【Vol.749(2023.12.06)】教室運営で変えたこと・変えなかったこと(前編/変えたこと編)

教室運営をする上で、ルールや決まりごとは必須です。

ではそのルールが「本当に今のままでいいのか」を考えてみたことはあるでしょうか。

もちろん、考えた結果、変えないというのもいい判断ですが、
1度じっくり考えてみるのも悪くありません。

長い間教室運営をしていると、気付かず惰性になってしまっている部分があるものです。

そこで今回は、考えに考えた上で「変えた」、弊塾の事例を挙げてみたいと思います。

(1)授業の時間割を変えた(終わりを早めた)

5年ほど前までは、授業終わりの時間が21:55でした。

しかしそれだと、講師も残務などをしていると、退社は22:20~30ごろになってしまいます。

さらに社員はそこから片付け業務や情報共有などの終礼をしていたので、
早くても23:00前にしか退社できない仕組みでした。

「塾だからよるが遅くなるのが当然」という声もあるかもしれませんが、
早く帰れるに越したことがないですし、
遅くなればなるほど帰宅時の夜道の危険というリスクも高まります。

そこで、すべての時間割を繰り上げて、21:40終了にしました。

15分ほど前倒しになっただけですが、たかが15分、されど15分です。

みんな帰る時間が早くなり、電車で通う社員や講師は、
電車の乗り継ぎが良くなって以前より20分以上早く帰れると喜んでいました。

特に女性講師・社員からは好評でしたね。

一般的な塾より早く帰れる塾として、
講師応募数にも影響が少なからずあるのではと考えています。

(2)社員間の1日の振り返りや情報共有を、授業後→翌日昼に

以前は、講師が帰った後に、
終礼という形で生徒さんの情報共有や1日の振り返りを(社員と)行っていました。

(1)でもお伝えしたように、これを実施すると社員は23:00時前後の帰宅になります。

しかし、そもそも「当日にやる必要があるのか」という疑問がわいてきて、
「翌日、出社してから(14:00~)でいいんじゃないか」と考えたのです。

結果的に、こちらもやって良かったと心から言えます。

このルーティンにしたことで、ゆっくりと深い部分まで情報共有ができるようになりました。

1時間ぐらいかけて実施するときもあります。
社員からの悩みも併せて聞くことができる日もあり、一石二鳥です。

夜は「少しでも早く帰してあげないと」と思うと、なかなかそうはいきません。

ただし、情報共有を翌日に実施すると、
昨日のことを忘れてしまうケースもあると思いますので、
大切なことは当日にメモしておくなどの対策はしています。

また、生徒さんも来ない時間帯なので、時間に余裕がありすぎて、
ダラダラと話をしてしまうことのないよう、最長15:00までというルールを作っています。
(長時間のコミュニケーションが一概に悪いわけではありませんのでケースバイケースです)

授業終了時間を15分前倒ししたのと合わせ、
社員は1時間ほど早く帰ることができるようになりました。

(3)授業ブースの衝立(ついたて)を取り払い、普通の机に変えた

弊塾は、生徒さんをはさんで真ん中に講師が座る1:2の個別指導スタイルです。

以前の授業机には、隣の生徒さんのことが気にならないように衝立を設置していました。

確かに生徒さんは集中できていいなと思う反面、なんせ高さがありますので死角が多く、
生徒さんが寝ていても気付きにくいなどのデメリットもあります。

そこで「本当にその衝立がいるのか」と考えました。

弊塾は授業中も基本的には静か目に勉強する生徒さんや、
落ち着いた声で指導する講師ばかりなので、なくても問題ないといいう結論に至り、
思い切って衝立を撤去したのです。

結果、死角もなくなって見通しが非常に良くなり、教室が広くなったようにも感じました。

(4)奥行きのあるスチール棚を、奥行きのない木製教材棚に変えた

新規開校時に教材棚を購入したのですが、
前職でも使っていたからという理由で奥行きが50cmのスチール棚を選んでいました。

頑丈で使う分には問題ないのですが、材質的にも無機質な威圧感がすごいんですよね。
木製のほうが温かみがあってオシャレですし。

それに、本当にこれだけの奥行きが必要なのかも疑問です。

そこで奥行き30cmの木製棚に変更したのですが、これも大成功!

20cmも自由に使えるスペースができましたし、
「いかにも事務用品」的なスチール製の威圧感が、木製のオシャレ感に変わりました。

同じ棚でもこんなに変わるのかと感心したぐらいです。

(5)高3生の自習机を幅100cm→80cmに変えた

弊塾では高校生専用の教室があり、
高3生には一人1台の固定(個人専用)自習机を提供しています。

高校生専用の教室を作ったときには、
リッチな感じを出したくてあえて幅100cmの自習机を入れました。

もちろん高3生は大喜びです。

この形で数年やっていたのですが、生徒さんたちの使い方を見ていると、
幅80cmでも十分にゆとりを持って使えることが分かってきました。

また、80cmにすることで、机の数を増やせる点も魅力です。
(100cn×4台=80cm×5台)。

それで思い切って、80cmの机に入れ替えたのですが、やはりまったく問題なし(笑)。

人間は与えられたサイズで調整する生き物のようです。

最も効果的だったのは、自習席を16席→20席に増やせたことです。
もっと早くやっておけばよかったと後悔しました。

(6/番外編)

教室運営ではありませんが、2年前から当メルマガの配信を
週1回→週2回に変えたことも自分にとって非常に良い影響がありました。

アウトプットする回数が倍になるため、
いろいろなところで情報をキャッチしようというアンテナ感度が高くなったのです。

このペースで配信を続けるのは正直ハードな面もあるのですが、
それを継続できているということが、自信にもなっています。

いかがでしたでしょうか。

今のままでも悪くないけれども、変えるともっと良くなる部分がたくさんあるはずです。

「これを変えたらどうなるだろう」「変えるとどんな良いことがあるだろう」と考え続けることは、
生徒さんや保護者さん、さらに講師たちにとっても、
さらに居心地の良い教室づくりにつながるはずです。

そんな教室になるよう、お互い常にクリティカルな改善意識を持っておきましょう!

次回は「変えなかったこと」をお届けしますのでお楽しみに!

【今回のまとめ】
・「これを変えたらどうなるだろう」と考える習慣を持っておく
・変化することで内部充実度が高まる

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安多 秀司のアバター 安多 秀司 株式会社リアル・パートナーズ代表

大学卒業後、京都・滋賀・大阪・兵庫等に教室を持つ「成基の個別教育ゴールフリー」に入社。
最年少教室長として、川西教室(兵庫県)で3年間務める。その後、「スタンダード家庭教師サービス」を運営する株式会社スタンダードカンパニーに入社。「個別指導塾スタンダード」の立ち上げに尽力し、事業責任者として30数教室の 新規展開を行う。
その後独立し、平成20年7月「個別教育フォレスト」を設立。開校1ヶ月で35名の入会があり、わずか1ヶ月で損益分岐点を超える。現在はキャンセル待ちの塾として地域No.1の個別指導塾を運営している。
今でも現場主義を貫き、常に通塾中の顧客に対して満足度を高める工夫を実践している。

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