今回は教室運営の基本について一緒に考えてみましょう。
夏期講習前でみなさんお忙しいと思いますので、
暑苦しい内容より(笑)、シンプルかつ即実践できる内容にしてみました!
退塾が出なければ、生徒数は減りません。
減らないということは内部充実度が高い証拠ですので、
むしろ紹介などから生徒さんは増えます。
塾運営における普遍の法則ですね。
もちろん誰もが「退塾が出ない教室を作る!」と頑張っておられると思いますが、
では実際に退会が出ていない塾さんはどれぐらいあるのでしょうか。
あなたの教室では、年間あるいは月間で何名ぐらいの退塾者が出ていますか?
仮に生徒数60名前後の個別指導塾で、「月に1名ペース」だとするとかなり危険です。
1度この機会に、退塾者のリストを作成してカウントしてみましょう。
ちなみに生徒が少ないと、つい「入塾者数を増やそう」と考えがちですが、
それは裏を返せば、退塾が多いからだと言えます。
入塾数にこだわる前に退塾数にこだわらないと、
いたちごっこで、負のスパイラルが改善されることはありませんよ!
では、どのくらいの退塾数であれば許容範囲なのでしょうか。
私が目安にしている、シンプルな計算法があるのでぜひ参考になさってください。
数年前にも当メルマガでお伝えした計算法ですが、現在は少し改良しています。
まず、受験学年(中3、高3)をのぞいた
昨年度のMAX生徒数と年間退会数を出してください。
この「年間退会数÷MAX生徒数」から出てきた数値が「退会係数」です。
私が基準としている目安は以下の通りです。
〜〜〜〜〜
退会係数0~0.05・・・内部充実がきちんと出来ている塾
退会係数0.05~0.08・・・内部充実がまあまあな塾
退会係数0.08~0.12・・・内部充実が甘い塾
退会係数0.12以上・・・内部充実ができてない塾
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仮にMAX生徒数60名で退会数が6名だったら、退会係数は6÷60=0.1。
9名だったら、9÷60=0.15となります。
共に退塾数が多すぎるという評価です。
MAX生徒数が60名であれば、
年間の退会数は2〜3名に抑えるのが基本ラインかなと思いますね。
実際、集客がらみで悩んでご相談に来られる塾さんの退会係数を計算してみると、
残念ながらほとんどの塾さんが、0.12以上という結果になっています。
やはり数字は正直です。
経営者の大好きな言葉の一つに「集客」がありますが、
以前から何度もお伝えしておりますように、
「集客」とは「お客さんを集める」ことのではなく「お客さんが集まる」仕組みを作ることです。
○○マーケティングとか、××集客法とか、テクニックやノウハウだけでお客さんを誘導し、
「集めて」「買わせて」という使役系の発想は、
お客さんに対する誠実さを著しく欠いた、思い上がったメンタリティだと言えます。
絶対にここを勘違いしてはいけません。
実は恥ずかしながら私も、以前は「集客=お客を集める」だと思っていたのですが、
敬愛するコンサルタントさんから指摘を受け、猛省して今に至ります。
特に地域密着型の個人塾はなおさらこの仕組みが大切だと痛感しています。
この学びを得てからは、徹底的に内部充実にこだわるようになりました。
まだまだ完璧ではありませんが、その甲斐もあってか、
紹介やきょうだいの問い合わせをいただくことも増えましたし、
今年も含め、広告宣伝もほとんど行っていません。
たまに自塾の存在をお伝えする程度に宣伝するぐらいです。
今流行り(らしい?)LINEでの募集など知識として学び、
「ほー、なるほど。勉強になるなぁ」くらいのレベルです。
逆に言うと、最新のマーケティング知識がその程度であっても、
しっかりと塾の中身を作ることができれば、生徒さんは相応に集まるとも言えます。
仮に、頻繁に折り込みチラシを入れたとしましょう。
面白いもので、同じことをやっているにも関わらず、
評判のいい塾のチラシだと購買意欲を後押しますが、
評判の悪い塾チラシだと「生徒集めるために必死ね」という印象を与えてしまいます。
退塾がたくさん出ているのに、入塾させることばかり考えるのは本末転倒です。
穴の空いた袋に水を入れ続けているのと同じです。
まずは、穴を防ぎましょう。
穴をふさぐ(退塾を防ぐ)ことで、水が溜まっていく(生徒数が増えていく)という
シンプルな構造ですから、まずはそれを実践してみませんか。
退塾理由はさまざまで、中には理不尽な内容もあるかもしれません。
それでも数ある中からあなたの塾に期待し入塾されていたわけですから、
教室運営やあなた自身に問題があったのだと考えるべきです。
保護者さんや生徒さんの期待を超える感動を提供することで、
内部充実度が向上し、退塾することなく紹介してくださるサイクルを作ることができます。
今一度、自塾の中身に目を向けてみませんか。
これから夏期講習が始まり、普段以上に生徒さんが通塾しますから、
普段以上に生徒さんとコミュニケーションを図るチャンスでもあります。
「退塾は半年前の通知表」です。
今日、退塾が出てしまった場合は、半年前(この半年間)ので積もり積もった問題が、
今出ている可能性が高いのです。
逆に今を頑張ることで、半年後の退塾をなくすことができます。
未来の退塾をなくすためにも充実した夏期講習にしていきましょうね。
きれいごとや理想論だと思われるでしょうか?
私は決してそんなことはないと思います。
ここでひねくれたことを言っている暇があれば、家庭に電話の一本でもして、
コミュニケーションの時間を作ったほうがはるかに建設的です(笑)。
退塾が出ない教室、切磋琢磨して一緒に作っていきましょう!私も頑張ります!
【今回のまとめ】
・入塾より退塾に目を向ける
・退塾には必ず原因があり、分析をして次につなげる