【Vol.655(2023.01.11)】新年度に向けて(前編)

これから忙しい受験シーズンへと突入していきますが、
一方で来年度に向けた方針や施策を考えていく時期でもあります。

やることや考えることがてんこ盛りの3ヶ月になりますが、無事に乗り切って、
笑顔のゴールデンウィークを過ごしたいところです(私はこれで自分を鼓舞しています・笑)。

そこで今回は、新年度に向けて取り組みを、
前編・後編の2回に分けて、一緒に考えていきましょう。

私は年末年始を中心に、主に下記の項目について考えるようにしています。

すでにこうした取り組みをなさっている方は、
復習や再確認の意味でも軽くお読みいただければと思います!

新年度に向けた5つの取り組みポイント
〜〜〜〜〜
(1)生徒数推移&売上・利益目標
(2)学年別比率
(3)広告関連(デザイン・予算)
(4)講師採用
(5)年間カレンダー
〜〜〜〜〜

(1)生徒数推移&売上・利益目標

新年度に向けた取り組みのメインと言っても過言ではないのが、年間の生徒数推移です。

生徒推移の年間計画立案は、多くの塾さんで取り組まれているのではないでしょうか。

本当に、ここから塾運営のさまざまなことがらに派生していきますので、
しっかりと計画していきたいところです。

生徒数で売上が大きく変わりますので、当然と言えば当然ですよね。

フローとしては、まず年間の計画を立て、それを月別に分けて、
毎月の入塾数・退塾数目標を設定していくのが一般的かと思います。

また、今年度の計画に対して実数値を入れてみることで、
毎月の達成具合を確認することができます。

個人塾をされている先生の中には、
生徒数推移や収支表を作ったことがない方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、今まで感覚で教室運営をされていた方も、
ぜひ一度エクセルでちゃちゃっと作って、過去の数値も入れてみてください。

感覚に実際の数値が加われば、思い込みによる経営を減らすことができますよ。

人間、自分の都合のいいように解釈しがちですから、感覚のみに頼るのは意外と危険です。

月別の入会数(退会数)目標を立てると、
「達成するために○月はこういった取り組みを行う」という意識が持てるようになります。

例えば「新聞折込を行う」「門配を実施する」「紹介キャンペーンを行う」などですね。

数値目標を立てる際は、過去数年分の月別データを参考するといいでしょう。

私の数値設定は、それを基準に
「(めちゃ上手くいくパターン+まったく上手くいかないパターン)÷2」を心がけています。

まあ無難にという形ですね。

また、月別の入会数・退会数から生徒数推移を推測することができます。

中3継続率をどれぐらい見込むかによって退塾数や生徒数も変わりますので、
そこも念頭にしてください。

これに授業料単価と講習会費用、教材費を加えることで年間の売上が計算できますから、
授業料単価は昨年と同じなのか、全体的にアップするのかなど考えるいい機会です。

今年度と比べ数千円も大幅に単価が変わることは、値上げ以外考えにくいので、
今年度の単価を参考に「アップか、現状維持か、下げるのか」など考えてみてください。

学習塾の場合、授業料と教材が大半の売り上げを占めている場合が多いので、
売上に関してはシンプルでわかりやすい構造ですね。

売上見込みがたてば、次に支出を考えます。

大きなものでいえば、

・自身の人件費
・社員人件費
・アルバイト人件費
・家賃
・広告費

などでしょうか。

次に数万円単位の項目としては、

・光熱費
・教材
・備品
・コピー代
・電話代
・税理士費用
・社労士費用

あたりですね。

アルバイト人件費は変動費ですので、売上に対して変わります。

1:2の個別指導塾では、人件費が売上の25%前後に収まるのが
適性と言われています(30%超えると危険水準)。

今年度・昨年度の実績を参考に、算出してみてください。

広告費に関しては、「売上の○%」という変動費で考えることもできますし、
「年間○○万」と固定費で考えることもできるので、やりやすい方がいいですね。

こうして最終的な利益が成立するわけですが、
一般的に利益は「売上-支出」という計算式で考えます。

しかし、お知らせ欄でもお伝えしております、1/24のセミナーでご講演いただく
株式会社ZESTの林大輔代表の考え方は異なります。

利益をしっかり出すためにどういう意識が必要か、ぜひ「利益セミナー」にご参加ください。

セミナーで利益の上げ方きちんと学んだ上で、改めて計画を立てることができれば、
より精度の高いものになるでしょう。

個人塾の場合、売上も支出もそんなに複雑な構造ではないので、至ってシンプルです。
一度きちんとした生徒数推移や売上・支出の目標を作ってみることをお勧めします。

(2)学年別比率

次に学年別比率です。

あなたにも「今年は中3生が異様に多い(比率が高い)」、
「中1生がやたら少ない(比率が低い)」といった経験はないでしょうか。

私はよくあります(笑)。

比率が偏りすぎていて一番困ったのは、高3生比率が30%を超えていた時です(32名)。

同じ受験生でも中3生は7〜8割継続して続けていただけるのですが、
さすがに高3生は時期がくれば全員が退塾することになります。

生徒数で言えばどんと32人減るわけですから、生徒数を維持しようとした場合、
32人に新規入会していただかないといけなかった時がかなり大変でした。

このときは、本来1~2月から始める新年度生募集を12月に早めて、
問い合わせや入塾数を増やす試みをしました。

その甲斐あってか、4月にはなんとか抜けた高3の人数をカバーすることはできましたが、
かなりバタバタした記憶があります。

また、新規生が一気に入塾してくると、
弊塾の特徴でもある静かで落ち着いた雰囲気が薄くなりがちなので、
ここを立て直す意味でも、色々と大変でした。

したがって本来であれば、1つの学年に生徒さんが偏りすぎないよう、
普段から意識をしておきたいところです。

弊塾の場合、反省を込めて生徒数比率を
「中3は総生徒数に占める割合が最大15%まで、高3は最大20%まで」と設定しています。

ちなみに新年度は、すでにこの数値に到達してしまっているので、
来年度の募集は行いません。

ホームページにも掲載するなどして、徹底しています。

【重要】新年度(2023年度)生の募集状況につきまして(1月9日現在)
https://www.kobetsu-forest.jp/info/?sc=221214_164746&actm=2023

正直なところ、「もったいない」と思う気持ちもゼロではないのですが、
目先の生徒数だけに追われると1年後に自分の首をしめることになるので、
非受験学年の生徒さんをターゲットに広告展開などを行っていきたいと思います。

いかがでしたでしょうか。

ひとまず今回はここまでです。
後半もお楽しみにしていただければ幸いです!

【今回のまとめ】
・来年度の生徒数推移をきちんと計画する
・学年別比率で異様な偏りが出ないように調整する

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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