【Vol.780(2024.03.27)】塾の原点!「退会をなくせば、生徒は増える」

新年度ということもあり、生徒募集の盛んな時期です。

そこで今回は、基本に戻る内容でお伝えすべく、
6年ほど前の記事を少しマイナーチェンジして、
リバイバルでお届けしてみようと思います!

6年も過ぎれば市場の動きやトレンドも変わるものですが、
生徒募集における本質は、今も昔もほとんど変わっていないと痛感せずにはいられません。

ありがたい話で、弊塾はここ2年、広告宣伝を一切行っていないにも関わらず、
お問合せをたくさんいただき、学年によってはすでに定員となりキャンセル待ち状態です。

手前味噌ですが、それができているのは、
やはり塾としての土台を忘れなかったからだと自負しています。

当メルマガでも何度も何度もお伝えしていますが、
やっぱり塾って、中身ありきだと思うんです。

ナントカ集客術とか、ナントカマーケティングといった上辺だけのテクニックで、
塾生を集めることができるかもしれませんが、それは一過性のもの。

最初は目新しかったその手法も、一般化されればまた新しいノウハウに頼るしかなく、
いわば表面を取り繕い続けるだけの自転車操業です。

やはり、「塾として質が高い」という当たり前で中心となる太い幹があってこそ、
枝葉となるビジネステクニックも活きてくるものだと思います。

もちろん、新規立ち上げの時などは、まずは自塾の存在を知ってもらうために
チラシを折り込んだり、SNSやweb広告を活用したり、
校門前配布をしたりといった広報活動は必要です。

そして、開校してからも、常に知ってもらうための宣伝をするのも大切です。

ただ、繰り返しになりますが、広告ってバランスがとても大事で、
中身がないのに宣伝に力を入れても、退塾がどんどん出るだけですし、
悪評を自分からばら撒いているようなものです。

「チラシではいい塾だと思ったけど、入ってみたらそうでもなかった」
などと、悪い評判がどんどん広まります。

問題は、そういう悪評が定着してしまうと、
広告さえも逆効果になってしまう場合があるということです。

広告すればするほど、「ああ、あの評判の悪い塾ね~」「生徒集めに必死ね」
「相変わらず、チラシで良く見せるのだけは上手ね」と、ますます問い合わせがなくなります。

もうこうなると、最悪のスパイラルです。

私もコンサルタントとして多くの塾さんから相談を受けますが、
その半分以上が結局は「生徒が集まらない」「チラシの反応がない」といった内容です。

しかし、(全員がそうではありませんが)こういった方々のほとんどが、
新しい塾生の確保にばかり執着し、
今いる生徒さんや保護者さんのことを置き去りにしがちです。

釣った魚に餌はやらないというと言いすぎですが、
入塾してくれた時点でミッションコンプリートだと思っているフシがあります。

ですから、私がこうした相談を受けたときにまず尋ねるのは
「年間の退会数は何名ですか」という質問です。

仮に、「生徒数が30~40名で、退会者は月1〜2名です」
なんて答えが返ってくるようであれば、心を鬼にして強めにまずこうお伝えします。

「広告宣伝云々より、まず生徒がやめない仕組みを作りましょう」と。

反応をよくするために凝ったチラシやホームページを作り、
SNSには聞こえのいいことばかり書いて、
実際の中身が伴ってないのであれば、はっきり言ってそれは詐欺です。

そう言われると、カチンとくる方も多いと思いますし、私も心苦しい気持ちもあります。

しかし、そうした指摘を客観的かつ謙虚に受け止め、
中身を改善できない・するつもりがないのであれば、塾をやってはいけないと思います。

チラシに騙されて入塾してしまった生徒さんや保護者さんを不幸にするだけです。

ずいぶんと毒を吐いてしまいましたが、こうした意識の部分はスタートラインであり、
この根っこの部分をしっかり自覚できていないと、
その後に何をやっても表面的な対策しかできなくなります。

もし「ドキッ!」とした方がおられたら、ぜひ意識なさってみてください。

やはり、生徒数を増やしたいと思うのであれば、
まず生徒さんが辞めない教室作りから始めてみましょう。

単純な話で、生徒さんが辞めなければ生徒数は減らないのですから。

成績をアップするためにどうすればいいか、
生徒さんが通いやすい塾にするためにはどうすれば良いか、
保護者さんに満足してもらえるように私たちがどう接していくか。

やり方はいくらでもあるはずですし、
何度も何度も掘り下げ、突き詰めていけば、退会は必ず減ります。

これを続けることで、塾の評判が良くなり、紹介の問い合わせも増えるはずです。

そして、この状態でチラシを入れれば「あっ、あの評判のいい塾だ」ということで、
チラシや広告のレスポンスも飛躍的にアップします。

「退会が3名出たら、入会を3名増やせばプラマイゼロ」という発想は今すぐ捨ててください。

それはプラマイゼロではなく、明らかにマイナスなのです。

私たちが日頃するべきことはいたってシンプルで、

=====
・今いる生徒さんが辞めないようにすること
・新規入塾してくださった生徒さんが辞めないようにすること
=====

たったこれだけなのです。

あなたの塾が穴の空いたバケツのようなら、
どれだけそこに水(生徒さん)を注ごうとも、どんどん漏れて(辞めて)いきます。

しっかり補強して、入ってくる水をすべて受け止めましょう!

もちろん、そうして辞めないための仕組みを作ることがめちゃくちゃ大変ですし、
満足度を高めるのであればなおさらです。

そこは塾人としてのプライドをもって取り組んでいきましょう。

いかがでしたか。

当メルマガでもいつもお伝えしていますが、
集客とは「お客を集めるのではなく、お客が集まる」ことだと思います。

これからどんどん進んでゆく少子化の時代、人が集まってくれる中身を作らない限り、
あなたの塾の未来はありませんよ。

厳しいですが現実です。

一緒に頑張って内部充実を高めていきましょう!

【今回のまとめ】
・中身がないのに、広告や集客に走ってもダメ
・退会を減らす(なくす)仕組みに命をかける

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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