【Vol.1022(2026.07.08)】通信制高校も選択肢の一つとなる時代へ

中3生はこれから学校で懇談があり、志望校をぼんやりと決めていく時期かと思います。

もちろん夏休みにオープンスクールでいろいろな高校を見学し、
秋から冬にかけて最終的に受験校を確定する流れになるでしょう。

また今年度から私立高校授業料無償化により、
公立高校から私立高校へ受験生の流出が止まらないというニュースもよく耳にします。

ただし、あくまで授業料の無償化ですので、制服やICT端末、修学旅行の積立金など
それ以外の費用もかなりかかることも忘れてはいけないでしょう。

<高校無償化元年、“私立は無理”が変わった?塾代を含めた公立・私立の「教育費総額」リアルな比較>
https://news.yahoo.co.jp/articles/9e0005a62788f224cf4d7ebdb303652d5ab7870b

一方で、通信制高校に進学する生徒さんも年々増えてきました。
それに合わせて通信制の高校自体も増えています。

この少子化の時代、全日制では高校の定員割れや統廃合が叫ばれる中で、
進学希望者や学校数が増えるという稀有な状態で、
実際のデータでも、10人に1〜2人は通信制高校を選ぶ時代になっているようです。

弊社は、個別指導塾の経営に加え、
通信制高校サポート校「フォレスト高等学院」の運営も行っています。

今年で5年目となり、通信制高校に関する知識や情報も多少は持っているつもりですので、
今回はこのあたりを深堀りしてお伝えできれば!

保護者さんとの進路面談時に
「通信制高校ってどうですか?」と聞かれた際などのヒントになれば幸いです。

さて、通信制高校に通う生徒さんが、通信制高校を選んだ理由も多岐に渡ります。

「中学時代に不登校だった」
「起立性調節障害で出席日数が足りなくなるのが目に見えている」
「やりたいことがあってそちらに力を注ぎたい」
「最短で医学部に合格するために、省エネで高校卒業できる通信制を選んだ」
「自分のペースで高校生活を送りたい」
「全日制高校に通っていたが色々あって転入(転校)した」

など、さまざまです。

正直なところ、10~20年前くらいまでの通信制高校のイメージは、
「不良生徒が行く学校」「全日制高校を辞めることになった生徒が行く学校」など、
あまりよい印象がなかったと思います(実際に私もそうでした)。

しかし今は、高校選びの立派な選択肢の一つになりました。

この変化は、コロナ禍の影響も大きかったと思います。

コロナ禍による休校や生活リズムの乱れ、友人関係の希薄化などが、
不登校の子どもたちの増加要因として大きく影響を与えました。

次に、通信制高校の種別について。

通信制高校も、全日制同様に公立と私立があります。

公立の通信制高校は各都道府県に1〜2校ずつあることが多く、
全日制の公立高校と同じ日程で入試が行われることが多いです(地域による)。

一方、年々増え続けているのが私立の通信制高校です。

通信制高校にも、3つ以上の都道府県(または全国)から入学できる「広域制」と、
所在地および所在地と隣接する都道府県県などから入学できる「狭域制」があり、
広域制のほとんどは私立です。

ここでよく勘違いされるのが、
弊社が運営している「通信制高校サポート校(以下、サポート校)」です。

「サポート校」は、通信制高校ではありません。
「提携先の通信制高校に在籍する高校生のサポートを行う民間の施設」です。

弊社のサポート校「フォレスト高等学院」は、
日本航空高等学校(通信制課程)と提携しています。

同校に在籍する生徒さんがフォレスト高等学院に通学して、
学習フォローやメンタルケアなどを受けながら3年で卒業を目指す仕組みです。

したがって、サポート校は塾の役割に近いと思います。
サポート校の運営母体に学習塾(学習塾企業)が多いのも、
この親和性の高さによるもので、同じ場所を塾とサポート校で併用するという流れです。

ただし、通信制高校の生徒さん全員がサポート校に通うわけではありません。

学習管理をしながらレポートを提出したり、
スクーリングと呼ばれる年数回の対面授業に参加したりなど、
これらを自分ですべてできる生徒さんは、サポート校が不要な場合もあります。

