【Vol.773(2024.03.01)】意外!?不登校の理由1位は○○!

今も大きな社会問題の一つとなっている、子どもたちの不登校。

昔と比べ「何が何でも学校へ行くべき」という考え方は減ってきている一方で、
不登校がその先の人生に与える影響を考えもせず、
安易に「行きたくなければ行かなくていい」はあまりにも無責任だという声もあります。

そうした子どもたちの学習をサポートできる存在として、
塾を含む私教育の責任や影響も大きくなってきました。

弊社は通信制高校サポート校も運営しているので、なおさら強く感じます。

みなさんの教室でも、不登校状態にある生徒さんや、
不登校経験者の生徒さんがおられるかもしれませんね。

ところで、子どもたちが不登校になる理由で、
何が最も多いかって考えられたことはありますか?

おそらく「いじめなど友人との交友関係に悩んで」と想像される方が多いと思います。
私もそう思っていました。

ところが近年の調査によると、
友人よりも「先生との関係性」がトップになっていることが分かったのです。

<不登校のきっかけ1位は「先生との関係」>
https://www.tokyo-np.co.jp/article/302133

記事を要約すると、学校にいきづらいと思い始めたきっかけとして
最も多かったのが「先生との関係」(36%)。

次いで「勉強は分かるけど授業が合わない」(35%)、
「学校システムの問題」(28%)となっています。

なんと、友人を起因とするものはトップ3にも入っておらず、
2位も3位も、言ってみれば先生・学校に原因があるとする回答です。

一方で、同じ質問をかつての不登校経験者(30~50代)に聞いたところ、
トップは「友達との関係」だったそう。

明らかに、以前とは様相が変わってきています。

また、調査を行ったNPO団体が開いたシンポジウムでは、
教員があまりにも多忙で、一人ひとりの児童生徒と密なコミュニケーションが取れないことが
一因ではないかという意見も見られたようです。

学校の先生の能力が劣るのではなく、物理的な問題でその場が不足しているわけです。

これをふまえて、私たち塾にできることや、意識すべきことは何でしょうか。

仮に、先生方の業務過多でディスコミュニケーションが起こっているのだとしたら、
子どもたちが求めているのは「繋がり」、しかも安心できる「信頼関係」だと考えられます。

つまり「信頼できる大人」の役割を、塾が果たすということです。

基本的に塾とは、学校教育を補完しながら教育サービスを提供する事業体であり、
成績が上がったり、志望校に合格できたりといった成果は大前提となります。

極論すれば、それが果たせていればビジネス的なミッションは完了しているということです。

仮にAI教材、映像授業でもそれを果たすことは可能だとすると、
塾の先生はいらないということになってしまいますよね。

もちろん「信頼できる大人」の存在も不要です。

しかし、それでも生徒さんたちが塾に通うのはなぜでしょうか。
成績が上がること以外のプラスアルファを求めているからではないかと思います。

保護者さんも生徒さんも「成績さえ上げてくれればいい。余計なことはするな」という
考え方の人は少数派でしょう(確実に一定数は存在ますが……)。

しかも、不登校が学校の先生との関係に起因しているのなら、
子どもたちは悩みや苦しさをどこで開放すればいいのでしょうか。

やはり塾がその受け皿になることは大切だと思います。

一方、学校の場合は「不登校」と呼びますが、塾にも似たようなことは起こりますよね。

教室に行きたがらなかったり、うそをついてサボったり。
それの行きつく先が「退塾」です。

ここで改めて考えてみたいのは、
「じゃあ生徒さんたちはなぜ教室に行きたくないのか」ということです。

もちろん、単なる怠けぐせとか「今日は気分が乗らない」みたいなものはあるでしょうし、
その程度であればガツンと叱咤激励すれば済むことです。

しかし、それが理由でないのだとしたら、この構図は、
学校の不登校と同じではないかと考えることもできると思いませんか?

つまり、「先生との関係」「勉強は分かるけど授業が合わない」「学校(塾)システムの問題」
といった理由が、そのまま当てはまるかもしれないということです。

生徒さんの成績が伸び悩んでいる、通塾態度が良くないなど、
様子がおかしい部分が見られるのであれば、
そこに講師や教室長・塾長との関係性が影響しているかもしれません。

成績が伸び悩んでいること自体は結果であって、悩みの本質ではないかもしれませんしね。

ある意味で、生徒さんのSOSなんです。

いまいちど貴塾でも、生徒さんとの関係性やコミュニケーションを見直してみませんか?

【今回のまとめ】
・不登校の原因が、友人関係から教師との関係に変わってきている
・もう1度、生徒さんとの関係性を見直してみよう

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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