【Vol.705(2023.07.05)】教室内の盗撮リスクを考える

誰もがスマホを持つ時代になり、悪い意味で盗撮犯罪もより身近になりました。

こうなってくると、塾でもそのリスクを考える必要があると思います。

考えるだけでも気持ち悪い話ではありますが、目を背けるわけにもいきません。
ここはシビアに対応しておきたいところです。

実は今回、このテーマを選んだのは、知人の塾で未遂事件があったと聞いたからです。

詳細はお伝えすることはできませんが、
「未遂」で済んだのは不幸中の幸いだったと思います。

また先日は、修学旅行先で男子生徒らが女子生徒の入浴を盗撮するという事件もありました。

<県立高校の女子生徒 『露天風呂』盗撮被害同じ学校の男子生徒複数人が「盗撮」と「のぞき」をしたとして処分 
学校が報告書を提出(熊本放送)>
https://news.yahoo.co.jp/articles/9195315b8ddb7e6b9be374268aee7bbc82cbdb74

余談ですが、このことに対して某著名人が
「男子生徒は(風呂を)覗けるなら覗く。当たり前だろ」というツイートをして炎上していました。

娘を持つ親としては「ふざけるな!」と言いたいところです。
もちろん、男風呂なら覗いていいという意味でもありません。

覗かれたことで精神的に不安定になり、
学校に行けないなどのPTSDを発症したらどう責任をとるのでしょうか。

もしネット上に流出でもしたら、それこそ一生モノの傷です。

塾の危機管理という意味でも盗撮防止は重要ですが、
それ以前に被害者のことを考えればこそ、やはり盗撮を許してはいけないし、
やらせない環境を作る必要があると思います。

それをふまえて大事なのは「自塾では大丈夫」と思わないことです。
足元をすくわれますよ。

特定の個人を疑えというのではなく、それこそ自然災害と同じような感覚で、
盗撮事件が起きる前提で、できる限りの対策をおこなっておくぐらいでちょうどよいです。

例えば温泉旅館が「うちには覗くようなお客さんはいないから、対策はしなくていい」
と言っていたらどう感じますか?

「いや、そういう問題じゃなくて……」と思いますよね。

有名なところでは、マクドナルドの制服にはポケットがありません。
魔が差してレジのお金をくすねようと思っても、できないようにするためです。

これも、別に従業員を疑っているのではなく
「魔が差さない」ような環境づくりをしているだけのこと。

リスク管理ってそういうことだと思いますし、
盗撮も同様の仕組みを作ることが大切ではないでしょうか。

では、学習塾で起きうる盗撮リスクを考えていきましょう。

一般的には「男性が女性を盗撮する」ケースが多いかと思いますので、
今回はこれを前提として話を進めます。

まず、現場になりやすいのはトイレです。

そして、加害者になる可能性があるのが「生徒」「講師」「社員」でしょう。

この場合、カメラをトイレに持ち込まないようにするために、
ルール作りをしておくと効果的だと思います。

生徒さんなら自習中や授業中、講師なら勤務中は
「スマホはカバンの中に入れて、電源オフにしておく」という感じです。

生徒さんやバイト講師よりも教室内を自由に動きやすいぶん、
社員の場合は、特に注意が必要です。

1教室に複数の社員がいる場合であればリスクは下げられますが、
1教室に1社員の場合、出来心を抑止するものがありません。

実際に、トイレにカメラを仕掛けて捕まった社員の実例を知っています。

取れる対策としては、マネージャーや塾長が普段から教室を巡回することを習慣化したり、
イレギュラーで教室訪問したり、悪さをする隙を与えないことでしょうか。

なお、さらに上の立場である塾長が「出来心で……」なんて、もう言語道断です。
そんな塾は今すぐ潰れてしまえばいいと思います。

ハード面で考えると、男子トイレと女子トイレを分けて設置するのも効果的でしょう。

弊塾はトイレが3つあり、「男子用」「女子用」「共用」となっていますが、
「共用」トイレに関しては細心の注意を払っています。

あとは、トイレの人の出入りがわかるように、
トイレドアを中心に写す防犯カメラをつけることでしょうか。

「カメラがある」というだけでも、出来心を抑制することができます。

カメラを設置し、塾長がスマホでライブ映像を確認できる状態にしておくと良いでしょう。

最近は、高性能なwebカメラでも1万円強で購入できますので、ぜひご検討ください。

【Google NEST】
https://www.amazon.co.jp/dp/B09WR15SYF/

盗撮や覗きは、「つい魔が差して……」では済まされない、れっきとした犯罪です。

被害者は一生傷を負って生きていくことになりますし、
加害者も「盗撮犯」という烙印を押されて一生背負っていくわけです。

自塾でそんなケースが出ないよう、最大限のリスクヘッジをしていきましょう!

【今回のまとめ】
・盗撮リスクはどの教室にもある
・盗撮リスクを下げる努力をする

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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