【Vol.831(2024.09.25)】講師面接で大切にしていること

先日の当メルマガにおいて、
「採用時期をずらせば、人材確保は捗る?」というテーマでお届けしました。

全国的に教員採用試験の時期が前倒しされつつあることを受けて、
時期を早めて早めに確保しようといった小手先のテクニックではなく、
教員(ひいては塾講師)という仕事の魅力を高めることなど、
本質をしっかり見直さないといけないという内容です。

よろしければ再度ご覧ください。

【採用時期をずらせば、人材確保は捗る?】
https://r-partners.jp/1279/

これをふまえ、今回も採用について考えてみたいと思います。

テーマはズバリ、「採用・面接で大切にしているポイント」です。

みなさんにとっては釈迦に説法かもしれませんが、
弊塾で講師面接の際に大切にしている部分をお伝えしますので、
少しでも参考になる部分があれば幸いです!

まず、弊塾の講師採用について現状をお伝えすると、
採用率は毎年わずか数パーセントという非常に狭き門です。

毎年50件前後の応募がありますが、非常に厳しい選考基準のもと、
採用に至るのは2〜3人しかいません。

そのためには、講師応募数という母数を増やすことが必須で、
私もそこに命をかける思いで取り組んでいますが、これについてはまた別の機会に。

その甲斐あってか、おかげさまでたくさんの応募をしてもらえているので、
おそらく一般的な塾さんに比べて、強気な選考を行うことができていると思います。

「面接は最初の3秒で決まる」という話は有名ですが、弊塾もまさにそうで、
3秒で不採用になる確率が70%を超えるくらい強気です。

せっかく来てくれた方を無碍にするわけにはいきませんので、
面接は最後までしっかりと行いますが、結果は最初の時点でほぼ出ています。

ちなみに、実際に3秒で不採用になる人の条件とは、こんな感じです。

・面接時間の10分以上前に来る
・連絡なしで遅刻する
・「こんにちは」を言わない
・名前を名乗らない
・笑顔がない
・もぞもぞ話す
・見た目が微妙(誤解のある表現でニュアンスが難しいですが、中高生が引かないかどうか)
・こちらが話しかけるのを待っている

それが人としてダメだとか、人格や能力の全否定をするものではありませんが、
少なくとも弊塾(が求める人材像)としてはご縁がなかったということです。

これらに該当しない3割の人に対しては、ほんの少し期待をして面接を続けます。

面接での質問事項は、志望動機や自己PR、どんな先生になりたいかなど、
ごく一般的なものばかりですが、この質疑応答において下記のようなタイプ人も
残念ながら不採用となります。

・こちらが話しているのに、話を被せてくる
・抑揚がない
・弊塾のことをまったく調べてこない
・採用される前提で話してくる
・自分はすごいとアピールしてくる
・教室長が生理的に無理(申し訳ないですが、これは相性なので仕方ありません)

あくまでも弊塾(教室長や私)の感覚によるものなので、
みなさんの塾に当てはまらないケースもあるかもしれません。

しかし、私たちは個別指導塾において講師が商品だと考えています。

そのため、人格的にも学力的にも優れた講師を採用したいのです。

ときには、「私(教室長)を生徒さんと思って、初めて習う不定詞の説明をしてください」など、
面接中に即興で授業をしてもらうこともあります。

もちろん、ここでいきなり良い授業ができるなどとはまったく思っておらず、
いきなり「指導してください」と言われたときのリアクションを見ることが真の目的です。

呆然とする人、びびる人、チャレンジする人、無難にまとめる人などさまざまですが、
こういうところで本音や本質が見抜ける場合もあります。

例えば「長所はチャレンジ精神があることです」と言っておきながら、
急に授業を振られると「ちょっといきなりは無理です……」みたいな感じだったら、
矛盾があるので不採用です。

これらの面接をいい感じでクリアした方(1割弱)は、
「もしかすると採用になるかもしれない」面々であり、私たちの期待度ももう少し高まります。

そこで2週間の研修期間、2ヶ月の試用期間を一緒に過ごし、
面接では見抜けなかった部分がないかどうかを確認していくのです。

特に試用期間内で見極めようとしているのは、「生徒に興味があるか」
「自分のことばかり考えていないか」「私たちやベテラン講師に興味があるか」など。

こうした部分に関しては、実際に一緒に働いてみないと分からないですし、
面接ではいい感じと思っていても、蓋を開けたら「あれ?」みたいなことはよくあります。

実力より自分を盛って見せようとしたり、
私たち社員に気に入られようとするゴマスリみたいなキャラだったり……

言わば、お互いの信頼感の見極めと構築をするのが、試用期間といったところでしょうか。

2ヶ月の試用期間で「この先生はめちゃくちゃ良い!」と私たちが感じることができれば、
文句なしで1年間の本採用となります。

いきなり1年の雇用契約を結んで、実はトラブルメーカーだったら目も当てられません。
そういう意味でも、試用期間などのステップを踏んだ雇用制度にするのはおすすめです。

以前に何かの記事で読んでことがあるのですが、
過去に3万人以上を面接していた人事の神様みたいな方でも、
2割は失敗しているそうです。

もちろん私たちも完璧な人間でありませんから、
面接だけで人を見極めるのは事実上不可能です。

むしろ、本当は素晴らしい人財を見抜けず不採用にしているかもしれません。

また、私や教室長は「人を変えることができる」ほどの力はありませんし、
冷たいようですが、どちらかと言うと「人は基本的には変わらない」と思っています。

したがって大学生を採用する場合は、彼らのこれまでの育ちを見て判断するしかないのです。

あとは相性面の問題で、教室長と感覚が合うかなどで判断していきます。

教室を回す教室長(や私)と相性が合わなければ、
採用した講師もかえって働きづらいでしょうし、私たちもやりにくいです。

その状況は長く続けば、周囲に伝染して教室の雰囲気も悪くなります。

自分で言うのも何ですが、弊塾は本当に妥協せずに採用・面接をしている自負があります。
教室長にも「応募数は増やすから、絶対に採用で妥協しないように」と伝えているほどです。

それができるのも、年間50件近くの応募数があるからです。

「近くに大学があるからそれだけの応募があるのでは?」と思われるかもしれませんが、
最寄りの大学からは4駅も離れていて、さらに各駅に個別指導塾が山ほどあります。

あくまで、「50件近くの応募がある仕組みを作っている」からです。

なお、応募数を増やすことの重要性やその方法ついては、
過去の当メルマガでも何度か取り上げていますし、
今後もお届けしていく予定ですのでまたの機会に。

みなさんの塾では、面接でどんな点に注目されていますか?
貴塾のおすすめ事例などがあればまた教えてください!

【今回のまとめ】
・面接は「最初の3秒」で7割強決まる
・強気の面接をするためにも応募数をめちゃくちゃ増やす

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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