【Vol.645(2022.12.07)】高1生の退塾を防ぐ取り組み(後編)

前回、「高1生の退塾を防ぐ取り組み(前編)」というテーマでお伝えいたしましたが、
今回は、その後編です。

私が高1生の退塾を防ぐために取り組んでいる(意識している)点は、下記の6点です。

(1)土・日無料勉強会の実施
(2)1on1セッションの実施頻度を増やす
(3)保護者さんへのアプローチ
(4)新規生や中3・高3生より、手厚くサポート
(5)週1回の生徒さんへのアプローチ
(6)高校生になったからといって、ビシビシやりすぎない

今回はこのうち(4)~(6)について解説してみたいと思います。
※(4)のタイトル名を前回から変更しています!
※(6)を新たに追加しました!

(1)~(3)に関しては前回のメルマガにて復習していただいてから、
後編にお付き合いください!

『高1生の退塾を防ぐ取り組み(前編)』
https://r-partners.jp/585/

では、早速いってみましょう!

(4)新規生や中3・高3生より、手厚くサポート

新規生がたくさん入塾してくれたときなど、何かと新規生を優先してしまうことがあります。

これについては、私も大いに反省すべき点がたくさんあります。

例えば、3月中旬~下旬には、
新年度以降の授業曜日や時間帯を決める必要がありますよね。

しかしご存知のように、この調整がかなり大変です。

2~3月で入塾してくれた新規生の座席配当もありますし、
学生講師のシフトも年度が変わる4月以降でないと確定しないケースもあり、
現塾生の座席確定さえ難しいこともあります。

そうした場合、以前は新規生を優先して座席を組むことが以前ありました。

現塾生に対して「長いこと通塾してくれているし、ちょっとぐらい大目にみてくれるだろう」
と甘えてしまっていたためです。

しかし当然ながら、現塾生の座席確定は不安定になります。

生徒さんが希望する曜日に入れることができなかったり、
「今週の授業は火曜日だったのに来週は金曜日」など、
イレギュラーなお願いをしてしまったり……

こうなると「新規生を優先している」「自分の扱いが軽い」と思うのは当然で、
中学→高校と継続通塾予定だった生徒さんが退塾してしまったこともありました。

これは本当に心から反省です。

新規生を優先したことで、続けて通塾しようと思ってくれていた生徒さんの気持ちを
蔑ろにしてしまいました。

「既存生だから多めに見てくれる」という油断と慢心に他なりません。

これ以降は、教室長ともしっかり話をして
「新規生よりも、継続してくれた高1生の座席を最優先で決めていこう」となりました。

新規生入塾したての対応ももちろん大事ですが、続けてくれた高1生への感謝を忘れず、
「あなたのことはしっかり気にかけて、大切にしているよ」
と感じてもらえるアプローチが大切です。

また、中3や高3の受験生は通塾回数が自然と多くなり接点も増えますが、
だからこそ高1のコミュニケーションを優先していきましょう。

仮に1on1の面談(雑談でも可)をする時間が一人分しかなく、
高1生と高3生のどちらかを選ぶのであれば、高1一択です!

高3生は翌日も自習に来ますのでそのタイミングでも対応できます。

限られた時間の中で、面談や1on1を行う優先の見極めがとても大切です。

もしそれらの時間がどうしても取れなかった場合は、
LINEでもいいので「気にかけてるよ」といった内容を送るのもグッドです。

LINEで繋ぎつつ、次回の通塾時には最優先でコミュニケーションを図りましょう。

(5)週1回の生徒さんへのアプローチ

弊塾では、高1になると、通塾回数が週1回の比率が増えます。

中3(受験生)のころのように毎日自習がある(=教室で会える)わけではないので、
どうしてもコミュニケーションが希薄になることに注意が必要です。

特に、中3時は密なコミュニケーションを取っていただけに、逆にギャップが際立ってしまい、
生徒さんからすると「先生との距離が遠くなった」と感じがちです。

そのため、週1回で通塾するタイミングで必ず声かけをしたり、
1on1を行ったりなど、手厚くコミュニケーションをはかるように意識しています。

高1に限った話ではありませんが、週1回しか通塾しない生徒さんほど、
通塾した機会を逃さずしっかりアプローチをかけることが大事です。

週1回通塾の生徒さんだと、風邪などで授業を休むと、
まるまる2週間も会えないことになりますしね。

また、中3から高1になった際、通塾回数が減るのは仕方ありませんが、
テスト前の土・日無料勉強会を行うなどして、授業自体は週1回の生徒さんでも、
少しでも多く通塾してもらえる機会を作るように心がけています。

あるいは、あらかじめ、高1から週2回で通塾してもらえるような
仕組みを作ることも大切です。

ちなみに弊塾では、色々と根回しや綿密な準備の成果もあり、
高1の7割前後が週2回で通塾してくれています。

(6)高校生になったからといって、ビシビシやりすぎない

高校生になった瞬間、「高校生になったのだからもうしっかり自立してやりなさい」と
良くも悪くも突き放すような形を取ると、得てして生徒さんの心は離れていきがちです。

体の大きくなった中1、あるいは中学4年生と思って接するくらいでちょうどいいです。

そう思う事ができれば、「環境も大きく変わったけど、頑張ってるね。えらいね」
といった伝え方になるはずです。

新高1は、中学生のころまでとは生活環境が大きく変わって毎日が大変です。

電車・バス通学などにもなり、通学時間が伸びる場合もほとんどです。

さらに小6→中1への進学と中3→高1への進学で大きく異なるのは、
高校には、昔から仲が良く気心の知れた地元の友達が少ないということです。

地域によって異なるとは思いますが、弊塾の地元・宝塚市ではそうした傾向があります。
1学年240人の高校で、同じ中学の出身者が10名だけというパターンもザラです。

新しく友達関係を築いていかねばならず、その心労も少なくないでしょう。

とにかく、私たちが思っている以上に、高1の1年間は心身ともに満身創痍で
ストレスがかかっている状態だと認識しておいてください。

ですから、せめて塾に来た時にはリラックスできたり、
楽しく話ができる環境を作ってあげたりすることがきちんとできれば、
「塾にいくと気分が晴れる」と前向きに捉えてくれるはずです。

いかがでしたか?

お伝えした内容は、あくまでも弊塾の取り組みですので、
あなたの教室でそのまま使えるかどうかは分かりません。

しかし、大きく差はないとも思います。

うまくアレンジして使っていただけると幸いです!

高1で継続通塾してくれた生徒さんたちは、
あなたの塾で大学入試までお世話になろうと思ってくれたわけです。

あなたも、大切な高1のみんなを大学入試まで面倒見たいと思っているはずです。

相思相愛の関係なのですから、その気持ちに応えるべく、
高校生活のサポートをしていきたいですね!

【今回のまとめ】
・高1は手厚めにサポート
・中3時に比べ通塾回数が減り、コミュニケーションが取りにくくなっていることを自覚する

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安多 秀司 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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