【Vol.784(2024.04.10)】学生講師に伝えている「社会人の心得」(後編)

前回、『学生講師に伝えている「社会人の心得」(前編)』というテーマで、
5つのポイントのうち3つをご紹介しました。

【Vol.783(2024.04.05)】学生講師に伝えている「社会人の心得」(前編)
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とってもおじさんくさい内容だったと思いますが、これはこれで効果的なのもまた事実。

今回はその後編です。
貴塾での講師とのコミュニケーションのヒントになれば幸いです!

さて、後編では残りの2つをご紹介します。
また番外編として、講師たちに強く伝えていることもシェアしますね。

<後編>
(4)誠実に取り組み、信用を増やす
(5)20代は体力を使い切る
(番外)給与や飲み会費用は、お月謝から出ている

(4)誠実に取り組み、信用を増やす

日頃から誠実に仕事に取り組むことで、自分の信用が増していくことを伝えています。

上司は、若手社員が仕事に取り組む姿勢を常に見ているものです。

毎日コツコツとこなしている姿が評価の対象となったり、
上司の心を動かす要因になったりするので、まずはとにかく信用される人になりなさいと。

塾の先生なら特に共感いただけると思いますが、
コツコツと毎日努力している生徒さんに対しては、特に感情が入って応援したくなりますよね。

他の生徒さんと差別するわけではありませんが、
がんばっている姿を見ると心が動くあの感覚と同じです。

また、信用は短期間で築くことができるわけでなく、
ちょっとした日々の積み重ねでしか作れません。

日々コツコツとこなす姿を見せることが大切であること、
そして、信用を積み重ねた結果として、信頼されたり期待されたり、
新たな仕事を任されたりする良いループに入っていくことを理解してもらいます。

あと、信用と信頼の違いを把握していない場合もあるので、
私なりの言葉で明確にその違いも伝えます。

信用は「過去に残した実績や成果」に対する評価で、
信頼は「未来の行動や感情」に期待することだと。

「信用は過去に対するもの、信頼は未来に対するもの」というシンプルな伝え方ですね。

例えとしてクレジットカードの話もします。

クレジットカードは、基本的には歳を取れば取るほど限度額が上がる仕組みですが、
それは、社会人歴と年収が増えていくという信用が積み重なるからです。

「クレジットは信用という意味もあって、信用を積み重ねたカードなんだよ」
「だからこそ、信用をコツコツ増やすことが大切なんだよ」
「その結果として信頼され、仕事の依頼へと繋がっていくんだよ」と伝えています。

また、信用は社会人になってから積み重ねるのではなく、
学生時代の今から積み重ねていくことが大切だと話しているので、
弊塾の業務でも全力で丁寧に取り組んでくれており、嬉しい限りです。

信用を積み重ねの大切さを、学生時代のうちから知っておくことはとてもいいと思います。

(5)20代は体力を使い切る

ネットか何かで読んだ言葉で、とても共感したものがあるのですが、
それをベースに自分なりに落とし込んだ表現で伝えています。

=====
20代でモノを言うのは「体力」で、30代でモノを言うのは「技術」、
そして40代でモノを言うのは「人脈」です。

20代で「体力」を使い切らないと30代の武器となる「技術」は手に入らないし、
30代で「技術」を使い切らないと40代の武器となる「人脈」は手に入らない。
=====
というものです。

体力は加齢と共に衰えていくので、
体力が有り余っている20代の時にしっかり使い切るようにアドバイスしています。

そうしないと、30代・40代で魅力ある人間にならないし、人脈は広がらないよと。

技術もノウハウもない20代は、徹底的に体力勝負で量をこなさないと、
質を高めるができないし、得ることも少なくなります。

技術も下地があってこそ身につくものですから、ここをしっかり固めておくことが重要です。

30代・40代になって体力勝負に出ようとしても20代には叶わないし、
自分だけの時間を使いやすいのも20代。

だから、20代は徹底的に体力を使ったほうがいいよということです。

前編でもお伝えしましたように、
タイパ(タイムパフォーマンス)を重視するのがZ世代の特徴だと言いますが、
私はあえてタイパを求めず、量をこなすことを勧めています。

でも本当に20代で体力使って仕事をこなしておかないと、
30代・40代以降の生活が不安になることは火を見るより明らかです。

量をこなしておかないと質を高めることはできませんし、
自分自身が魅力ある人間になっておかないと人脈も広がりません。

さらに20代(特に前半)は失敗しても、大目に見てくれたり、周りが温かく見守ってくれたり、
むしろチャレンジしたことを評価してくれます。

40代が同じ失敗をしたら、まあまあ周りの目が冷たいですよね(笑)。

それぐらい20代は利点しかいなので、体力勝負でどんどんチャレンジし、
たくさん失敗すればいいのです。

こんな絶好機を逃すのは本当にもったいないし、
精力的に行動するようにアドバイスしています。

(番外)給与や飲み会費用は、お月謝から出ている

これは社会人への心得とは少しずれるかもしれませんが、
自身の給与や親睦会などの費用の原資は何なのかを考えてもらうようにしています。

正確には会社(塾)からなのかもしれませんが、塾の売上のほとんどがお月謝、
すなわち保護者さんが必死で働いて得たお金から出ているわけです。

だから、会社に感謝するのではなくて、
お月謝を支払ってくださっている保護者さんに感謝するように言い続けています。

だからこそ、生徒さんの成績を是が非でもアップしないといけませんし、
希望する学校に合格できるようサポートするのが自分の使命だと自覚してもらうのです。

親睦会の最初には必ずそのことを伝えてから乾杯するほど徹底しています。

こうした感謝の気持ちを持つことで、指導にもさらに精が出ていると私は感じています。

いかがでしたでしょうか。
前回分を含め、おじさんくさい内容のオンパレードだったと思います(笑)。

しかし、そんなに的外れでもないと思っていますし、
社会に出た時の上司は40〜50代比率も高いはずです。

いい意味で、40代以上の価値観を読み取って利用することで、
社会人として活躍できる可能性もアップすると思います。

もちろん、本人の努力も必要になりますので、
この両輪で楽しい社会人生活を送ってもらいたいですね。

みなさんは大切な学生講師にどんなことを日々話されていますか?
信頼関係を構築した上で、大切なことはしっかりと伝えていきたいですね。

【今回のまとめ】
・社会人の心得は、バイト学生としての就業意識も変える
・大切な仲間に、大切なことを本音で伝える

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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