【Vol.747(2023.11.29)】中3継続率をアップするために必要なこと

毎年、この時期にお伝えしているテーマを今年もお伝えしたいと思います。

なぜこの時期かというと、あなたのマインドが変われば
「今からでも中3継続率がアップする」からです。

3年前の記事を毎年アップデートしてお伝えしている内容ではありますが、
伝えたいことの本質はほぼ変わっていません。

それぐらい普遍的なものだとも言えますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです!

さて、ここ数年、中学生メインだった塾さんが
高等部を設立するケースがブームになっているようです。

その流れから「中3生の継続率アップ」「高等部のつくりかた」というテーマの
セミナーも多く開催されています。

弊社でも、現在のようにブームになる前から
これらをテーマにしたセミナーやメルマガ記事を頻繁にお届けしてきたのは、
それだけ重視してきたテーマだからです。

先月も「中3継続率70%セミナー」を開催いたしました。
弊塾の継続率は毎年平均70%前後ですが、その取り組み事例をお伝えしたセミナーです。

例えば中3生が3人でも継続してくれれば、
新たに3人入会していただく労力が不要になるわけですから、
教室運営的にもとても助かります。

また、中3生10名中2名(継続率20%)が継続するのと、
10名中7名(継続率70%)が継続するのとでは、雲泥の差です。

ただし、順番を間違えてはいけません。

「生徒数・売上維持のため、継続させる」という自分の利益主体の意識では、
絶対に継続率はアップしません。

逆に言えば、ここを間違えなければ中3継続は決して難しいことではないのです。

ある程度長期的な視点で取り組む必要はありますが、
やることをしっかりやれば、高い継続率はきちんと実現できます。

弊社セミナーや研修に参加された方からも
「継続率が倍増した」「80%になった」など嬉しい報告をいただいていますよ。

当初25%だった継続率が、3年かけて55%にアップした塾さんもあります。

しかし一方で、「継続率1~2割のまま」、「全員3月で退塾する」と
苦戦なさっている塾さんもあるようです。

私はこの原因には、三つの傾向があるように感じています。

1.『非受験生の退塾数が多い』
2.『高校入試が終われば退塾すると、社員・講師が思い込んでいる』
3.『社員や講師に、高校生指導や大学入試の知識・意識がない』

ということです。

1.『非受験生の退塾数が多い』

みなさんの塾では非受験生(中3・高3以外)の年間退塾数は何名ぐらいでしょうか。
また、どのくらいであれば退塾があってもセーフラインとお考えでしょうか。

私の目安としては、こんな感じです。

<よい教室>非受験生の生徒数(年間平均)×0.05未満
<ボーダー>非受験生の生徒数(年間平均)×0.05〜0.1未満
<危険水域>非受験生の生徒数(年間平均)×0.1以上

例えば弊塾の場合、非受験生の生徒数(年間平均)は50人ですので、
50×0.1=5名がボーダーぎりぎりの目安となります。
※(参考)昨年度の非受験生の退塾数は2名(うち1名は引越)です。

