【Vol.720(2023.08.25)】退塾防止には「1on1」がオススメ

今週、知人の塾長さんたちから
「退塾が止まりません。どうしたらいいですか」とご相談がありました。

しかも2日連続です。

弊塾も決して退塾がゼロなわけではありませんが、
それでも何か力になれたらと、弊塾で行っている取り組みをお伝えしました。

なんとかうまくいけばいいのですが……

しかし、もしかすると同じお悩みを抱える塾さんもいらっしゃるかもしれません。

そこで今回はこの場を借りて、その際に塾長さんにお伝えした
アドバイスの一つをシェアしたいと思います。

まずはこちらをご覧ください。

私のオリジナル計算式ではありますが、「退塾係数」にまつわる考え方です。

【退塾をなくせば、生徒は増える(Vol.708/2023.07.14発行)】
https://r-partners.jp/817/

みなさんの塾では、退塾係数はいかがでしたか?

このメルマガでもお伝えしているように「退塾は半年前の通知表」です。

退塾は突発的に起こるものではなく、
積もり積もった不満や不信感が噴出する形で現れるのが一般的です。

つまり、現在出てしまっている退塾は、
半年前(から)のあなたの行動に問題があったと言っても過言ではありません。

それを前提に今回おすすめしたのは、「1on1ミーティング」の実施です。

1on1ミーティング(以後「1on1」)というのは、
生徒さんが教室長(社員)と1対1で話すことですね。

【1on1ミーティングとは?】
https://www.hito-link.jp/media/column/about_1on1

本来の1on1はビジネス上のもので、上司と部下で実施する仕組みです。

ただ、評価面談のようなことを行うのではなく、
上司が部下の話を聞くというスタンスなのが基本です。

弊塾ではこれを「上司と部下」→「教室長と生徒さん」に置き換えて取り組んでいます。

上記リンク先の記事でも

「1on1は部下の現状や悩みに寄り添いながら
部下の能力を引き出す『部下の育成のための時間』なのです」

と表記されていますが、まさにそれを教室長と生徒さんで実施するということですね。

また「短いサイクルで定常的に実施する」ことも1on1の特徴と言えます。

弊塾の場合、非受験生は1〜2ヶ月に1回、
受験生は2週間に1回の頻度で実施しています。

時間は1人あたり5〜15分程度です。

面談のように堅苦しい感じではなく、フランクに「最近どう?」みたいな感じですね。

今の時期であれば、受験であれば志望校の確認や学習進捗に加え、
今困っていることや悩んでいることがないかを聞き出します。

ここで大切なのは、本人が喋りやすい環境を作ることです。

尋問のようになってはいけませんし、こちらが一方的に話していても、
生徒さんが持っている悩みにたどり着くことはできません。

話す割合は生徒さん:教室長=8:2ぐらいになるような問いかけをして、
生徒さんから情報を引き出します。

もちろん、雑談も行います。

最近嬉しかったできごとや学校でのこと、家族のことなど……
雑談から得られる情報は意外と重要だったりするので、
それらをしっかりメモして管理しておきます。

そして、次回の1on1を行う際、前回メモした内容を踏まえた上で実施します。

「前回はこんなことを言っていたけど、今はどんな感じ?」という問いかけをすることで、
1on1が点ではなく、線としてつながっていきます。

生徒さんからしても「前回の内容を覚えていてくれておた」と嬉しい良い気持ちになりますし、
信頼関係が増すことにもなりますので、話した内容は毎回メモするようにしておきましょう。

また、1on1を行うことで、違う場面でも効果を発揮します。

それは保護者面談です。

弊塾では年3回、長期休み前に保護者面談を実施するのですが、
その際に1on1で話した内容を保護者さんにお伝えすることが多々あります。

年頃の子どもたちは、自分に起こっていることや考えていることを、
いちいち全部親に話すことはしません。

1on1では話しても、保護者さんが知らないことはたくさんあるのです。

そうすると、保護者さんからすれば「こんなに我が子のことを理解してくれている」と
感じていただけこともあるのではないでしょうか。

それが顧客満足から顧客感動へとつながっていき、
退塾を減らす要因となっていると私は感じています。

もちろん、1on1を行ったからと言って退塾を100%防ぐことはできないかもしれません。

しかし少なくとも、現在1on1をされていない塾さんが行えば、
退塾数を劇的に減らすことができるはずです。

それぐらい効果的な方法だと感じています。

あとはいつものことながら「やる」か「やらないか」だけ。

「やろうと思っているけど時間が……」と言っている限り、退塾は止まりませんよ!

そもそも、「退塾」という、塾として最も避けたいトラブルが目の前で起こっているのに、
その対応を後回しにする理由なんてないですよね?

退塾を減らしたい・なくしたいのであれば、今の教室運営を改善する必要があります。

ですから、ぜひ明日から、いや今日からでも、
目の前にいる生徒さんと1on1をやってみてください。

今すぐ効果が出る仕組みではありませんが、やり続けることで、
半年後には目に見えた成果となっているはずです。

計算トレーニングや英単語の暗記と同じです。

継続すれば、いつかは結果となりますよね。
生徒さんにいつも伝えていることを、私たちも実践していきましょう。

1on1、とにかくおすすめです!
実施されていない塾さんは騙されたと思ってやってみてください。

【今回のまとめ】
・1on1で生徒さんの悩みや考えをしっかり引き出す
・その積み重ねで、退塾は減らすことができる

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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