少子化の時代であっても、実は学習塾市場全体は9000億円台で横ばいとなっており、
大手塾さんを中心とした市場の上位7割は、この20年間で2倍に成長しているそうです。
【少子化で伸びる塾、潰れる塾 数字で見る学習塾市場の二極化】
https://kawasemi.eisyun.jp/cram-school-polarization/
やっぱり大手さんの底力はとんでもないですね。
一方で、中小・個人塾は4割が赤字で、倒産件数も年々増加しています。
個人塾も踏ん張りどころですね。
それでも、当メルマガでも繰り返しお伝えしてきたように、
個人塾だからこその優勢性もたくさんあります。
先日の弊社主催セミナーでご登壇いただいた、
埼玉県の「ソロモン総合学院(内藤有基代表)」さんなど、
大手さんでさえ一目置く個人塾もあるわけですしね。
そこで今回は、個人塾ならではの利点をリバイバルでお伝えしたいと思います。
8年ほど前に書いた記事で、表現等には微修正を加えていますが、
本質的には今でも変わらず、有効な部分も多いと感じます。
我ながら良い記事を書いたと思います(笑)。
さて、以下からが本題です。
個人塾ならではの利点とは、大まかに以下の3点に集約されると思います。
1.『個人塾は小回りが利く』
2.『個人塾は異動が存在しない』
3.『個人塾は自分に合った顧客を選べる』
いずれも当たり前といえば当たり前なことですが、
いまいちど、この強みを認識していただきたいです。
1.『個人塾は小回りが利く』
個人塾の場合、判断は経営者であるあなたに委ねられます。
ということは、あなたが判断しさえすれば、
今すぐ舵を右に左に切ることが可能なのです。
「今のより、こっちがいい」「これを試してみたい」となれば、瞬時に切り替えられるわけです。
教室で使用する教材一つとっても、
大手さんのような標準教材の制約もなく、自由に選べます。
教材展示会などで「いいな」と感じた教材をすぐに導入できるのです。
また、やろうと思えば、1:2の個別指導塾を1:3や1:4に切り替えることもできます。
システムや仕組みの変更は違う意味で大変ですが、
学生アルバイトが集まりにくいこの時代、1:2の指導体制存続が難しいと判断したなら、
自身の決断でシステムを切り替えることが可能です。
大手さんは教室数・生徒数・社員数も多く、商圏も広いため、
簡単にこうした変更はできません。
そして大きな組織であるがゆえに、一つの判断・決断をするのに、
やれ会議だ稟議だのと、どうしても時間がかかってしまいます。
船でも車でも、大型は小回りがきかないのと同じですね。
ダイヤモンドプリンセス号と小型船舶との違いという視点で考えればそれは歴然で、
私たち(個人塾)は言ってみれば完全に自由の身なわけです。
こんな強み、活かさないなんてもったいない!
必要なのは、経営者の踏み出す勇気だけであり、
大手さんよりどんどん先に新しいものを取り入れたり、実行したりすることが可能なのです。
弊社有料会員さまの中には、
「振替が煩雑すぎて時間を取られすぎるので、ClaudeCodeで振替システムを自作した」
という強者塾長もいらっしゃいました(いや、本当にすごかったです)。
仮に、私が大手さんの立場であったとしたら、良いものを作れるのに自塾で導入できない、
目の前にいいものがあってもすぐに使えないというのは、
相当なジレンマとストレスを感じるのではないかと思います。
繰り返しになりますが、踏み出す勇気さえあれば何でもすぐにできます。
もちろん後先考えず、何でも節操なく飛びついて軸が定まらないのは良くないですが、
多くの個人塾経営者さんは、「自分の考え・想い」があって、独立開業されたはず。
そうでであれば、なおさら「ザ・個人塾」の強みの原点はぜひ活かすべきだと思います。
2.『個人塾は異動が存在しない』
これはいつも思うのですが、個人塾の最大の強みではないでしょうか。
3年・5年・10年たっても、ずーーーーーっと私たちは同じ教室にいるわけです。
私たちが真摯に保護者・生徒さんと向き合っていれば、
卒業した生徒さんがふらっと遊びに来る、成人式の帰りに晴れ姿を見せに来てくれる、
就職内定や結婚の報告をしてくれる、自分の子どもを入塾させてくれるといった、
人生の節目節目で帰ってきてくれる塾になれます。
私たちが個人塾を「辞められない」理由の一つといっても過言ではありません。
弊塾も創業19年目に入り、結婚や出産などの報告で来てくれる卒業生も増えてきました。
卒業生の孫はまだです(笑)。
大手さんであれば、数年単位での異動は当たり前です。
生徒さんが卒業後にふらっと教室に立ち寄りたくなっても、
まったく知らない先生しかいないのであれば、
いくら同じ場所にある教室でも、それはもう違う塾ですよね。
ですから、まずは、私たちがずっといることがとても大きな強みであると理解してください。
ただし、私たち自身に魅力がなければ、生徒さんがまた顔を出してくれることはありません。
だからこそ、生徒さんが通塾してくれている間、
同じ空間で過ごしている時は、常にMAXで生徒さんとコミュニケーションをとり
信頼関係を築き上げていきましょう。
異動がないからというだけでは強みにはならないことを肝に銘じておく必要があります。
いつも口酸っぱく申し伝えていますが、内部充実がすべてです。
3.『個人塾は、自分に合った顧客を選べる』
私たちも人間ですから、相性があります。
シンプルにいえば、自分がお手伝いしたい・応援したいと思える
生徒さんや保護者さんに入塾していただくことが、私たちも力を発揮しやすいということです。
もちろん、好き嫌いで判断していいというわけではありませんよ!
