【Vol.639(2022.11.16)】厳しいルールを変えるか否か

弊塾は1(講師):2(生徒)の個別指導塾です。

指導方法はオーソドックスだと思いますが、もし他塾さんとの違いを挙げるとしたら、
「ルールが厳しい」塾だということではないかと思っています。

特に高3生はガチガチにルール化しています。

下記をご覧ください。
このルールを守って1年間頑張ることを約束してもらう誓約書(の内容)です。

======================================
誓約書(新高3生用)

[ルール・禁止事項 一覧]※確認したら□にチェックしてください。
<自習室>
□自習室の私語は、休憩中も含め厳禁(一人で通塾している人に迷惑なので)。
□決められた週回数で自習にくること(3月9日の週より開始)
  ※3・4月は平日週3回、5月は平日週4回、6・7月は平日週5回、8月以降は週6回
  ※但し、他塾や習い事がある場合は、考慮した上で自習回数を決定する
□17時35分までに通塾し(部活がある場合は部活が終わり次第)、21時40分まで滞在すること
□正当な理由なく、遅刻しないこと
□自習中の食事は禁止(食事は休憩時間中に。適度な水分補給は可)
□自習中に缶のプルタブを開けたり、缶のフタを開けたりしないこと
□自習中はスマートフォンや菓子類はカバンの中に入れること(ポケットの中も不可)
□入室後、買い出し等の途中退出は一切禁止(所用がある際は許可を申請すること)
□自習中は無意味に立ち歩かないこと
□自習中、音楽を聴きながら勉強することは禁止する
□自分で決めた自習日に休まざるを得ない時は、前日までに理由と共に報告すること

<全般>
□課題テストを期日(毎週土曜日19時まで)までにこなすこと
□課題テストが追試の場合、日曜日の15時から追試を受けること
□欠席や遅刻、各種相談は、保護者を頼らずに自分で連絡すること
□トイレに携帯電話・スマートフォンを持っていかないこと
□トイレをきれいに使うこと(汚したら、清掃すること)
□自転車で通塾する場合、一番奥のスペースに駐輪すること
□自分がされて嫌なことはしないこと
□大学受験させてもらうことの感謝の気持ちを忘れず、努力を惜しまないこと
□多少の体調不良で休まない
□無意味に遅刻しない
□社員・講師・保護者に対してウソをつかない
  ※1回でもウソをついた場合は、信頼関係の再構築は不可能と考え、即退塾となります

私(生徒)は、上記のルールを厳守した上で、覚悟を決め大学合格を目指します。
そのために絶えず努力することを誓います。
上記のルールに違反し、5回注意された場合は退塾になっても構いません。
2022年●月●日  生徒名 山田太郎

私(保護者)は、上記のルールを理解した上で、大学受験に向けサポートすることを誓います。
上記のルールを子どもが5回違反した場合、退塾になっても構いません。

2022年●月●日  保護者名 山田二郎

======================================

いかがでしょうか?

さらに言うと、強制自習や毎週の単語テストの実施、
テストが70点未満の場合は日曜日に追試で、
自習中は私語も一切禁止です(私語禁止は全学年に適応しているルールですが)。

内容もさることながら、「絶対に守ってもらう」というこちら側の「圧」が
にじみ出るような文面も特徴的であると思います。

もちろん、あえてそうしているわけですが、
読まれた感想、よかったらまた教えてください!