1度あなたの教室でも、この目安に基づいて数値を計算してみてください。

この数と中3継続率は不思議なほど相関性を見せており、
非受験生の退塾が少ないほど中3継続率は高く、
多いほど中3継続率が低くなる傾向があります。

特に「危険水域」の塾さんの場合、中3継続率は軒並み低いはずです。

原因として考えられるのは、受験生だから、非受験生だからという以前に
結局、内部充実が図れておらず、顧客ばなれが進んでいるということでしょう。

そんな教室では、中3生の継続など言わずもがなです。
高校継続以前の話ですね。

内部充実の定義や手法はさまざまかと思いますが、
生徒さんや保護者さんに一定ラインの満足感があれば、多くの退塾は発生しません。

その不満の原因は、成績が上がらない、教室がうるさい、
社員とのコミュニケーションがはかれない、社員の印象が悪いなど、
さまざまな要素が考えられます。

つまり、塾そのものの質が固まっていない状況で、
中3継続率をアップしようとしても意味がないということです。

小手先のテクニックを使って目先の結果(継続率)が出たとしても、
それは塾としての実力や魅力に起因しない一過性のものです。

厳しい言い方になりますが、「たまたま」なんですよね……

たぶん、生徒さんたちが高2に上がるまでに
たくさんの退塾がでているのではないでしょうか。

中3継続率アップに裏技など存在しません。

2.『高校入試が終われば退塾すると、社員・講師が思い込んでいる』

次に、そもそもこちら側の人間(社員・講師・スタッフ)に、
「中3生たちは高校入試が終われば辞める」という無意識の前提があることです。

そもそも、スタッフがそういう気持ちになるのは、
後述する大学受験の指導に自信がなく、内部充実が図ることができておらずに、
生徒さんや保護者さんとの信頼関係を築ききれていないなど、
後ろめたい思いがある場合がほとんど。

つまり「高校入ってからも私たちに任せてください」と自信を持って言えないということです。

少し考えていただきたいのですが、小6生が新中1になる際は自然と継続しませんか。

それはみなさんの中で「うちは中学部に自信があるから、卒業しても今までお任せください」
という強い思いが前面に出ているからです。

継続するのが当然である、と思っているということですね。

その思いは、普段のさまざまな言動ににじみ出ます。

それが生徒さんや保護者にも安心感として伝わり、自然と継続するのです。

それにも関わらず、中3→新高1のときには継続しないのは、
こちら側の自信のなさや意識の低さに問題があるといっても過言ではありません。

「高校でも3年間、私たちが自信を持ってサポートします」というマインドになることで、
飛躍的に継続率はアップするはずです。

ただ、このマインドになるためには、自塾の高等部に自信あるという状況が必要となるため、
大学入試の知識や合格できる仕組み作りを確立することが大切です。

「高校生になってもサポートする自信がある」と心から言える
社員・講師スタッフを育てていきましょう。

3.『社員や講師の高校生指導や大学入試の知識・意識がない』

高等部という看板を掲げているのに大学入試の知識やノウハウがなく、
「とりあえず中3生を継続させておく」というのでは、もはや詐欺に近いです。

と言うか詐欺です。

保護者さんは、私たちが持つプロの知識や技術への対価として、
安くない月謝を払っていることを忘れてはいけません。

もし、それでも高等部を作ってしっかり頑張ろうと思うなら、
大学入試のノウハウや知識を取り入れて、
「他塾なんかにいったら、この子が不幸になる。自塾がしっかり3年間見届ける!」
と言い切れるぐらいの覚悟で勉強をしましょう。

ポイントは、生徒さんが進路指導で悩んだ際に、
「高校の進路指導の先生より信頼され、相談される先生になる」ことですかね。

書籍はもちろん、YouTubeでも大学入試の情報はたくさん手に入れることができますから、
日常的に勉強を続けることが大切です。

例えば、現高2から共通テストがアップデートされます。
出題時間や範囲も変わり、科目名も大幅に変わります。

こういったことを知っておくのは当たり前です。

共通テストをどうクリアしていくのか、私大対策の年間カリキュラムをどう立てていくのかなど、
しっかりと道筋を立てて伝えることが必要です。

中学生の生徒さんには、高校受験に向けて
きっちりスケジュールを組んでサポートしてきましたよね?

それと同じことを、大学受験でもできるようにしましょうということです。

いかがでしたでしょうか。

中3継続率をアップするのであれば、
自塾の本質からしっかり見直しをする必要があります。

「高校継続キャンペーン、4月無料」なんてやったところで、焼け石に水ですよ。
続けてくださる生徒さんや保護者は、キャンペーンがなくても継続してくださるので。

今からでもまだ間に合う部分はたくさんあるはずです。

また、もし今年度の継続が振るわなくても、
来年度の1年間をかけて勉強すれば知識を増やすことは可能です。

教室内部充実の徹底や大学入試の知識を取り入れ、
生徒さんから「高校になってもお世話になりたいです」と
言ってもらえるような教室を作っていきましょう。

おすすめは、弊社が不定期で開催している
「中3継続率70%セミナー」
「高等部つくりかたセミナー」
にご参加いただくことです(笑)。

来年度も企画していきますので、ぜひご参加ください!

【今回のまとめ】
・中3継続をアップするには、教室全体の改善が必要
・誰のための継続なのか、本質に立ち返る

この情報をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

目次