少しでも参考になれば幸いです!

さて、時系列で見た場合、準備は以下のような流れです。

(1)5月中旬、面談シートを生徒さんに配布、回収
 ↓
(2)6月初旬、面談シートを元に生徒さんと1on1(15〜20分)
 ↓
(3)6月中旬、高校入試説明会の動画をアップし、アーカイブで保護者さんに見ていただく
 ↓
(4)6月下旬、高校入試説明会を見ていただいた上で、三者面談を実施

(1)5月中旬、面談シートを生徒さんに配布、回収

面談シートというA3で1枚もののアンケート用紙を配布→記入→回収します。

アンケートの内容は、「中学校生活に関すること」「家に関すること」「希望する高校」
「夏休みに復習しておきたい教科・単元」「教室への要望」「将来やりたいこと」などです。

それらを細かく書いてきてもらうことで、生徒さんの状況把握を行い、
1on1を実施する際のヒントにします。

(2)6月初旬、面談シートを元に生徒さんと1on1(15〜20分)

生徒さんが書いてきてくれた面談シートを元に、教室長が1on1面談を行います。

勉強面だけでなく、普段の生活(学校や家など)や、
悩んでいることなどをヒアリングしていますが、この際も「傾聴」が基本です。

生徒さんも一人ひとり色々な思いや悩みを抱えているので、
話す(聞いてもらう)ことでスッキリしてもらえたらと思って実施しています。

短時間ではありますが、信頼関係を深めるためにも1対1で行うことが非常に効果的です。

(3)6月中旬、高校入試説明会の動画をアップし、アーカイブで保護者さんに見ていただく

Zoomを使って高校入試説明会を行います。

ただし、時間を指定してリアルタイムで実施するのではなく、
あらかじめ録画しておいた40~50分ほどの動画をアーカイブとして後日配信する方式です。

高校入試説明会では、地元の兵庫県公立高校入試や私立高校の仕組みに加え、
夏休みの過ごし方や2学期以降の進め方などを盛り込んでいます。

この動画では、全員に共通するような大枠の事項を説明することを心がけています。

後日行う三者面談時に、同じ内容を何度も説明する必要がなくなりますし、
そのぶん個別の事案に時間を避けるので、必然的に満足度の高い面談になりやすいのです。

ちなみに弊社有料会員のみなさんには、この動画のアーカイブや資料を提供しております。
ご興味のある方は、来春に募集する際、ぜひご検討ください。

(4)6月下旬、高校入試説明会を見ていただいた上で、三者面談を実施

(1)〜(3)をすべて実施した上で、三者面談を実施します。

こちらが伝えたい内容は、事前に動画視聴してくださっている状態ですので、
保護者さんの話を聞くことに集中できる状態です。

保護者さんも我が子のために必死に日々向き合われているが痛いほど伝わってきますし、
その気持ちに応えるためにも、悩みをしっかり聞き出し、共感するように心がけています。

そうした話を聞いた上で、生徒さんとの1on1でヒアリングした
「夏にやっておきたい教科や単元」も加味した、個別カリキュラムの提案を行うような流れです。

弊塾での夏休みや2学期以降の取り組みも事前に把握していただいているので、
夏期講習の個別カリキュラムの提案も、ご納得いただけるケースが多いです。

いかがでしたでしょうか。

全体的に言えるのは、こちらの要望を一方的に押し付けるだけの面談にならないように、
しっかりと準備をして、保護者さんや生徒さんの話を傾聴できる環境になっていることです。

特に受験学年は、伝えないといけない情報が多すぎるので、
30〜40分の面談ですべてを行うことは困難だと思います。

しかし、面談までの準備をしっかり行っておけば、面談自体の質がかなり向上します。
雑談をたくさん組み込めるぐらい、時間的余裕があるのがベストですね。

保護者さんにとっても、私たちにとっても、
お互いがハッピーになれる仕組みではないでしょうか。

ポイントは、面談だけですべてを完結させようとしないこと。
面談に至るまでの準備がキモなのです!

【今回のまとめ】
・面談前の準備がすべて
・面談で伝える量が多すぎると、消化不良になりやすい

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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