サポート校は、

「レポートの分からない部分を一緒に進めてもらいた」
「スケジュール管理をしてもらいたい」
「自宅から外に出る機会を作りたい」
「家族以外の誰かと話す機会がほしい」
「高校生活を少しでも楽しんでもらいたい」

という生徒さん・保護者さんに最適です。

また、通信制高校によっては、サポート校が必ずセットになっている学校もあります。

逆にサポート校がそもそもない通信制高校や、
サポート校の要・不要を選択できる学校などさまざまです。

そのため、もし貴塾の生徒さんが通信制高校を希望される際は、
「単位取得や高校生活をフォローするサポート校が必要か否か」を、
当人やご家庭と相談してみてください。

加えて、通信制高校の中には、人口の多いエリアにキャンパスを設け、
そこに通学できる仕組みも作っている学校もあります。

その場合、電車で通う必要があったり、生徒数が多かったりするので、
貴塾の生徒さんがそれに合うかどうかも判断する必要があるでしょう。

もちろん、サポート校も学習塾と同じく民間の教育施設ですから、
通信制高校の学費に加えて、別途サポート校の費用がかかります。

この費用は、サポート校が独自に設定できますので、
高品質・高単価型のところもあれば、とにかく安さを追究する低単価型のところもあります。

ちなみにフォレスト高等学院は、高品質&比較的安価な体制で運営する方針です。

逆にサポート校に通わず、通信制高校単体で高校卒業を目指す場合、
この費用面は家庭にとって大きなメリットになるでしょう。

通信制高校は、制服代も端末代も修学旅行の積立などもない学校が多いため、
授業料無償化をうまく利用すると、学校によって変動はあるものの、
おおむね下記の費用だけで高校卒業が可能です。

=====
・入学金や入学検定料(初年度のみ)・・・約6万円
・教育充実費や事務所経費、システム料(毎年)・・・約7万円×3年=約21万円

<合計>27万円
=====

言ってみれば、27万円で高校卒業できる仕組みなわけですから、
仮に生徒さん本人が高校の3年間、アルバイトで毎月8,000円程度を稼ぐことができれば、
自力(生徒さんの自費)で高校卒業も可能なのです。

課程の経済事情などで学費の捻出が厳しいご家庭にとっては
非常に価値のある選択肢ではないでしょうか。

奨学給付金制度もあり、
所得に応じて年額最大52,000円程度の給付を受けることができます。

さらに、今年度より生活保護世帯と非課税世帯に加え、
年収490万円までの世帯までが給付の対象となりました。

なおこちらの奨学給付金は、「奨学支援金」(=授業料無償化)とはまた別の給付です。
教科書代など、授業料以外の用途に使えるので助かります。

【高校生等奨学給付金】
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/20250411-mxt_shuukyo03-100002595-03.pdf

ただし、サポート校なしで通信制高校に進学する場合、
レポート提出などの自己管理は非常に重要です。

何らかの強い意思や、少なくとも保護者さんの声掛けやサポートなどがなければ、
3年での卒業が難しくなる可能性は高くなります。

それでも「家計が苦しくて高校に行かせられない」というご家庭があるようでしたら、
上記のような選択肢があることもお伝えいただくと、
力になって差し上げられるかもしれません。

最終的にはご家庭が判断することになりますが、
ご家庭がその選択肢を知っているか否かはとても大きな違いです。

いかがでしたでしょうか。

「高校進学=全日制」という時代はもう終わりました。
現実には、通信制高校も普通に選ばれているという認識を持っておくことは大切です。

貴塾に通塾している生徒さんも、全日制を目指す子が多数派かもしれませんが、
中には、不登校やさまざまな事情で通信制高校を検討したい生徒さんもいるはずです。

だからこそ私たち塾関係者は、通信制高校の仕組みや現状などをしっかり把握した上で、
各ご課程との面談を行っていきましょう。

私の個人的見解や主観も入っていますし、まだまだ情報収集中の部分もあります。
ひっそりと制度変更された部分もあるかもしれません。

たいへん申し訳ありませんが、念のためみなさんご自身でも確定情報を調べてから、
御家庭に伝えるようにしてくださいね。

【今回のまとめ】
・通信制高校は高校選びの選択肢の一つ
・通信制高校に関する知識をしっかり得ておくことが大切

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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