【Vol.786(2024.04.17)】今の時代のアルバイト時給を考える

1年ほど前に、人件費率に関するメルマガを配信しました。

【Vol.697(2023.06.07) アルバイト人件費は、売上の●%を目安に】
https://r-partners.jp/787/

1:2の個別指導塾におけるアルバイト講師の人件費率についてお伝えした内容です。

目安として、アルバイト人件費率は25〜30%までに抑えることが
安定した教室運営をする上で欠かせません。

30%を超えている塾さんは利益が出しづらいのではないでしょうか。

さらにこの数年、インフレなどの影響もあり、最低賃金もどんどん上がっています。
振り返ってみれば、私が大学生のころの最低時給は600円台でした。

また、時給800円スタートのアルバイトで、
時給1000円を目指して、死ぬほど働いた世代です。

そのため、最低時給が1001円(兵庫県)というのに
心がついていっていないという部分も正直なところあります。

バブルが崩壊してからの失われた30年の世代ですので、
そういった固定概念が染み付いている部分も私自身変えていかないといけません。

物価もどんどん上がっているわけですから、
それに見合った賃上げをすることもアルバイト講師たちを雇っている私たちの責務です。

ただ、だからといって青天井に時給を上げるわけにはいきません。
人件費が増え、経営が圧迫されて教室が立ち回らなくなったら元も子もないですからね。

実際のところ、塾講師の求人を見てみると、
どんどん時給を上げているケースが多く見られます。

いい人財を得ようとすると時給が高いほうがいいのは言うまでもありません。

「時給は低いけど、いい人財が欲しい」というのは虫の良い話で、
しっかりお金をかけて投資する必要があります。

そのため弊塾では、昨年10月に思い切った時給アップに踏み切りました。

ポイントは人件費率が30%を超えないように設定することです。

ちなみに昨年6月(時給改定前)の時点で、弊塾の講師人件費率の理論値は23.6%でした。

【2023年6月/アルバイト講師が1日2コマ勤務した場合(両コマとも1:2/1コマ75分)】
・売上・・・1コマ4,400円×生徒2人×2コマ=17,600円 (A)
・講師人件費・・・1コマ1,560円×2コマ+休憩手当160円+準備手当480円+交通費400円=4,160円 (B)
 ※休憩手当・・・「コマとコマの間」の10分ぶん
 ※準備手当・・・「10分前出社・20分残務」の計30分ぶん
・講師人件費率・・・23.6% (B÷A×100)
※「振替や当日欠席などによる1:1の授業」が発生するため、実際は25%台

それを、いろいろと試行錯誤を重ねた結果、10月からはこのようになりました。

【2023年10月〜/アルバイト講師が1日2コマ勤務した場合(両コマとも1:2/1コマ75分)】
・売上・・・1コマ4,400円×生徒2人×2コマ=17,600円 (A)
・講師人件費・・・1コマ1,750円×2コマ+休憩手当167円+準備手当501円+交通費400円=4,568円 (B)
 ※休憩手当・・・「コマとコマの間」の10分ぶん
 ※準備手当・・・「10分前出社・20分残務」の計30分ぶん
・講師人件費率・・・25.9% (B÷A×100)
※「振替や当日欠席などによる1:1の授業」が発生するため、実際は28%台。

時給を1,248円から1,400円に大幅アップした形で、
なおかつアルバイト人件費率を30%以内に抑えた状況です。

弊塾の地元・宝塚市では、時給1,400円の塾講師はなんとか高い部類に入ります。

時給アップ(ベースアップ)の話を現講師たちに伝えたところ、
めちゃくちゃ喜んでくれていました。

そらそうですよね!私でもめちゃくちゃ喜びます(笑)。

私も経営者の端くれですから、
できることなら時給や人件費率を抑えたいと思うのは当然です。

しかし、会社の利益だけを優先してしまうと、大切な人財を得られなくなることも知っています。

特に大学生は、時給が命と言っても過言ではありません。

ですから、まずは時給が周辺他塾と同じかそれ以上の水準にしておくことが
優れた学生講師を採用できるポイントだと考えています。

それでも中には時給1,500円や1,800円などを設定している個別指導塾さんもあるので、
なかなか辛いところです。

時給1,800円にしたら、今の弊塾のモデルであれば、
アルバイト人件費率は理論値で31.6%(実質33%台)となり、教室運営に支障が出てきます。

時給1,800円でいくのであれば、同時に指導単価(月謝)の値上げが必要となるので、
慎重に進めていかなければなりません。

もし時給1,400円の求人で講師応募数が少ないのであれば、
「見栄え」となるさらなる時給アップというのも考える必要がありますが、
良い人財が確保できるのであれば、それもアリでしょう。

そして、少しでも自塾を知ってもらうために、講師募集のポスティングをするなど、
できることはコツコツとやり続けたいろころです。

人件費を上げないようにするのではなく、
人件費が上がっても大丈夫な売り上げの仕組みを作ることが大事なのだと思います。

そういう意味では、1:2の個別指導の仕組み自体を変化させていくという発想も
必要かもしれませんね。

1:3や1:4でも、1:2を同じ価値を提供できるのであれば、
講師人件費が下がり、その分時給を上げることが可能です。

しかし生徒さんや保護者さんは、
「1:2であること」を評価してくれていることも忘れてはいけません。

勢いだけで、1:2のシステムを急に変えてしまった場合、
顧客離れを起こす可能性もあります。

指導単価を上げるときやシステムを変えるときは、
慎重に時間をかけて進めたり移行したりするようにしましょう。

売上と人件費のバランスは本当に難しいですが、
みなさんは、アルバイト人件費や人件費率についてどうお考えですか。

そしてどう対処していこうと思われていますか。

【今回のまとめ】
・アルバイトの人件費率を出し、現状を知る
・時給をアップするためにどうすればよいかを考える

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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