【Vol.764(2024.01.31)】ルールや環境作りの大切さ(中3編)

地元の兵庫県では私立高校入試が2月10日、公立高校入試が3月12日に予定されています。

そのため中3生、もう死に物狂いでめちゃくちゃ頑張っています。
1月3日から土日も休まず、28日連続通塾中の強者もいるほどです。

弊塾は学力で入塾を決めるわけではないので、
定期テストで平均点をなかなか超えることができない生徒さんから、
450点以上取る生徒さんまでさまざまな学力層の中3生がいます。

ただ、自慢ではありませんが(いや、自慢かもしれません・笑)、
中3生はどの子も例年年明けごろから勉強に対し「キレッキレ」になります。

全員が週5〜7日ペースで自習していますし、
それぞれが決めたスケジュールを黙々とこなし、鬼気迫るものがありますね。

受験前ですから自然とそういう雰囲気になる部分もあるでしょうが、
それ以上に、そうなるような環境の整備をこちらが意図的に作ることが大切です。

具体的には、ルール作りですね。

高3(大学受験生)に関するルールは、当メルマガでも何度かお伝えしてきましたが、
今回は、中3生に対してのルールや環境整備を中心にお伝えしたいと思います。

まず、弊塾でのこうしたルールは非常に厳しいです。

ルールで縛りすぎると本人の主体性が失われるのではないか、
という意見も十分理解しております。

それも一理ありますが、一方で私は「ルールや環境は人を変える」とも思っていて、
まずはルールや環境をきちんと整備することには効果があると考えています。

もちろん、ジャイアンばりに理不尽にルールを適用しているわけではなく、
これらのルールで進めていく意思は、
事前に生徒さんや保護者さんに伝えて理解してもらっています。

また、過去の生徒さんからも
「厳しかったけど、この環境がなかったら自分は絶対に合格していなかった」
といったコメントもたくさんいただいており、自信を持って適用しているルールです。

有無を言わさずいきなり押し付けるのではなく、
しっかり根回しや準備をした上での実施であることをご理解ください。

さて、中3生に対してのルールや環境整備は、主に下記の3項目ずつとなります。

<ルール>
●「平日週4日+土曜日」の週5日は最低でも通塾する(中3の12月から)
●平日は17:35〜21:00、土曜は10:00〜19:00まで必ず滞在(授業含む)
●教室内は私語禁止(全学年)

<環境>
●専用自習机を提供(夏休みから)
●その日に課せられた課題を行い、帰る際に提出する(夏休みから)
●社員デスクから中3生が見える位置で自習できるように配置

<ルール>

●「平日週4日+土曜日」の週5日は最低でも通塾する(中3の12月から)

弊塾では、中3になると強制自習が始まります。

12月からは「平日週4日+土曜日」の週5日ですが、

・5月〜夏休み前・・・平日週3日
・夏休み期間・・・「平日週5日+土曜日」の週6日
・9月〜11月・・・平日週4日
・12月〜・・・「平日週4日+土曜日」の週5日

と、段階的に自習回数を増やす形にしています(夏休み期間を除く)。

いきなり「週5日自習しなさい!」といっても、体も気持ちもついてくるはずがありません。

運動と同じで、徐々に体を慣らしていくことが大切ですので、
1年間かけて長時間の自習に耐える習慣を作るようにしています。

●平日は17:35〜21:00、土曜は10:00〜19:00まで必ず滞在(授業含む)

自習回数に加え、自習時間も決めています。

夏休みまでは部活がある中3も多いので、
部活のある日に限っては17:35以降の参加も認めるルールです。

ただ、2学期からは部活(吹奏楽部を除く)もなくなるので、みんな17:35に来るようになります。
そこから21:00まで勉強する習慣をつけておくと、次第にこれが当たり前の形になるのです。

21:00までとしていますが、キリのいいところまでやったり、
授業終了の21:40までやり切る生徒さんもいます。

「塾に行って自習しないと気持ち悪い」と生徒さんが感じるようになれば、
習慣がついたと言え、もう勝ったようなものです(勝ち負けではありませんが)。

ここにいくまでが我慢比べであり、とても大変なんですけどね。

●教室内は私語禁止(全学年)

中3だけでなく、全学年のルールです。
友達同士の軽い雑談も一切禁止にしています。

ただ、それをどれだけ伝えていても、
入塾したての生徒さんは初めのうちは「やらかす」ものですが、
改めて「教室内は私語禁止だよ」と伝えれば次回から守るようになってくれます。