入会面談で「この保護者さんとは合わないな……」と、入塾を断るのはちょっと違います。
初対面ですから、保護者さんも緊張されていたり警戒されていたりするケースもあり、
私たちに対してまだ心をオープンにされていないからです。
一方で入塾後に、何度こちらの意図を伝えてもご理解いただけないとか、
教室の方針と異なることを求められるといった場合は、
残念ながら「合わない」という判断に至ります。
もうこれは、どちらが正しいとか間違っているとかではなく、
それなら、相性のいい他塾さんに移ってもらったほうが、
全員がハッピーになれると思います。
弊塾の場合、現在は高校生専門塾ですが、小・中学生も受け入れていたとき、
最初から受け入れをお断りしていたのが、私立中学の受験を考えている生徒さんです。
指導できる学生講師がいなかったからです。
以前、私と教室長が現場でバリバリ授業も受け持っていたころは、
私立中学受験生も受け入れていましたが(一応私も、中学受験経験者)、
社員はレギュラーで固定指導しないという方針を決めて以降、受け入れをやめました。
また、弊塾は高3生になると、強制自習や単語テストの実施など、
相当ルールが厳しくなります。
そういったルールを守って、がんばり切れるのであれば問題ないのですが、
ルールに沿わない要望などを求められた際は、丁重にお断りします。
こちらが設定したレールに基本的には乗っていただくことで、私たちも指導がしやすくなり、
結果を出すことができると考えているからです。
大手さんの場合、問い合わせがあった生徒さんは
とりあえず全員入塾させるのが大前提だと思います。
やはり数値目標や自身の評価がありますしね。
上司に「どうして入塾させないんだ」と詰められるかもしれません。
しかし、無理をしてとりあえず入れてしまった後で、
どうしても合わない生徒さん・保護者さんに「辞めてほしい」と言うわけにもいきません。
結果として、どちらも不幸になる可能性が高まります。
個人塾の場合は、このあたりの判断も自分でできるところが何よりのメリットです。
何度も申しますが、決して、好き嫌いで入塾を判断してはいけません。
特にこれから独立を考えている20〜30代の社員さんはご注意ください。
合わないというのは、自分たちの力不足で「合わせられない」だけとも言えます。
常に自分の受け皿を広げていく努力は怠ってはいけません。
いかがでしたでしょうか?
私たち個人塾の人間が、教室運営する上で大切なこと。
それは「毎日を楽しく過ごして、精一杯働く」ことです。
自分のやりたいことや届けたい教育を実現させたくて独立したのに、
その意に反してストレスや不安を抱え込むのでは、
いったいなんのための独立だったのか分かりません。
一番大切な教室の仕事がストレスの毎日だと、教室が崩壊するのは目に見えています。
自身を常に向上させつつ、できるだけストレスがない教室運営をする。
それができるのが個人塾の強みであり、生き残っていく手段ではないでしょうか。
みなさんの塾の強みをしっかり活かしていきましょう。
【今回のまとめ】
・個人塾は、やり方次第で十分生き残れる
・自塾の強みや方針を、じっくり考えてみる