さて、この誓約書を高2の3月に提出してもらって、
高3の1年間を頑張ってもらうというのが、弊塾の毎年のルーチンです。

とは言え、先述したように内容も姿勢もかなり厳しいものです。

高3進級を前にして急にこの誓約書を見せると、
生徒さんも保護者さんもびっくりしますので、
高2の12月の段階で面談を設け、誓約書の説明を丁寧に行います。

また同時期に、各家庭に向けてオンラインで大学入試説明会を配信しています。

内容は、大学入試がいかに大変であるか、どれだけ覚悟が必要なのかを伝えるもので、
約1時間にわたって私が懇々と語っています。

その上で、誓約書に書かれている内容を理解し、
それでも「フォレスト(弊塾)で1年間頑張ります」と覚悟を決めた生徒さんだけ、
誓約書を提出してもらい、高3以降も継続して通塾していただくことにしています。

誓約書には、生徒さんと保護者さんに直筆でサインしてもらいます。
とにかく「できたら守ってね」ではなく「絶対に守ってもらいます」というスタンスです。

正直、ドン引きされている先生方も多いかもしれませんね(笑)。

これを作った私自身も、また「塾はサービス業」という観点から考えても、
かなり強烈な誓約書だという自覚はあります。

実際「私にはこの方針は合わない」と、高2の3月で退塾する生徒さんが出る年や、
誓約書にサインしたもののそれが守れず、退塾に至るケースもたまにありますしね。

また、こういった厳しいルールが時代遅れに感じることもあります。

カフェのようなおしゃれな雰囲気で、
自分のペースで勉強するスタイルが今のZ世代なのかなとも。

そのため、毎年のように教室長と
「本当に誓約書を書いてもらう必要があるのか」
「もっとルールを緩和したほうが生徒さんも通塾しやすいのではないか」と話し合います。

ルールが守れず、途中でやめた生徒さんにGoogleの口コミで悪評を書き込まれ、
落ち込んだこともありましたしね。

ちなみに書き込みの内容は「束縛がエグいー。ドMには合うかも」というもので、
的を射たコメントではあったので何も文句は言えませんが(笑)。

それでも、毎年出す結論としては、「このままの厳しいルールでいこう」となります。

最終的にこういった決断を後押ししてくれるのが、合格した生徒さんたちの声です。
合格体験談を書いてもらうのか恒例となっているのですが、

・自分は怠け者なので、決められたルールがあって良かった
・「塾に行かなければ」という気持ちになって、毎日自習室に行くことが習慣になった
・休憩時間しかスマホが触れないルールは自分にとっては良かった
・フォレストは全員が真剣に勉強しているから、とてもいい環境だった
・毎週の単語テストのおかげで、単語をしっかり覚えることができた
・なにもかもが徹底されているところが良かった
・フォレストのおかげで1ランク上の大学に合格できて人生が変わった

などなど「厳しいルールがあったからこそ頑張れた」「結果が出た」と評価してくれています。

「たら・れば」で考えることはできないので、本当のところは正直分かりません。

しかし「厳しいルールのもとで頑張りたい」、「1年間やりきりたい」という
前向きな生徒さんがいる限りは、その姿勢に報いることが使命であると考えていますし、
これからもこの体制を続けていくだろうと思います。

私たち指導者側も人間ですので、必死に頑張りたいという生徒さんに感情移入しますし、
そういった生徒さんたちが報われてほしいと思うからこそ、
伴侶のように一緒に受験の道を歩んできたいのです。

これが弊塾らしさですし、自由度の高い塾を望むのであれば、
弊塾周辺にもたくさんの個別指導塾がありますので、生徒さんも気持ち良く通えるはずです。

どちらが良い・悪いという話ではなく、これが弊塾の信念ですし、
自分に合った塾を選んでくださいということですね。

みなさんの教室でも、教室ルールというものがあると思います。

そのルールは、改訂する必要がありますか?
それとも、柱としてブレないようなルールとしてこれからも適用していかれますか?

以前に制定したままで現状と見合わなくなり、
形骸化してしまったルールなら変えてみるのもいいと思います。

どちらを選択するにせよ、今の教室ルールを振り返ってみてもいいかもしれませんね。

【今回のまとめ】
・ルールを緩和するより、ルールに乗っかる生徒さんを優先する
・そのルールの目的と意義を再確認し、継続か修正か見直しを

この情報をシェア
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

目次