【Vol.641(2022.11.23)】週1回の授業(英語)で成果を出すための工夫

一般的な個別指導塾で、中学生が週2回コースで通塾すると仮定します。

この場合、「うち1回は英語、1回は数学」という
カリキュラムにされている塾さんが多いのではないでしょうか。

弊塾もこの形です。

もちろん、週1回だけだと「絶対に追いつけない・伸びない」と判断した場合は、
英語だけで週2回、数学だけで週2回の提案をすることもあります。

しかし、個別指導塾は指導単価が集団塾に比べ単価が高く、
各ご家庭のご予算もありますから、
「週1回英語、週1回数学の週2回」を選択されるケースが多いことも事実です。

「週1回だと時間が足りない、週2回の通塾だとご家庭の負担増になる」
というジレンマを抱えながら、週1回の授業でできるだけ結果が伴うように
工夫しなければいけません。

そこで今回は、弊塾での中学英語の取り組みをご紹介できればと思います。

さて、以前にも当メルマガでお伝えしたことがありますが、
弊塾は通常授業以外の部分で付加価値をつけるように心がけています。

誤解を恐れず言えば、やはり週1回75分の英語の授業だけで、
成績や実力を伸ばすことは難しいと考えているからです。

特に、中2や中3で英単語が読めない・書けないなど、
英語が苦手な生徒さんであればなおさらですよね。

「授業中に音読してもらおうにも、単語が読めずに発音ができないから全然進まない」など、
常にさまざまな悩みを抱えながらあれやこれやと工夫しています。

それを解決すべく、通常授業に加えて実践しているのが、
「英文、音読暗唱講座」「英単語暗記アプリの活用」の2つの取り組みです。

これらを行うことで、英語の授業がスムーズに展開するようにしています。

(1)英文、音読暗唱講座

毎週月曜日に行っている無料講座(通称「マスター講座」)です。

一人1台配布しているiPadで英語の教科書本文の音声を聞き、
本文を音読・暗唱してもらうという内容ですが、
WEB上にアップされている教科書本文の音声(教科書会社公認)を
聞けるのはとても助かります。

昔は、音声CDを購入したり(しかも高い)、ダウンロードしたりと
かなり手間暇がかかっていましたしね。

また、英文の音読暗唱だけでなく、計算練習やアプリを使った単語暗記など
も1コマ(75分)の中に盛り込んでいます。

音を耳から入れ、音読することで、
今まで読めなかった単語でも読めるようになるのが大きいですね。

教科書本文に特化していることもポイントです。

生徒さんも「この英語本文、塾でやったから読める!」など、
学校の授業も分かる内容が増えて自信がつき、授業に前向きになれているようです。

個別指導ではなく、私と学生講師1名とで巡回しながら行う形式ですが、
この講座に参加してもらうために、毎週月曜は通常授業を設定していません。

これで、週1回しか英語の授業を設定できていない生徒さんでも、
実質上は週2回、塾で英語の勉強をしている形に近づきます。

おかげで参加率は95%となかなかの好評ぶりです。

(2)英単語暗記アプリの活用

英単語を暗記できるアプリを使って英単語を覚えてもらっています。
利用料(1人550円/月)が必要なのですが、こちらは塾側で負担です。

本当は、毎日10〜15分でも自宅でコツコツやってくれると効果絶大なのですが、
完全に生徒さんに委ねてしまう形だと、なかなか続きません。

私ならやりませんし(笑)、そもそも自律的な家庭学習習慣がついている子なら
塾に通わなくてもいいわけですから。

したがって弊塾では、通塾した日の授業後に15分間やってもらうことを習慣にしています。

その日の授業が数学であっても実施しますので、
仮に週2回(英語と数学を1回ずつ)回数学)で通塾する生徒さんであれば、
各授業の後の2回と、前述のマスター講座も合わせて、
週3回の英語学習の機会を持つことが可能です。

時間になおすと週3回×15分=45分ですから、
これをやるのとやらないのでは大きな差です。

また、こちらもマスター講座と同様、学校の教科書本文の英単語に特化していますので、
「学校の授業が分かるようになった」「出てくる単語の意味を(すでに)知っていた」
という流れができ、非常に好循環だと感じています。

こうした取り組みの成果か、英単語の定着度も良く、通常授業が進めやすいです。

実施前後の成績の伸び率や偏差値推移などのデータまでは出していませんが、
単純に英語学習に取り組む時間が増えているわけですから、
少なくとも通常の学習ペース(週1回の英語授業)よりも結果が悪くなることはないでしょう。

いかがでしたか?

あとは、いかにこうした取り組みを実施できる形を作るかが大切ですよね。

弊塾では

・月曜日を通常授業をなしにする
・毎週月曜日の講座に参加してもらうように告知する
・授業後15分、必ず残ってもらうに告知する

などしてきましたが、ほぼ全員が取り組める仕組みを作ることは、
簡単なようで意外と難しかったりします。

弊塾でも、この2つの取り組みが浸透しきるまでに2〜3ヶ月を要しました。

ただ、形さえ作れたらあとはそれを回していくだけですので、
産みの苦しみさえ乗り切れればなんとかなりますよ。

みなさんの教室でも、生徒さんの成績アップや学力向上のため、
あれやこれやと試行錯誤されていることでしょう。

いろんなやり方があるとは思いますが、きっとどんな形でも正解なのだと思います。

成果を出すことはもちろん大前提ですが、仮にうまくいかなかったとしても
「生徒さんの成績を上げたい」という想いを形や行動にして示し続けることは大切です。

それが、顧客満足度や紹介にもつながります。

弊塾も今の形に満足することなく、改良を重ねていきたいと思います!

【今回のまとめ】
・必要に応じて、通常授業以外の仕組みを作る
・授業外で英単語を覚えることができれば、かなりスムーズ

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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