私語禁止にした理由は二つあって、
一つ目は教室内で私語をする必要がそもそもないことです。

普段、学校で山ほど喋っているわけですから、塾に来てまで喋る必要はありません。
塾は勉強しに来るところであるという雰囲気を作ればいいのです。

二つ目は、1人で通塾する(友達と来ているわけではない)生徒さんを大切にしたいから。

1人で通塾する生徒さんからすると、他の子が友達同士で喋っているとうるさいですし、
ちょっと引け目を感じてしまうかもしれません。

私はこの教室には友達がいない……みたいな。

しかし私は、塾に友達がいなくても通塾する生徒さんのほうが
よっぽど立派でたくましいと思っていますので、彼らを守りたいという気持ちが強いです。

仮に「私語禁止」にしているにも関わらず、
そのルールがなあなあになっている塾さんがあるとしたら、
それは塾長の力量不足といっても過言ではありませんよ!

厳しい言い方になってしまい恐縮ですが、
ルールにした以上は、そのルールに従うというのが基本です。

<環境>

●専用自習机とiPadを提供(夏休みから)

高3には高2の3月から専用自習机とiPadを提供していますが、
中3には7月から提供しています。

教材やプリントなどを入れるための、
ちょっとした3センチほどのスタンドボックスも設置した「自分だけの自習机」です。

生徒さんたちは、iPadで英単語を覚えるアプリをこなしたり、
理社の映像教材を見たりなど、思い思いに勉強しています。

専用自習机やiPadを提供することで、生徒さんのモチベーションも基本的にアップします。
なんせ自分専用ですからね。

ただし、その分スペースを取るので、広さは必要です。

弊塾は隣同士の教室合わせて36坪ほどありますが、
その4分の3は自習スペースというレイアウトになっています。

●その日に課せられた課題を行い、帰る際に提出する(夏休みから)

夏休みから、計算ドリル・英単語暗記・歴史暗記・理社一問一答など、
毎日やってほしい課題を、生徒さん一人ひとりの状況に応じて、個別で課しています。

ただ、それだけだと、やったりやらなかったりと高確率でグダグダになるので、
帰る前にはやったものを必ず提出してもらう決まりです。

適当な理由で「できなかった」と言い逃れすることが、100%無理な状況を作ります。

ここまでやり3ヶ月ほど続けると、生徒さんも習慣化しやるのが当たり前となります。

私も含め、人間は基本的には怠けもので弱い生き物ですから、
「(みんなを)しっかり見ているよ」「(先生に)見られている」という仕組みが大切です。

●社員デスクから中3生が見える位置で自習できるように配置

中3の自習机は、社員デスクから見えるところに配置していますので、
彼らの自習中の様子は一目瞭然です。

ほぼ完全管理下と言えます。

上述しましたが、やっぱり人間は弱い生き物です。

ましてや中3はまだまだ子どもですから、
見られている感じを作り出すことが必要だと考えています。

実際に私も中3のころは、誰かに見られていないと絶対に勉強しませんでした(笑)。

どうせ自習するのであれば効率を上げたいですし、
効率を上げるために社員の目の届くところに配置するのは理に適っていると思います。

行きたい学校に合格してもらうためには、
圧倒的な勉強時間と質を高める必要がありますから、
そのサポートをするのは当然といったところでしょうか。

いかがでしたか。

「塾は勉強をしにいくところ。話す場や遊ぶ場ではない」という
意識になる環境を作り出すことができれば、塾の取り組みとしては成功と言えるでしょう。

ちなみに弊塾では、原則として月曜日は通常授業を入れていないので、
夕方から21:00まで誰も一言も喋らない、めちゃくちゃ静かな空間になります。

電話が鳴ると「ビクッ」としますよ(笑)。

もちろんこの環境が合わない中3もたくさんいると思います。

しかし、この環境だから頑張れる生徒さんがいるのであれば
この仕組みをなくしたくないですし、
この環境があったからこそ1ランク・2ランク上の高校へ合格できた生徒さんもいます。

個人塾なんですから、他塾さんが真似できないようなとんがってる部分が
多少あるくらいのほうがいいと思います。

みなさんの塾でも、独自の尖ったルールなどがあればぜひ教えてください!

【今回のまとめ】
・ルールや環境で人は変わる!
・どうせやるならトコトンやりきる!

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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