【Vol.737(2023.10.25)】採算度外視でやれる強み

個人塾のいいところは「採算度外視」でトコトンやれるところだと常々感じています。
言い換えれば「自分がやりたいこと」とも言えますね。

「あー、確かに」と思ってくださる方も多いのではないでしょうか。

もちろん、決して個人塾が優れていて、
大手塾さんがそうではないと言っているのではありません。

個人塾は小回りが効きやすい特徴があるので、
それを十二分に活用するのが良いということです。

大手さんだとトップダウンで降りてくることも多いでしょうし、
新しい企画も稟議を何度も通さないといけないでしょう。

また、大手(チェーン展開)だからこそ教室の均一化・水準化も大切です。

とんがった教室をつくることにはあまり前向きでない上司も多いように感じます。

私もそうですが、大手さんに勤務したのち、独立して個人塾を作った方のほとんどは
大手では自分の思ったようにできないジレンマがあり、
それを解決したかったからだという方が多いはずです。

だからこそ、自分のやりたいことができる環境にいる個人塾の塾長さんには、
採算度外視でもマニアックでとんがった教室運営をどんどん行っていただきたいと思います。

それが地域の評判となり、内部充実や紹介の問い合わせ増にもなるはずです。

また、評判の高い個人塾があれば、周辺の大手さんも
「負けていられない」と、創意工夫をしだすはずです。

そうなることで、そのエリア全体の学習塾の質が向上し、
生徒さんの成績もアップするわ、どの塾も質が高いわで、みんながハッピーになります。

自分がやりたいことを採算度外視でやり倒すことで、
自塾生だけでなく、地域の子どもたちにもいい影響を与えることができるのです。

理想論ではなく、本当にそう思っています。

そこで、弊塾が採算度外視で取り組んでいる事例をいくつか挙げてみたいと思います。

(1)土・日・祝も常に開校(年360日開校)
(2)「英語音読・暗唱&計算練習」講座を無料で毎週実施
(3)テスト前、土・日無料勉強会
(4)1人1台、iPadを貸し出し
(5)毎週、単語・熟語・古文単語テストの実施と、70点未満は日曜に追試

過去の当メルマガ記事でご紹介した取り組みと重複する部分もありますが、
復習も兼ねてお読みいただければと思います!

(1)土・日・祝も常に開校(年360日開校)

弊塾は高校生が半数以上を占めていることもあり、
大学受験に向けて学習できる環境を整えていったところ、極限まで開校する形となりました。

「勉強したくても塾が休み」とか「土日祝は教室が開いていない」という
不満を解消することが目的です。

実際に、生徒さんも家では勉強できないと言いますし、
私も家では集中して勉強しないと思っています(笑)。

「夏休みは毎日朝から塾に通う」「学校帰りは直接塾に行く」という習慣をつけるためにも、
行こうと思えばいつでも行ける環境が大事なのです。

ただし、私が常に土日も出勤しているわけではなく、
土・日対応のスタッフに教室の開校や施錠を任せる形です。

元生徒の保護者さんでもあり、元生徒は講師もやってくれていたので、
心から信頼して任せています。

(2)「英語音読・暗唱&計算練習」講座を無料で毎週実施

中学生を対象に、毎週月曜日に1コマ(75分)、
無料で英語の教科書の音読や暗唱、数学の計算練習を行う時間をとっています。

少人数制の講座で、私と講師1名が巡回する仕組みです。

この時間に英語の教科書本文の音読や暗唱ができると、
学校の授業もわかりやすくなりますし、
塾の通常授業時間内に教科書本文の単語の確認などをしないでよくなります。

計算も毎週コツコツ行うことで、ミスも減り計算力もアップするのでいいことづくめです。

手前味噌ですが、本当に良い講座ですのでみなさんもぜひマネしてみてください(笑)。

音読で声を出すと、他で授業を受けている生徒さんたちの耳障りになるためと、
参加率をアップするために、毎週月曜日には通常授業を行わないのがポイントです。

講師の人件費はかかりますが、費用対効果は抜群ですよ!

