【Vol.733(2023.10.11)】ひと手間加えて、売上アップ


今回は、弊塾で行っている地味な(?)取り組みを2つお伝えしたいと思います。
ちょっと一手間加えることで、売上がアップしている事例です。

では、一つずつ具体的にお伝えしていきますね。

(1)5週ある時は5週請求

当メルマガで以前にも取り上げたことがありますが、
めちゃくちゃシンプルかつオススメの方法です。

タイトルそのまんまですが、
「通塾する曜日が5週ある月は、5回請求する」というシンプルなものです。

塾さんによっては、「週1回=月4回」という固定概念やさまざまな理由から、
1~28日は営業、29日~31日は回数調整でお休みといったルールもあると思います。

私たちにとってはそれが普通という感覚もあるかもしれませんが、
これって、生徒さんや保護者さんからすると謎ルールでしかありません。

週1回で通塾する生徒さんだと、22日の次回授業は翌月5日です。
まるまる2週間空く計算です。

もし、その翌月5日を体調不良などで休むことになれば3週間も空くことになります。

これではコミュニケーションがどんどん希薄になり、退会予備軍入りです。

ですから、できる限り5週ある場合は5回授業を実施し、
そのぶんしっかり請求するという形が、
生徒さんにとっても私たちにとってもハッピーなのです。

売上で見た場合でも、月4回固定の場合は年48回(月4回×12ヶ月)です。

しかし、5週目も請求することができれば、
計算上は年52回(365日÷7日=52週…1日)となります。

お正月とゴールデンウィーク週の2回分を抜いたとしても50回です。
ちなみに弊塾の年間カレンダーでは51回実施できる計算となります。

48回が50回になるだけで、売上は104.2%です。

これをたった4%しか増えないと思うか、
4%も増えると思うかは価値観の問題かと思いますが、
私はめちゃくちゃ大きいと思いますよ。

同じ運営をして売上3,000万円と売上3,126万円であれば、どちらを選択しますか?
せっかくなら後者の方がいいですよね。

売上もアップして、生徒さんの通塾間隔を開けず、
コミュニケーションの機会が増えるなんて、本当に素晴らしい仕組みだと思います。

請求の際に、生徒さんの「4回請求」か「5回請求」かを割り振るのは少し面倒ですが、
得られるメリットの大きさと比べればたいしたことではありません。

なお「生徒さんの通塾曜日を把握できてない」ようではダメですよ!

大手さんやFC塾さんだといろいろな縛りがあるので厳しいかもしれませんが、
個人塾や5教室ぐらいまでの小中規模の個別指導塾さんだとすぐにでも取り掛かれます。

ちなみに、来月11月は水・木が5週ありますが、
仮に水・木の週2回で通塾する生徒さんだと、8回請求ではなく10回請求になりますよ。

もちろん、月に5回授業を行う場合もある旨は、
入塾の際に書面や年間の開校カレンダーなどでしっかり伝えることが大切です。

知らなかった・聞いていないというのはトラブルの元になりますからね。

「自塾はこういうルールです」と一言伝えておくだけですので簡単です。

前職時代から18年間この形で運営していますが、
「どうしてですか?」とか「それでは困ります」と言われたことは一度もありません。

授業をした回数だけ請求するという、いたって当たり前のことですから。

ただ、休校日にも関わらずむりやり開校して5回請求するのは
「休みなのになぜ?」となり、非常に感じが悪いので避けましょう。

(2)期末テストは12月分を前倒しして手厚く対策

弊塾周辺の中学校は、2学期の期末テストが11月下旬にあります(高校は12月上旬)。

特に中3生に関しては、内申点に関わる重要なテストです。
(※兵庫県は、中3の1・2学期の成績が内申点に直結します)

塾さんによっては、定期テスト後1週間分の授業を前倒しにして、
テスト前に実施することで対策をされる場合もあると思います。

弊塾も基本的にはそのスタンスです。

しかし中3生に関しては、是が非でも
この2学期に好成績を収めてもらうことが大切ですので、
テスト後の1週間だけでなく、12月分の通常授業も前倒ししています。

もちろん保護者さんへの告知やご理解を得てからの実施ですが、
保護者さんも2学期が大切なことはご存じですので、
基本的には前向きに協力していただけます。

極端な話、12月分の通常授業8回を期末テスト前に使うことができると、
数学や英語はもちろん、通常授業ではない理科や国語の対策も行うことが可能です。

「あと1~2回、授業ができれば伸ばせるのに……」
「理科や国語の授業をやりたいが時間が……」といったジレンマにも対応できます。

もちろん12月分すべての回数を前倒しする必要はなく、必要な回数分だけで大丈夫です。

弊塾では、中3生は12月2週目から冬期講習に突入しますが、
冬期講習会の請求は「冬期講習の必要回数-12月分の通常授業を引いた回数」です。

したがって、前倒しした回数分が実質上の冬期講習会費用アップとなります。

例えば冬期講習30回、12月分の通常授業が8回、前倒し分が5回だとすると、
「30回-8回=22回」ではなく、「30回ー通常授業の残り3回=27回」という仕組みです。

この形で進めることによって、テスト前の追加指導の提案が不要になります。

追加指導となると、ご家庭によっての判断も分かれますので
「うちは結構です」となると、テスト前の授業も回数制限が優先されてやりにくくなります。

無料で補習といった形になると、教室負担しかありません。

誰も得しない仕組みですので、無料補習は個人的にはお勧めできません。

保護者さんにご理解いただき、前倒しの許可をいただけることで、
塾側も非常にスムーズな運営をすることができますし、
授業を増やしたぶん成績アップにつながる可能性も高いので、
みんながハッピーになれる仕組みだと思います。

いかがでしたでしょうか。

現状の中でも、一工夫することでいろいろな考えや案が出てきます。
今回お伝えした内容も、内部充実を高める策と言っても良いでしょう。

学習塾は内部充実がすべてです。

内部充実をしっかり行い、生徒さんが辞めなければ生徒数は減りませんし、
むしろ紹介が増えて生徒数は増えます。

「生徒を入れないと!集客、集客!」と言う前に、
目の前の生徒さんや保護者さんと全力で向き合っていきましょう。

私もがんばります!

【今回のまとめ】
・工夫次第でまだまだ教室改善ができる
・塾の当たり前を当たり前にしない

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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