【Vol.745(2023.11.22)】フォレスト流!休む際の振替ルール

今回は弊塾の振替ルールをテーマにお伝えしていきます。

個別指導塾のお困りあるあるの一つでもある「授業振替」、
みなさんの教室ではどう対応されているでしょうか。

さて、例外なく弊塾でも授業の振替でてんやわんやしたり、
芸術ばりの美しい座席表が崩れて悲しい思いをしたりしながらも、
弊塾なりの振替ルールを導入することで、
多少なりとも教室運営が楽になるようにはしています。

この振替ルールのポイント(いたってシンプル)を他塾の先生に伝えると、
高確率で「めちゃいいですね。うちも使わせてもらっていいですか」と
言っていただけるほどで、それなりに自信もあるやり方です!

弊塾は1(講師):2(生徒)の個別指導塾ですので、
それを前提に講師人件費や利益率などを計算していますが、
1度振替が発生すると1:1となりますので、基本のモデルが崩壊します。

例えばこんな具合です。
=====
●1:2・・・売上9,000円(4,500円×2名)、人件費1,800円、利益7,200円、人件費率20%
●1:1・・・売上4,500円(4,500円×1名)、人件費1,800円、利益2,700円、人件費率40%
=====
これだけでも、1:2と1:1では大きな差があるとお分かりいただけると思います。
したがって、いかに1:2比率をいかに高めるかが大事なのです。

極端な話、1:2の個別指導塾で1:1の指導をすることは「悪」だとさえ言えるでしょう。

確かに、修学旅行であっても認めないなど
「どんな理由があっても、振替は一切応じない」という強気の塾さんもあると思います。

その方針も間違っていないと思いますし、
振替をなくせば社員さんの業務量はかなり減りますから、
働きやすい環境をつくることもできるでしょう。

ただ、生徒さんにだって事情はありますよね。

弊塾では、下記のようなルールを規約に記載し振替を認めています。
=====
【振替授業】
正当な理由(体調不良・急を要する用事)による欠席に関して、振替授業を行います。
授業開始10分前までにご連絡ください。ご連絡の際は、欠席理由を必ずお伝えください。
振替授業は、原則長期休み(春休み・夏休み・冬休み)に行います。
振替授業の振替は、いかなる理由があってもお受けできませんのでご注意ください。
=====

基本的には、相田みつをさんの「だって人間だもの」という言葉にのっとり、
「仕方ないときもあるよね」というスタンスです。

しかし、規約にもあるように「授業の10分前までに」「欠席理由を伝え」、
その理由が正当であることが条件です。

また、生徒さんや保護者さんの要望(振り替える日時や担当講師)は承りません。
自己都合で休むわけですから、そこまで希望を聞くのはちょっと違うかなという判断です。

ここでポイントは、振替日時を翌週などの直近にするのではなく、
原則として「長期休み中などに充てている」ことです。

これでかなりの業務負担軽減につながっており、自画自賛しています(笑)。

なぜなら、振替日時を今すぐ決めなくてもいいから。

振替依頼のお電話があったときに、直近への振替を前提としていると、
できるだけ早く(基本はその場で)決める必要がありますよね。

7~8年前まで弊塾でもそうしていたのですが、
それが恐ろしく大変で非効率的なやり方だと気付きました。

以下、やりとりの一例です

保護者「今日体調不良で休ませます。振替はいつになりますか」

私「そうですね、では来週木曜日の4講目はいかがですか」

保護者「(確認のため1分ほど保留音)その日は歯医者の予約が入っていて……」

私「なるほど、では来週の水曜日5講目はいかがでしょうか」

保護者「(再び保留音)その日は私が送迎できなくて……。来週火曜の5講目はどうですか」

私「すみません、その日は満席でして……・」

保護者・私「……」

貴塾でも似たようなケースがあるのではないでしょうか。

教室での私たちの仕事は、生徒さんとコミュニケーションを取ったり、
教室運営をスムーズにしたりすることです。

サービス業的な観点からはできるだけ要望に応えて差し上げるのも大事かもしれませんが、
こうした不毛なやりとりに時間を取られていては本末転倒になってしまいます。

また弊塾では、基本的にきれいピタリと当てはまるよう1:2の座席を作っているので、
そもそも振替を入れるスペースがほとんど存在しないんですよね。

かと言って、振替があることを前提に空き時間をたくさん作るわけにもいきません。

そうして「直近で振り替えることはそもそも無理だ」という確信に変わってからは、
長期休みに振り替えるルールに変更したのです。

本当に、これでかなり楽になりましたよ。

先ほどのやりとりを例にすると、

保護者「今日体調不良で休ませます。振替はいつになりますか」

私「体調不良でお休みされるんですね。振替は冬休み期間中になります。」

保護者「分かりました。よろしくお願いします」

で終了です(笑)。

振替をすべて長期休みにすることで、
電話やメール、LINEなどのやりとりも最小限に抑えることができます。

今まで振替の電話応対に取られていた時間を、
本来のもっと有益な業務(生徒対応や授業サポートなど)に使うことができるのです。

さらに、実はもうひと工夫していることがあるんです。

直近(おおむね1〜2週間)の座席割で1:1になるコマが発生した場合、
そこを振替日に提案するようにしています。

もちろん、生徒さんの都合が合わないこともありますが、
感覚値ではだいたい7割以上の確率で「その日で大丈夫です」という反応です。

そうすることで、本来は「悪」である1:1を1:2にすることもできますし、
利益や人件費率の向上にも役立って一石二鳥です。

また、誰かが欠席して急に1:1が発生した場合に、
自習に来ている生徒さんで振替が残っている子がいれば、
そこに充てることもあります。

急に言われても授業準備をしてきていない生徒さんも多いので、
その部分に関してはこちらで対応するようにしています。

いかがでしたでしょうか。

振替に関しては、生徒さんや保護者さんではなく
私たちが主導権を持っておくことが大切です。

完璧と言える制度ではないかもしれませんが、
できる限り、私たちや社員の負担が減る仕組みを作ろうとしています。

「うちではこういう工夫をしている」という事例がありましたら、ぜひ教えてください!!!

【今回のまとめ】
・授業の振替は業務負担が大きい
・振替をするのであれば、こちらの負担を極限まで減らす仕組み作りを考える

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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