(3)テスト前、土・日無料勉強会

定期テスト前の土・日は13:00~19:00で無料勉強会を行なっています。
高校生に関しては、その前の週も含め2週連続の実施です。

基本的には自学自習のスタイルで、
学生講師が1〜2名巡回しながら質問対応できる仕組みを作っています。

2日で12時間も勉強してくれたら、そりゃあそれなりに成績も上がります(笑)。
要は、その環境を作れるかどうかなんです。

「テスト前は勉強会があるのが普通」「勉強会に参加するのが当たり前」という
雰囲気が作れるととても楽ですよね。

この形を作り出すまでが大変かもしれませんが、やってみる価値は大いにあります。

土・日の2日間がどうしても無理であれば、1日だけでも良いと思いますし、
1日の開催時間を伸ばして対策するのも効果的です。

(4)1人1台、iPadを貸し出し

1人1台、iPadを貸出しています。

以前は数台を生徒さん全員で使い回す形でしたが、何かと手間がかかるためやめました。
生徒さんもログインしっぱなしで良いですしね。

貸出用のiPadには英単語暗記アプリなども入れていて、
自習に来た生徒さんは自分のタブレットを置き場から取り出し、勝手に使い出します。

こちらが一切関わらなくて良い仕組みですから、とてもスムーズですし楽です。

生徒さんも「自分専用のiPad」ということで満足度も高いのではと思っています。

弊塾では、コロナ禍がその兆しを見せ始めた時点でオンライン授業に切り替わると判断し、
生徒さんと講師の人数分のiPadを購入しました。

翌月のクレジット明細がやばかったのは笑い話ですが、(笑)
それ以降1人1台の形を継続することができています。

1度この仕組みにしたら、ラクすぎてもう以前の形には絶対に戻れません。

(5)毎週、単語・熟語・古文単語テストの実施と、70点未満は日曜に追試

高3生は毎週、「英単語テスト」「英熟語テスト」、
「古文単語テスト(受験に必要な人のみ)」を受けています。

いずれも25問(or50問)です。

紙ベース高3生全員がやっているのでかなりの枚数になり、
採点や点数入力もなかなか大変ですが、
その作業も前述の土・日担当スタッフにお願いしています。

ここを私や社員がやってしまうと他の作業時間がかなり削られてしまうので
能率的ではありません。

また、スタッフに一任していますので、生徒さんのちょっとした変化も報告してくれます。

「今まで80点ばかりだったが、今回100点だった」
「いつも100点とっているのに今回74点だった」といったリアルな報告をしてくれるので、
すぐに1on1面談などの対策を取ることが可能です。

生徒さんの悩みやストレスを早期に発見することもできます。

また、テストが70点未満の場合は日曜日に追試がありますが、
その対応も土・日担当のスタッフに任せているので、とても助かっています。

いかがでしたでしょうか。
これらは大手さんだとなかなかできないと思います。

採算度外視とは言うものの、それ自体が重要なわけではありません。
チャレンジが大事なのであって、採算が合うならそれで良いのです。

あと、弊塾では実施していませんが、早朝学習なども尖った仕組みの一つですよね。

やろうと思っていてもなかなか踏み出せませんが、
踏み出した塾さんはやっぱり結果がついてきていますので。

ただ、大手さんにお勤めの社員さんも、
決められた業務をしっかりこなし、時間も気持ちも余裕があるのであれば、
プラスαで創意工夫していくことはできると思いますよ。

良い意味で社員という立場に甘えれば、多少の無理をしても大丈夫です。

なぜなら会社が守ってくれますし、責任を取らなくていいからです(笑)。

しかも毎月決まった給与もいただけるわけですし、
実はチャレンジできる土台はかなり整っているのです。

その結果、会社から評価されるなら最高ですよね!

こういった取り組みができる環境にある方は、経営者も社員さんも、
ぜひいろんなことにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

自塾のレベルを上げて、いい意味で周りの塾に脅威を与えて、
切磋琢磨しながらレベルアップしていきたいですね!

【今回のまとめ】
・個人塾はなんでもできるので「無敵」とも言える
・踏み出す勇気が結果につながる

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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